東京外為:円が上昇、米欧の先行き不透明感でリスク回避強まる

東京外国為替市場では、円が上昇 した。ギリシャ向け支援をめぐる協議が長引くとの見通しや、米国で金 融規制が強化されるとの警戒感が広がっており、リスク回避に伴い円に 買い圧力がかかった。

クレディ・スイス証券経済調査部の小笠原悟エコノミストは、ギリ シャ問題に関して、「雲が晴れないうちはなかなかリスクが取りにくい 」と指摘。さらに、米国を中心に各国の金融規制に向けた取り組みに関 する材料を見極めたいとの姿勢もあり、短期的なリスク要因で円に上昇 圧力がかかりやすいとみている。

ユーロ・円相場は午前に一時1ユーロ=124円6銭と、3営業日ぶ りの水準までユーロ安・円高が進行。その後も124円台前半を中心に 推移した。ドル・円相場は一時1ドル=92円74銭と、2営業日ぶり の円高値を付け、92円台後半での取引が続いた。

米国ではこの日、オバマ大統領がニューヨークで金融規制改革法案 について演説するが、ギブズ大統領報道官によると、法案成立の必要性 を訴える見通し。市場では、規制強化となれば、金融株を中心に株価の 下落につながる可能性があると見られている。

前日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均はプラスで取引を終 了したものの、上げ幅は小幅にとどまった。アジア時間では、米株価指 数先物がマイナスで推移している。また、この日の日経平均株価は大幅 反落して取引を終了。一時は1万866円と3月25日以来の日中安値を 付けた。

ギリシャ問題の混迷化警戒

一方、21日には、ギリシャ向け最大450億ユーロの支援について、 欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)との協議が始まった。ギリ シャのパパコンスタンティヌ財務相が初回の協議終了後に記者団に明ら かにしたところによると、協議は2週間続く可能性が強いという。

前日の欧州債市場では、ギリシャ10年債利回りが連日で8%を超 え、独10年債利回りとの格差は過去最大の水準に広がった。そうした 中、ギリシャでは緊縮財政に抗議して、公務員がストライキを計画して おり、事態の混迷化が懸念されている。

みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、ギリシャ支援をめ ぐる協議について、IMFが入るとそう簡単には結論が出ないとした上 で、「いろいろな思惑が生じやすく、発言などに一喜一憂する展開にな らざるを得ない」と指摘。不透明感が続く中、「リスクが深まる方向と いうのはあまり変わらず、ユーロ安圧力が続く」とみている。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.3359ドル と、9日以来のユーロ安値を付け、この日の東京市場では1.33ドル台 後半で取引されている。

一方で、この日の米国時間には、3月の中古住宅販売件数のほか、 各種指標が発表される。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の内田茜ヴァ レリーFXストラテジストは、市場の目がギリシャ問題や米金融規制改 革法案に向いており、指標の影響は限定的になるとみている。

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