債券は続伸、先物が6週間ぶり高値圏-株安や現物債買いの観測が支え

債券相場は続伸(利回りは低下)。 日経平均株価がユーロ安・円高見通しを背景に続落したため、債券先 物は朝方の売り一巡後に買いが優勢になって一時は6週間ぶり高値を つけた。期初で現物市場には投資家の運用資金が流入しやすいことも 相場を支えた。

しんきんアセットマネジメント投信・投資調査グループの鈴木和 仁ストラテジストは、10年債利回りの1.3%台前半ではさすがに買い の勢いが鈍ったとしながらも、「株安など外部環境が追い風となる中、 投資家の潜在的な需要が意識されていた」との見方も示した。

東京先物市場の中心限月6月物は前日比13銭安い139円21銭で 開始。いったんは139円18銭まで下落したが、すぐに買いが膨らんで 一時は3月11日以来の高値となる139円43銭まで上昇した。午後に 入ると前日終値をやや上回る水準でのもみ合いに終始して、結局は2 銭高の139円36銭で取引を終えた。

前日の米国市場の株高、債券安を手掛かりに先物6月物は売り先 行となったものの、現物市場で期初の買い観測が根強いことから日中 は底堅さを取り戻した。

また、米国株相場が堅調だった割に日経平均株価がマイナス圏で 推移したことも、債券買いの材料となった。ギリシャの債務問題を背 景としたユーロ安・円高の見通しが株式市場で懸念されており、大和 住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダーは、 「海外ファンドなどが日本株のさえない動きを見越して、債券先物の 買い持ち高を増やしたのではないか」と話した。

22日の米株相場は午前に反落したものの、米証券取引委員会(S EC)から提訴されたゴールドマン・サックス・グループが勝訴する との観測が広がったことから午後の取引では堅調となった。

10年債利回りは1.315%

現物市場で新発10年物の306回債利回りは、前日比1ベーシスポ イント(bp)高の1.325%で始まり、午前10時前からは1.315%での 推移となった。

306回債利回りは週初に3月11日以来の低水準となる1.305%を つけ、その後も1.3%台前半でのもみ合いとなっている。

みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストは、10年債利 回りが1.3%を割り込めば買いが細るとみているが、「キャリー(金利 収入)確保のために購入した向きはすぐには売ってこない」とも言い、 来週にかけても1.3%台前半のレンジが続くと予想する。

こうした中、市場では週明けにかけて大型連休前の買いが入ると の予想もあった。大和住銀投信の伊藤氏は、これまで買いに慎重だっ た投資家は連休前に残高を積み増したい意向があるとみており、「週末 の海外市場の動向次第ではあるものの、10年債利回りが来週前半に一 時的に1.2%台をつけることも考えられる」との見方を示した。

来週レンジは1.29-1.35%程度

一方、ここ2週間で投資家の期初買いがある程度入っただけに、 来週半ば以降には戻り売りが膨らむ可能性もある。大和住銀投信の伊 藤氏は、4-6月期には昨年まで金利が上昇する傾向が続いており、 連休明け後の金利高への警戒は怠れないと指摘。その上で、「足元のキ ャリー確保の買いが一巡すれば、4月初めに1.4%近辺で買っていた 向きが利益確定の売りに出てきそう」とみていた。

みずほ証の三浦氏は、来週に日米両国で金融政策運営の会合が実 施されるが、いずれも債券を買う材料が出てくるとは見通せないとし て、「10年債利回りは一時的に1.29%程度に低下しても、その後は再 び1.3%台前半に押し戻される展開だ」と指摘。

しんきんアセットマネジメント投信の鈴木氏も、潜在的な需要を 残しているだけに1.3%台半ばでは買いが入るものの、現状程度の株 価調整では1.3%割れは買い進めないと予想していた。

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