富士通の山本新社長:会社のガバナンスは機能-野副氏辞任問題で

情報システム構築の国内最大手、 富士通の山本正已新社長は22日、ブルームバーグ・ニュースなどとの 就任インタビューで、元社長の野副州旦氏は「社長として適切でない 人」だったとして、同氏を辞任させたのは、同社のガバナンス(企業 統治)が機能した結果だとの見解を示した。

富士通は、野副氏が昨年9月に社長を辞任した当時、理由を「病 気療養」と公表したが、野副氏が今年に入って対決姿勢を示すと「好 ましくない風評のある企業グループ」との関係に訂正。東京証券取引 所から当初の情報開示が適正さを欠いたとして、厳重注意を受けた。 投資家からは富士通のガバナンスを問う声も出ていた。

同社の社長職は野副氏辞任後、間塚道義会長が兼任し、4月1日 付で山本氏が引き継いだ。野副氏は辞任を一部役員に強要されたとし て、株主代表訴訟を起こす意向を表明するなど会社側と鋭く対立。22 日には辞任の経緯などに関する質問状を提出した。

山本氏は「質問状が会社に来たと聞いているが、手元には届いて いない」と述べるにとどめた。野副氏が真相究明のため第三者による 調査委の設置を求めている点についても、14日の会社側会見で間塚氏 が「設ける考えはない」と述べたことを踏まえ、会社の見解は表明済 みとしてコメントを控えた。

昨秋に野副氏の辞任理由を「病気」と公表した点について山本氏 は「一応、取締役会で決めたことで、当時は最善だった」としながら も、結果的に問題があったと認めた。会社側と野副氏のどちらが正し いのかは「裁判所など公的機関が判断するしかないのでは」と語った。

さらに、野副氏辞任をめぐる一連の騒ぎはガバナンスの問題では なく、情報コントロールを誤った点に問題があったと語った。

今期2000億円は「厳しい」

同社は昨年7月発表の中期経営計画で、2009年3月期に1124億 円の純損失を出した収益構造を国内外の連携強化や構造改革で急回復 させ、来期(12年3月期)に過去最高の利益を目指す。その過程とし て今期は2000億円の営業利益確保を掲げている。

しかし、山本氏は今期の2000億円達成を「あきらめたわけではな いが、厳しい」と語った。製造や流通、金融などの業種向けのシステ ム構築事業の収益回復が、景気低迷で計画発表時の想定よりずれ込ん でいるためとしている。為替も不透明要素だと述べた。

山本氏はまた、米グーグルの無償OS(基本ソフト)「アンドロ イド」を搭載したスマートフォン(多機能携帯電話)端末を「今年度 中には出したい」と語った。海外展開も想定しているという。

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