IMF:信用損失推計19%下方修正-最大の危機は公的債務

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国際通貨基金(IMF)は世界 の信用損失推計を19%下方修正するとともに、政府債務の増加が金 融危機に代わって世界経済への最大の脅威になっていると警告した。

IMFは20日公表した国際金融安定報告(GSFR)で、2007 年以降のローンと証券に絡む損失を2兆2800億ドル(約211兆円) と試算し、そのうち3分の2は09年末までに実現損になったと分析 した。IMFの昨年10月の推計は2兆8100億ドルだった。損失推 計の地域別内訳は米国の銀行が約39%、ユーロ圏が29%、英国が 20%。

IMFは世界経済の回復が「勢いを増し」、金融システムのリ スクは低下しているものの、金融機関を救済した先進国が発行する ソブリン債への懸念は増大していると指摘。各国政府には赤字削減 に向けた「信頼できる中期的」計画が必要であり、信用の流れを回 復して経済成長を促進するための追加的措置が必要な国もあると論 じた。

報告書は「財政収支の悪化と公的債務の急速な蓄積は世界のリ スクの輪郭を様変わりさせた」とし、「各国政府のバランスシート の持続可能性をめぐる懸念に起因した脆弱(ぜいじゃく)性が強ま っている」ことに言及。財政基盤が弱く財政負担が長引いている国 が投資家のリスク回避の動きの矢面に立っており、「こうした緊張 はギリシャで最も顕著だ」と指摘した。

「ユーロ圏の最近の混乱はまた、財政基盤の弱さと潜在的な脆 弱性が重なると短期的な資金調達の重荷として顕在化する可能性を 示している」との見方も示した。

報告書はさらに、「全体的な与信の回復は緩やかで底が浅く、 まだら模様になる可能性が高い」と予想し、「銀行の融資基準の引 き締めペースは鈍化しているが、銀行のレバレッジ解消が続くため 与信は引き続き抑制される公算が大きい」と続けた。

IMFの金融・資本担当ディレクター、ホセ・ビナルス氏は20 日の記者会見で、米国と欧州の銀行は1年前よりも体力が増してい ると評価。民間の銀行に対しては、バランスシート強化に向け長期 的な資金調達源を確保するよう促した。一方、各国政府の財政も問 題に直面しているとし、先進国の対国内総生産(GDP)の債務比 率が戦後最悪の高水準に接近していると指摘した。

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