NY外為:円下落、カナダなど利上げ示唆でリスク志向復活

ニューヨーク外国為替市場では 円がすべての主要通貨に対して下落。世界的に景気回復が勢いを増 すなか、カナダの中央銀行がインフレ抑制に向けた利上げを示唆し、 高利回り通貨への需要が拡大した。

カナダ・ドルは米ドルに対して過去5カ月余りで最大の上昇。 カナダ銀行(中央銀行)は、主要7カ国(G7)では最初となる政 策金利の引き上げ実施を示唆した。一方、円は対ドルで下落。菅直 人副総理兼財務相が、政府と日本銀行が努力して物価上昇を実現し ていきたいとの考えを示したことから、一段の刺激策への圧力と受 け止められた。

MFグローバル・ホールディングスのアナリスト、ジェシカ・ ホバーセン氏(シカゴ在勤)は、「中銀の動きがリスク志向を支え ている」と指摘。「ほかの国が刺激策の解除を進めるなか、日銀が さらなる金融緩和措置を実施する可能性があるとの事実は、強力な 円売り材料になっている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時3分現在、円はユーロに対して前日 比0.5%安の1ユーロ=125円23銭(前日は同124円64銭)。円は 対ドルで0.8%安の1ドル=93円15銭(前日は同92円40銭)。一 時は1.1%安の同93円39銭と、日中取引としては3月24日以来の 大幅下落となる場面もあった。ユーロは対ドルで1ユーロ=1.3442 ドル(前日は同1.3489ドル)。

カナダ・ドル

カナダ・ドルは米ドルに対して1米ドル=99.87カナダ・セント (前日は同1.0144カナダ・ドル)。一時は1.7%高の同99.72カナ ダ・セントと、日中取引としては昨年11月9日以来の大幅上昇とな った。

カナダ中銀は声明で、インフレ見通しが変わらない限り7月ま で金利を据え置くとの「条件付き確約」を示す文言を削除。同中銀 は政策金利を過去最低の0.25%に据え置いた。ブルームバーグがま とめたエコノミスト25人の調査では、全員が据え置きを予想してい た。

バンク・オブ・ノバスコシアの為替ストラテジスト、カミラ・ サットン、サッシャ・ティハニの両氏(トロント在勤)は顧客向け リポートで、「カナダ中銀は今年6月の利上げに向け、市場に準備 をさせている」と記述。「カナダ・ドルは対米ドルで再び等価に上 昇した。当社では4-6月(第2四半期)末までに持続的なベース で1米ドル=0.99カナダ・ドルになると見込んでおり、等価は正当 化される水準だと見ている」と続けた。

キャリートレード

南アフリカ・ランドは円に対して1.5%高。ノルウェー・クロー ネは0.8%値上がり。低金利通貨で資金を調達し、高金利通貨で運用 するキャリー取引が活発化するとの観測が背景。日本の政策金利は

0.1%であることから、円は同取引の調達通貨として選好されている。

三菱東京UFJ銀行の為替調査部門で欧州責任者を務めるデレ ク・ハルペニー氏は顧客向けリポートで、「新たな円の下落に反映 されているように、市場は今のところ、リスク志向モードに戻りつ つある」と指摘した。

円はドルに対して、過去3週間余りで最大の下落となった。菅 財務相は衆院財務金融委員会で、政府・日銀が努力して物価上昇率 のプラス1-2%程度を実現していきたいとの考えを示した。

みずほフィナンシャルグループのシニアエコノミスト、キャメ ロン・ウメツ氏(ロンドン在勤)は、「インフレ目標を最大2%と する菅財務相の発言からは、日銀に対し景気回復期に入っても緩和 バイアスの維持を求める強い圧力であることが示唆される」と述べ た。

オーストラリア・ドルは米ドルに対して、4日ぶりに上昇。オ ーストラリア準備銀行(中央銀行)は、20日に公表した今月6日の 金融政策決定会合の議事録で、国内の鉱業ブームがインフレに拍車 を掛けるとの懸念こそが、政策金利を4.25%に引き上げた理由だと 説明した。

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