4月21日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではユーロがドルに対して下落。これ で1月以来最長の5日続落となった。ギリシャ救済パッケージに関す る協議がアテネで実施されているものの、同国の債務危機を阻止する には不十分との懸念が強まった。

ギリシャ10年債のドイツ10年債に対するプレミアム(上乗せ 金利)は5.01ポイントと、少なくとも1998年3月以来の最大に 拡大した。カナダ・ドルは米ドルに対して08年6月以来の高値を付 けた。カナダの利上げ実施に対する期待が高まった。

オンライン為替取引会社GFTフォレックスの通貨調査ディレク ター、ボリス・シュロスバーグ氏(ニューヨーク在勤)は「ギリシャ 国債の利回りが急上昇したことで、為替市場が神経質になっている」 と指摘。「救済計画が十分であると確信していないため、ユーロが下 落した」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時2分現在、ユーロはドルに対して前 日比0.3%安の1ユーロ=1.3395ドル(前日は同1.3435ドル)。 一時は9日以来の安値となる同1.3359ドルを付けた。円はユーロ に対して0.3%高の1ユーロ=124円82銭(前日は同125円24 銭)。ドルは対円で1ドル=93円19銭(前日は同93円22銭)。

ギリシャ国債の保証コストを示すクレジット・デフォルト・ス ワップ(CDS)スプレッドは上昇し、上昇幅は各国国債の同スプレ ッドの中で最も大きかった。アテネではこの日、ユーロ圏による 300億ユーロと国際通貨基金(IMF)による最大150億ユーロで 構成されるギリシャ救済パッケージに関する協議が始まった。

ギリシャのパパコンスタンティヌ財務相は、この協議が終了する よりも前に同救済策を発動させることもあり得ると発言した。

「メカニズムを発動」

UBSの為替ストラテジスト、アメリア・ブルドー氏は「救済策 のメカニズムを発動するべきだ」と指摘。「ギリシャ情勢が解決して 初めて、ユーロは本当の意味での反発が可能になる」と述べた。

CMAデータビジョンによると、ギリシャ国債のCDSスプレ ッドは前日比31ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇 の495bp。ポルトガル国債のCDSスプレッドは27bp上昇の 228bp。スペインは16bp上げて161bp。

カナダ・ドルは米ドルに対して1米ドル=99.85カナダ・セン ト。一時は08年6月以来の高値水準となる同99.31カナダ・セン トを付ける場面もあった。

カナダ・ドルは前日、対米ドルで等価を上抜けて上昇。カナダ 銀行(中央銀行)が政策決定会合後の声明で、インフレ見通しが変 わらない限り7月まで金利を据え置くとの「条件付き確約」を示す 文言を削除したことがきっかけとなった。

カナダの政策金利見通し

翌日物金利の市場見通しを示す、カナダの3カ月物オーバーナ イト・インデックス・スワップ(翌日物無担保レートと固定金利を 交換する取引、OIS)のスプレッドはこの日0.402%と、過去1 年余りの最大に拡大した。

モントリオール銀行の外国為替セールス担当ディレクター、ジ ョナサン・ジェンチャー氏(トロント在勤)は顧客向けリポートで、 利上げの「これからの注目は利上げの幅だ」と記述した。

英ポンドはユーロに対し、2カ月ぶりの高値に上昇した。失業保 険申請ベースの3月の英失業者数が市場の予想以上に減少したことに 反応。イングランド銀行(英中央銀行)が欧州中央銀行(ECB)よ りも早期に利上げを実施するとの観測が高まった。

◎米国株式市場

米株式相場は総じて上昇。ギリシャがデフォルト(債務不履行) に陥るとの懸念が広がったものの、アップルやモルガン・スタンレー、 ボーイングの決算が予想を上回ったことが好感され、買いが優勢とな った。ダウ工業株30種平均は3日続伸。

アップルは上場来高値を更新。1-3月(第2四半期)決算で純 利益が前年同期のほぼ2倍となったほか、スティーブ・ジョブズ最高 経営責任者(CEO)が、「今年は一段と卓越した複数の新製品を用 意している」と述べたことが好感された。モルガン・スタンレーとボ ーイングも買い進まれた。

一方、医薬品株の下げが響き、S&P500種株価指数は下落し た。ギリアド・サイエンシズとアボット・ラボラトリーズが安い。医 療保険改革法の影響で売上高が打撃を受けるとの見通しを示したこと が嫌気された。

ニューヨーク証券取引所の騰落比率は6対5。ダウ工業株30種 平均は前日比7.86ドル(0.1%)高の11124.92ドル。S&P 500種株価指数は0.1%下げて1205.94。ナスダック総合指数は

0.2%上昇の2504.61。

パイオニア・インベストメント・マネジメントの運用担当者、ジ ョン・キャリー氏は「決算はかなり力強いようだ」と指摘。「全般的 に投資家はこれに反応している。ソブリン懸念が依然存在するのは明 らかだが、ファンダメンタルズは良好だ」と分析した。

ブルームバーグのデータによれば、第1四半期決算を発表したS &P500種構成銘柄のうち約83%がアナリストの予想平均を上回っ た。この割合はブルームバーグがデータと取り始めた1993年以降 で最高となる。

アップル

アップルは6%高の259.22ドル。終値ベースでの最高値を更 新した。第2四半期決算は純利益が30億7000万ドル(1株当た り3.33ドル)と、前年同期のほぼ2倍となった。4-6月(第3 四半期)の売上高は最高で134億ドルになるとの見通しを示した。 これはアナリスト予想の130億ドルを上回る。

モルガン・スタンレーは4%高の31.68ドル。同社の第1四半 期決算は、利益がアナリスト予想を上回った。債券トレーディング収 入が前年同期の2倍を超え、業績に寄与した。1株当たり21セント の税効果を含めた継続事業ベースの1株利益は1.03ドル。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめたアナリスト24人の予想平均は1株当 たり57セントの利益だった。

ボーイングは3.9%高の74.16ドル。S&P500種の産業株 指数は最大の上昇となった。同社の第1四半期決算は、1株当たり利 益が70セントと、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想(64 セント)を上回った。

ギリシャ懸念

450億ユーロ規模のギリシャ救済パッケージに関する協議は、 21日に始まった。国際通貨基金(IMF)は20日公表した国際金 融安定報告で、ギリシャはソブリン債リスクに対する警鐘だと指摘し た。

10年物ギリシャ国債の利回りは21日、8%を突破し、約10 年ぶりの高水準となった。同年限のドイツ国債の利回りの2倍以上と なる。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、ギリ シャ債の保証コストが過去最高に上昇した。

ミラー・タバクの株式ストラテジスト、ピーター・ブックバー氏 は「ギリシャは誰も気に留めなくなってきているが、非常に大きな問 題だ。今再び気づき始めているのかもしれない」と指摘した。

アボット、ギリアド

アボット・ラボラトリーズは2.4%安の51.78ドル。トーマ ス・フレイマン最高財務責任者(CFO)は、医療保険改革法の影響 で売上高が2010年に2億3000万ドル、11年にも2億ドル余り減 少するとの見通しを示した。

ギリアド・サイエンシズは9.6%安の40.76ドル。下落率は S&P500種の構成銘柄中で最大となった。同社は20日、10年の 売上高予想を最大75億ドルと、従来予想の最大77億ドルから下方 修正した。医療保険改革法の影響で売り上げが2億ドル減ると見込ん でいる。

◎米国債市場

米国債市場では2年債と10年債の利回り格差が縮小。ここ約1 カ月の最小となった。米財務省が来週の入札以後は規模を縮小し始め るとの見方が背景。

ギリシャがデフォルト(債務不履行)回避のために緊急支援を要 請する必要があるとの懸念から、比較的安全とされる米国債への逃避 買いが膨らんだ。財務省は来週、2年、5年、7年物国債および5年 物インフレ連動債(TIPS)の入札を実施する。ブルームバーグ・ ニュースがプライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)9社 を対象にまとめた予想平均によると、入札規模は過去最高の計1280 億ドルに達する可能性がある。

バークレイズの金利ストラテジスト、マイケル・ポンド氏は、 「イールドカーブ(利回り曲線)はフラット化している。株価下落の ほか、来週の入札を控えて期間が短めの国債に売りが出ていることが 背景だ」と述べた。「入札規模が縮小し始めるとの見方から、長期債 は一段と堅調に推移しつつある」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時14分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)低下して3.74%。一時は3月24日 以来の最低となる3.73%を記録した。2年債は1%、一時は2bp 上昇して1.03%を記録した。

2年債と10年債の利回り格差は一時、2.72ポイントと、3月 24日以来の最小となった。2月18日には過去最大の2.94ポイン トに拡大した。

入札規模

ブルームバーグがまとめた予想によると、入札規模は2年債 440億ドル、5年債420億ドル、7年債320億ドル、さらに5年 物TIPS100億ドルとなっている。財務省は22日、午前11時に 発表する。

10年物金利スワップスプレッドは2週間ぶりにプラスとなった。 米国債の入札規模が縮小するとの見方が背景だ。

モルガン・スタンレーの米金利戦略責任者、ジェームズ・キャロ ン氏は、「財務省の入札規模は年度内(9月末終了)残りの期間に 520億ドル、来年度は5890億ドル減少すると予想している」と述 べ、「国債にとっては弱材料だ。つまり米国債の供給削減は米国経済 の改善を意味する」と続けた。

IMF経済見通し

国際通貨基金(IMF)は世界経済見通しで、急増する財政赤字 を各国が抑制できないなら、世界経済に「深刻な」影響を及ぼす可能 性があると指摘した。

IMFは政策当局者が直面する課題は、戦後最悪の規模に膨らん だ債務問題だと言及した。先進国には財政赤字削減計画の提示を求め る投資家からの圧力が高まっている一方、新興国は内需拡大への取り 組みのほか、海外からの投資が急増するなか、資産バブルの醸成回避 を迫られている。

世界経済見通しでは、「経済活動は高度に緩和的なマクロ経済政 策に依存している上、財政の脆弱(ぜいじゃく)さが表面化するなか、 下振れリスクにさらされている」と続けた。

金利先物動向によると、米政策金利が12月の会合までに少なく とも0.25ポイント引き上げられる確率は64%と、1カ月前の 78%から低下した。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続伸。ギリシャ救済パッケージでは同 国の債務問題を解決できないとの見方から、安全な逃避先としての金 への需要が強まり、2週間ぶり大幅高となった。

欧州の債務問題をめぐる懸念から、ユーロの対ドル相場は5営業 日続落。ギリシャ10年債の独10年債に対するプレミアム(上乗せ 金利)は少なくとも1998年3月以降で最大となった。金相場は過 去1年間で30%上昇。昨年12月3日には過去最高値のオンス当た り1227.50ドルを付けた。

ラサール・フューチャーズ・グループのトレーダー、マシュー・ ジーマン氏(シカゴ在勤)は、「ソブリン債問題を考えれば、今後も 安全な逃避先として、投資資金が金に流れるだろう」と指摘。「押し 目では今も積極的な買いが見られる」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場6月限は前日比9.60ドル(0.8%)高の1オンス=1148.80 ドルで取引を終了。中心限月としては7日以来の大幅高となった。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は反落。米エネルギー省エネルギー情報局 (EIA)が発表した在庫統計で、原油輸入が昨年9月以来の高水準 となり、米国の代表的な油種の先物の受け渡し地点での原油在庫が増 加したことが売り材料となった。

WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の引き渡 し地点であるオクラホマ州クッシングの原油在庫は5.8%増の 3410万バレルと、1月8日終了週以来の高水準となった。原油全体 の在庫は189万バレル増の3億5590万バレル。ブルームバーグが まとめた調査では、75万バレル減少が見込まれていた。

米コンサルタント会社ショーク・グループ(ペンシルベニア州) のスティーブン・ショーク社長は「クッシングで在庫が積み上がって いることは大きな弱材料だ」と指摘。「2月半ばから4月半ばの間に クッシングの原油在庫は前年同期比13%減から15%増に変わった」 と付け加えた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物6月限は前日 比0.17ドル(0.20%)安の1バレル=83.68ドル。午前10時 30分の週間在庫統計の発表前には84.30ドルで取引されていた。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は反落。過去4営業日のうち3日間で値下がりした。 ギリシャ国債の保証コストが過去最高に上昇したことを手掛かりに、 ギリシャ、スペイン、ポルトガルの株の下げが目立った。

ギリシャ3位の銀行、アルファ銀行は5.2%安。ピラウス銀行 は3.3%下げた。スペイン最大の銀行、サンタンデール銀行は

2.9%下落。ポルトガルのバンコ・エスピリト・サントは4.6%値 下がりした。これらの国の国債保証コストが上昇したことが背景。

インド最大の産銅会社、べダンタ・リソーシズは2.7%安。ロ ンドン時間で銅相場が下げたことを手掛かりに売りが優勢となった。 スウェーデンの化粧品メーカー、オリフレーム・コスメティックスは 13%下落。同社が発表した1-3月(第1四半期)決算は利益がア ナリスト予想を下回った。

ストックス欧州600指数は前日比0.6%安の268.23で引け た。450億ユーロ(約5兆6190億円)規模のギリシャ救済パッケ ージに関する協議が、この日始まった。ギリシャは5月末までに約 100 億ユーロを調達する必要があり、このところの調達コストの急 上昇を受けて協議の決着を急ぐ必要も生じている。

ロイヤル・ロンドン・アセット・マネジメントで約19億ドル相 当の資産運用に携わるアンドレア・ウィリアムズ氏は「財政赤字と金 融機関をめぐる問題は根深い」と指摘。「投資家は投資先を厳選せざ るを得ない」と続けた。

21日の西欧市場では、18市場のうち15カ国で主要株式指数 が下落した。ギリシャのASE指数は1.3%下落。ポルトガルの代 表的株価指数、PSI-20指数は2.3%安。スペインのIBEX 35指数は2.1%値下がりした。

◎欧州債券市場

欧州債市場では、ポルトガル10年債と同年限のドイツ国債のス プレッド(利回り格差)が拡大し、2009年3月以来の最大となった。 ユーロ圏の複数国が財政赤字の抑制で困難に直面するとの懸念が高ま ったことが背景にある。

ポルトガル国債の保証コストも上昇した。欧州連合(EU)諸国 で最大の財政赤字を抱えるギリシャは、EUと欧州中央銀行(EC B)、国際通貨基金(IMF)の当局者らと、450億ユーロ規模の 同国向け支援策に関する協議を開始した。

コメルツ銀行の債券戦略部門の共同責任者、クリストフ・リーガ ー氏(フランクフルト在勤)は、「悪影響は対象を限定しつつ波及し ており、ポルトガルに及んだ」と述べ、「ファンダメンタルズ的にこ れが正当化できるとは考えていない。どちらかと言えば、ポルトガル 発の最近の材料はむしろ前向きなものだ」と語った。

ロンドン時間午後4時46分現在、ポルトガル10年債利回りは 前日比11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の

4.80%。この結果、独10年債とのスプレッドは11bp拡大し 166 bp。昨年3月10日以来最大の172bpに拡大する場面もあ った。

ギリシャ10年債相場は7営業日続落し、同利回りは20bp上 昇の8.17%。独10年債に対するプレミアム(上乗せ金利)は25 bp拡大し503bp。同プレミアムは一時、522bpを超え、少な くとも1998年3月以来最大となった。

CMAデータビジョンの価格によると、ポルトガル国債に対する 保証コストを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプ レッドはロンドン時間午後2時25分現在、30bp上昇の231 b p。ギリシャ国債のCDSスプレッドは過去最高の495bpを付け た後、前日比23bp上昇の487bp。スペイン国債については13 bp上昇の158bp。

◎英国債市場

英国債市場では、2年債利回りは前日比4ベースポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の1.20%。一方、10年債利回りは4.02% と、前日からほぼ変わらずとなった。

英政府統計局(ONS)が21日発表した失業保険申請ベースの 3月の失業者数は前月比3万2900人減少し、154万人となった。 ブルームバーグ・ニュースが集計したエコノミスト26人の予想中央 値は1万人減だった。

イングランド銀行(英中央銀行)が同日発表した今月8日に開か れた金融政策委員会(MPC)の議事録によると、債券買い取りの枠 を2000億ポンドで維持することを全会一致で決定した。一部のメ ンバーは高めのインフレ率の期間が長引くことへの懸念を示したとい う。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net Editor:Tsuneo Yamahiro, Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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