今日の国内市況:株式は一時1カ月ぶり安値圏に、債券反発-円上昇

東京株式相場は反落。ギリシャの 財政不安を背景に、為替市場で円が対ユーロ中心に円高方向に振れ、 業績不安から精密機器や自動車、電機など輸出関連株が下げた。中国 の人民元切り上げに対する懸念で鉄鋼など中国関連業種も売られ、米 国の医療保険改革法の悪影響が警戒された医薬品株も安い。

日経平均株価の終値は前日比140円96銭(1.3%)安の1万949 円9銭、一時は約1カ月ぶりの日中安値を付ける場面があった。TO PIXは同8.90ポイント(0.9%)安の978.17。

ユーロ圏諸国と国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB) とギリシャによる同国支援策をめぐる協議が21日に始まり、ギリシャ のパパコンスタンティヌ財務相は同日、協議はおそらく2週間続くと の見通しを示した。ギリシャ支援の協議長期化観測は、同国の信用不 安を再燃させ、21日の欧州債市場で10年物ギリシャ国債の利回りは 8%を超えた。ドイツ債とのスプレッド(利回り格差)は500ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)を上回り、過去最大を記録。

外国為替市場ではユーロが売られ、東京時間22日は1ユーロ= 124円台前半まで円高・ユーロ安が進行。日本の輸出関連企業の採算 悪化懸念につながり、欧州売上高比率の高いオリンパスやHOYAな ど精密機器株のほか、トヨタ自動車やホンダ、ファナックといった時 価総額上位の輸出関連銘柄が軒並み売りに押された。

中国の人民元切り上げや金融引き締めへの不安も根強く、中国経 済の成長鈍化に伴う日本企業への悪影響を警戒する動きにつながって いるとの指摘もあった。中国関連では新日本製鉄やJFEホールディ ングスなど鉄鋼株が売られ、三井物産、住友金属鉱山といった商社、 非鉄金属も安い。

このほか21日の米国株式市場では、アボット・ラボラトリーズな どが医療保険改革法で売上高は打撃を受けるとの見通しを示し、ヘル スケア関連株の下げが目立った。米市場の流れを受け、日本株市場で も武田薬品工業、アステラス製薬などの医薬品株が下落。東証1部33 業種の下落率上位は1位が鉄鋼、以下医薬品、電気・ガス、精密機器、 その他製品となった。

日経平均は午前に一時前日比223円安の1万866円と、3月25 日以来およそ1カ月ぶりの日中安値を付けた。しかし午後に入ると、 今後発表が本格化する国内企業決算に対する期待感を背景に、下値を 買う動きから株価指数は下げ渋った。

午前にすべて下げていた東証1部業種別33指数は、午後に入り空 運、ゴム製品、海運など7業種が上げに転じて終えた。売買高は概算 で21億7748万株、売買代金は1兆5382億円。

個別では、東京国税局からの追徴課税で、2010年3月期の連結最 終赤字幅が拡大したもようの東レ、中価格帯化粧品の苦戦で10年3月 期業績が従来予想を下回ったもようと、22日付の日本経済新聞朝刊で 報じられた資生堂が安い。

半面、事務機販売の好調と経費削減で10年3月期の連結業績が従 来計画を上回ったもようと前日発表したリコーが買われ、パソコン販 売の好調などから10年3月期の連結業績予想を上方修正したダイワ ボウホールディングス、10年3月期の連結最終利益が従来予想比52% 増となったジャックスが急騰。全面的なコスト削減効果などで10年3 月期の利益見通しが従来予想から大幅に上振れたもようと、午後1時 に発表した住友ベークライトは上昇転換して終えた。

債券上昇、長期金利は1.315%

債券相場は上昇(利回りは低下)。前日の米国市場で長期金利が低 下したことに加え、国内株式相場が反落したことで買いが優勢となっ た。午後に発表された20年債入札の結果が順調だったことも好感され て超長期債などに買いが入った。

東京先物市場の中心限月6月物は3日ぶりに反発した。前日比22 銭高の139円35銭で始まった後、若干上げ幅を縮め、一時は12銭高 まで伸び悩んだ。しかし、午後の20年債入札結果発表後には再び139 円35銭付近まで上昇した。その後も139円台前半で推移して、結局 21銭高の139円34銭で引けた。

21日の米国債相場は上昇。米財務省が来週の入札以後は規模を縮 小し始めるとの見方や、ギリシャがデフォルト(債務不履行)回避の ために緊急支援を要請する必要があるとの懸念から、比較的安全とさ れる米国債への逃避的な買いが膨らんだ。米10年債利回りは前日比6 ベーシスポイント(bp)低下して3.74%程度。一時は3月24日以来 の低水準となる3.73%を記録した。

現物債市場で新発10年物の306回債利回りは、前日比1.5bp低い

1.315%で始まった後、若干低下幅を縮め、0.5bp低い1.325%をつけ た。その後は再び水準を切り下げ、午後2時25分過ぎから1.5bp低い

1.315%で推移している。

財務省が午後零時45分に発表した表面利率(クーポン)2.1%の 20年利付国債(117回債、4月発行)の入札結果では、最低落札価格 は99円75銭、平均落札価格は99円78銭となった。

最低落札価格は事前の市場予想の99円70銭を上回った。最低と 平均落札価格との差である「テール」は3銭と前回の7銭から縮小し た。応札倍率は4.02倍となり、2008年5月以来の高水準となった。 日経テレコンによると野村証券が1221億円を落札した。

日本相互証券によると、この日入札された20年物の117回債利回 りは、業者間市場では2.12%で取引を開始し、買いが増えると一時は

2.095%まで低下した。

円が上昇、一時は92円70銭台

東京外国為替市場では円が上昇。ギリシャ向け支援をめぐる協議 が長引くとの見通しや、米国で金融規制が強化されるとの警戒感が広 がっており、リスク回避に伴い円に買い圧力がかかった。

ユーロ・円相場は午前に一時1ユーロ=124円6銭と、3営業日 ぶりの水準までユーロ安・円高が進行。その後も124円台前半を中心 に推移した。ドル・円相場は一時1ドル=92円74銭と、2営業日ぶ りの円高値を付け、92円台後半での取引が続いた。

米国ではこの日、オバマ大統領がニューヨークで金融規制改革法 案について演説するが、ギブズ大統領報道官によると、法案成立の必 要性を訴える見通し。市場では、規制強化となれば、金融株を中心に 株価の下落につながる可能性があると見られている。

前日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均はプラスで取引を終 了したものの、上げ幅は小幅にとどまった。アジア時間では、米株価 指数先物がマイナスで推移している。また、この日の日経平均は大幅 反落して取引を終了。一時は1万866円と3月25日以来の日中安値を 付けた。

一方、21日には、ギリシャ向け最大450億ユーロの支援について、 欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)との協議が始まった。ギ リシャのパパコンスタンティヌ財務相が初回の協議終了後に記者団に 明らかにしたところによると、協議は2週間続く可能性が強いという。

前日の欧州債市場では、ギリシャ10年債利回りが連日で8%を超 え、独10年債利回りとの格差は過去最大の水準に広がった。そうした 中、ギリシャでは緊縮財政に抗議して、公務員がストライキを計画し ており、事態の混迷化が懸念されている。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.3359ドル と、9日以来のユーロ安値を付け、この日の東京市場では1.33ドル台 後半で取引されている。

一方、この日の米国時間には、3月の中古住宅販売件数のほか、 各種指標が発表されるが、市場の関心がギリシャ問題や米金融規制改 革法案に向いており、指標の影響は限定的になるとみられた。

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