TOPIXが小反発、金融一角や自動車、陸運戻す-疑心暗鬼は続く

東京株式相場は、TOPIXが3 営業日ぶりに小反発。前日急落の主因だった米国を中心とする世界的 な金融規制強化への懸念がやや和らぎ、金融株の一部や円高進行の一 服も手伝った自動車株が戻した。東証1部33業種でTOPIXの上昇 寄与度1位が陸運となるなど、ディフェンシブ業種も堅調。

もっとも、19日の海外市場では原油先物など商品市況が続落する など、投資家のリスク許容度の回復は限定的で、株式相場全般の反発 力は弱かった。金融当局から提訴されている米ゴールドマン・サック ス・グループの決算が日本時間今夜に控えるほか、金融引き締め懸念 の強い中国上海株の続落も戻りの鈍かった要因。

TOPIXの終値は前日比1.27ポイント(0.1%)高の972.11。 一方、日経平均株価は同8円9銭(0.1%)安の1万900円68銭。

しんきんアセットマネジメント投信の鈴木和仁ストラテジストは、 「ゴールドマン提訴問題をきっかけに米国で再燃した金融不安がいっ たん弱まり、為替市場でリスク回避に伴う円買い圧力が減退したこと は外需頼みの日本株にはプラス」と指摘した。しかし、金融規制強化 の不安が払しょくできた訳ではなく、「疑心暗鬼の状況は当面続く」と 話している。

債務担保証券(CDO)の組成、販売をめぐる米証券取引委員会 (SEC)のゴールドマン・サックス提訴について、提訴の是非を決 める委員投票の結果は賛成3票に反対2票と、僅差で決定したことが 19 日分かった。米国では政府の積極的な関与を伴う「大きな政府」を 志向するオバマ大統領の下、与党民主党が金融業界への規制強化に着 手し始める一方、野党共和党はこうした姿勢に反対している。

立花証券の平野憲一執行役員は、11月に米中間選挙を控える中、 「『大きな政府』に反対する米国民も多いだけに、オバマ氏は金融規制 の強化を一方的に推し進めることは難しい」との見方を示していた。

米金融株反発、業界判断上げの材料

このほか、米銀シティグループが19日発表した2010年1-3月 (第1四半期)決算では、純利益が前年同期比2.8倍の44億3000万 ドルとなった。不良債権関連の費用が減少し、トレーディング収入は アナリスト予想を上回った。19日の米株式市場では、シティが7%高 と急伸するなど、前週末に売り込まれた金融株を中心に買い戻され、 ダウ工業株30種平均は0.7%高と反発した。

米国市場の流れを引き継ぎ、東京市場でも三井住友フィナンシャ ルグループ、T&Dホールディングスなど金融関連の一角に買いが優 勢となった。銀行株に関しては、モルガン・スタンレー証券が与信費 用の減少傾向などを材料に、業界の投資判断を「アトラクティブ」に 引き上げたこともプラスに働いた。

この日の外国為替市場では1ドル=92円台後半、1ユーロ=124 円台後半と、前日比でやや円安推移となった。日本の輸出関連企業の 採算悪化懸念が後退し、信越化学工業、京セラ、ホンダなど輸出株の 一部も上げた。

その他金融や卸売が下げる

東証1部の業種別33指数の騰落は、値上がりが空運や陸運、パル プ・紙、電気・ガス、サービス、ゴム製品、輸送用機器、銀行など。

一方、その他金融や卸売、不動産、機械、海運、鉄鋼などが値下 がり。卸売や機械、海運などは商品市況の下落や中国株への不安をう かがわせる。東証33業種の下落率1位になったその他金融については、 消費者金融など貸金業者への規制を厳格化する改正貸金業法を6月に 完全施行することがきょうの閣議で決定され、経営環境の厳しさをあ らためて警戒する格好となった。

東証1部の売買高は概算で19億5482万株、売買代金は1兆3766 億円。値上がり銘柄数が870、値下がり646。

25日線回復が焦点

日経平均は前日の大幅安で、投資家の短中期的な売買コストを示 す25日移動平均線(1万1054円)を約1カ月半ぶりに割り込んだ。 25日線を早期に回復すれば、テクニカル面では相場の先高観が再び戻 ってくるとの声も聞かれる。

ただ、カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストは、日 本株市場は海外投資家の動向に左右される他力本願なだけに、「ゴール ドマン提訴問題の不透明感が残る現状、投資家は買いにも売りにも積 極的に持ち高を積み増せない」と指摘していた。

いすゞや全日空に買い、図研安い

個別では、販売増加や採算改善などで10年3月期業績が従来の赤 字予想に対し、黒字転換したもようのいすゞ自動車が急騰。10年3月 期の連結純利益が従来の21%の減益計画から一転、32%の増益になっ たもようの共立印刷は東証1部の上昇率1位。このほか、アイスラン ドの火山噴火に伴う欧州便の飛行制限が段階的に緩和されていること を受け、収益環境悪化に対する過度の不安が薄れた全日本空輸が反発。

半面、子会社の業績悪化を受け、10年3月期の連結業績予想を下 方修正した図研、みずほ証券が投資判断を「アンダーパフォーム」へ 引き下げた青山商事が安い。下落率上位ではクレディセゾン、プロミ ス、アイフルなどその他金融株の名前が見られた。

国内新興3市場は、ジャスダック指数が前週末比0.3%安の54.11、 東証マザーズ指数は3.2%安の473.95と続落し、大証ヘラクレス指数 は1.3%安の688.14は反落。個別では10年3月期の業績予想を上方 修正したエレコム、両毛システムズ、さくらインターネットが急伸。 一建設、竹内製作所、エン・ジャパン、USENが買われた。半面、 アセット・マネジャーズ・ホールディングス、インフォコム、ミクシ ィ、アエリアが下落。前期赤字幅が拡大した図研エルミックも安い。

-- Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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