アセットM:2年ぶり不動産ファンド、約600億円-海外撤退

不動産ファンドの運営を手掛けるア セット・マネジャーズ・ホールディングスは、今期(2011年2月)中に 600億円規模の不動産ファンドを組成する計画だ。不動産市況の回復を にらみ、投資家ニーズは高いと判断し約2年ぶりの組成に踏み切る。一 方、海外投資からは撤退して国内運用に集中する方針だ。

岩崎謙治社長は21日のインタビューで、不動産市況について「経 済全体に底打ち感もある。ようやくマーケット環境が変わってきたとい う実感を持っている」との認識を示し、このファンド組成計画を明らか にした。同社での組成は08年5月以来となる。

同社のファンド運用資産残高は5301億円(07年2月末)をピーク に減少に転じ、10年2月末は約3400億円まで減っている。岩崎社長は 「今期以降は運用残高を増やしていきたい」と述べた。

金融危機を受け低迷が続いていた国内不動産市場には回復の兆し が出てきている。日本版不動産投資信託(Jリート)調査会社アイビー 総研によると、1-3月の取得額は2289億円と2四半期連続で増加し た。これは米リーマン・ブラザーズが破たんした08年9月までの3カ 月間の2399億円に迫る6四半期ぶりの高水準だ。

国内でM&A積極化

Jリートの投資口(株価に相当)も値上がりが続いている。東証RE IT指数は昨年11月の808.02ポイントを底に上昇が続き、4月16日 には一時、984.19ポイントを付け、2割以上値上がりした。

一方でアセットM社は、中国を中心とした海外投資事業から撤退す る。岩崎社長は「中国はいまバブルの可能性があり、できるだけ早期に 資金を回収したい」と述べた。中国国家統計局の発表によると、中国の 主要70都市の3月の不動産価格は前年同月比11.7%上昇し、伸び率が 過去最大となった。

同社の中国投資残は、中国中信集団公司(CITIC)傘下の投資 会社への出資や、上海市中心部のオフィス・商業複合ビルなどでピーク の08年2月期には200億円近くあった。10年2月末で約100億円まで 減らしたが、今後も売却を進める方針だ。

同時に、同社は国内の不動産関連事業のM&A(買収・合併)にも 戦略的に取り組む。買収資金は1社当たり20億円前後を念頭に、不動 産関連ビジネスや日本不動産投資信託(Jリート)で、相乗効果が期待 できる企業を対象に検討を進める方針だ。

岩崎社長は、「適度な借り入れと資産売却で回収した資金をもとに 再投資を行う」と述べ、今期中に少なくとも2件のM&Aを行いたい考 えを示した。

アセット・マネジャーズHDの22日の株価は一時前日比550円 (4.9%)高の1万1800円まで上昇。同320円(2.8%)高の1万1570 円で取引を終了した。

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