円が弱含み、株高で資源国通貨選好-対ユーロで買い先行も続かず

東京外国為替市場では午後の取引 で円が弱含みとなった。朝方は対ユーロを中心に買われる場面も見ら れたが、商品相場や株式相場が堅調に推移する中、資源国通貨や金利 先高期待のある通貨を選好する動きが根強く、低金利の円は上値の重 い展開となった。

一方、ギリシャ問題に対する懸念がくすぶる中、ユーロは売りが 先行し、対ドルでは一時、今月9日以来の1ユーロ=1.3400ドル割 れとなる場面が見られた。

みずほコーポレート銀行国際為替部の宮地崇調査役は、朝方は「欧 州債の償還玉」と言われるユーロ売り・円買いが出ていたが、「その後 はアジアを中心に株が強いのでクロス円(ドル以外の通貨の対円相場) の巻き戻しになっている」と説明。その上で、「一部では米系証券の話 がくすぶっているし、ギリシャの話もある。週末のG20(主要20カ 国・地域)の会合を控えて人民元切り上げの話もあるので、完全なる 『リスク・オン』(リスク選好)モードという感じではない」と語った。

円は対カナダ・ドルで1週間ぶり安値まで下落。カナダ銀行(中 央銀行)が20日発表した声明で、インフレ見通しが変わらない限り 7月まで金利を据え置くとの「条件付き確約」を示す文言を削除、主 要7カ国(G7)で最初となる利上げ実施を示唆したことが引き続き 手掛かりとなった。

ユーロ売り先行も続かず

ユーロ・円相場は1ユーロ=125円台前半から一時、124円65 銭までユーロ売り・円買いが進行。しかし、加ドル・円や豪ドル・円 が底堅く推移する中、その後下げ渋り、午後には125円台半ば付近ま で値を戻す場面も見られた。ユーロ・ドルも今月9日以来のユーロ安 値となる1.3399ドルを付けた後、1.34ドル台半ば付近まで反発し ている。

カナダロイヤル銀行債券為替部の高安佳子部長は「ギリシャとド イツの国債スプレッド(利回り格差)も開いているし、ギリシャに対 する不透明感と不安感からのユーロ売りが続いている」と説明。一方、 前日からの流れでは「リスク選好の方が勝っている」と言い、金利先 高期待の高まっているカナダ・ドルやオーストラリア・ドルに対して 円は売られやすいと話していた。

ドル・円相場はユーロ・円につれて一時、1ドル=93円ちょうど を割り込んだが、米中期金利の上昇がドルを下支えする中、午後にか けては93円台前半で円弱含みの展開となった。

懸念材料くすぶる

ギリシャ政府は、ユーロ圏と国際通貨基金(IMF)による最大 450億ユーロ(約5兆6000億円)の支援条件などに関する協議を21 日に開始する。会合にはユーロ圏とIMFのほか、欧州中央銀行(E CB)からの代表も参加。融資を受けるに当たって、ギリシャ政府が 合意すべき財政赤字削減策などを詰める。ギリシャは5月末までに約 100億ユーロを調達する必要があり、このところの調達コストの急上 昇を受けて決着を急ぐ必要も生じている。

20日の欧州債市場ではギリシャ10年国債と同年限のドイツ債と のスプレッド(利回り格差)が拡大し、ブルームバーグ・ニュースが 記録を開始して以来の最大を更新。同政府が実施した13週(3カ月) 物証券の入札では、落札利回りが前回入札の2倍以上となった。

一方、IKBドイツ産業銀行は同社の弁護士に、米投資銀行ゴー ルドマン・サックス・グループを民事提訴する準備を求めたと、フィ ナンシャル・タイムズ・ドイツ版(FTD)がIKB内部者の話を基 に伝えた。報道によると、IKBは2007年に、債務担保証券(CD O)に投資した1億5000万ドル(約140億円)のほぼ全額を失った。 これは米証券取引委員会(SEC)がゴールドマンに対して起こした 訴訟で焦点となっているCDOだという。

カナダロイヤル銀の高安氏は「ゴールドマンの話は今後、金融規 制強化という話になりかねず、非常に大きな問題になってくる可能性 がある」と指摘。「そうなればどうしてもリスクオフということにな り、投機的なポジションは張れないということになるが、現段階では 今後の進展を見守るしかない」と話していた。

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