米ゴールドマン、株価と経営陣に吹く逆風-不正めぐる調査が拡大

米投資銀行ゴールドマン・サック ス・グループの株価と経営陣に逆風が吹いている。債務担保証券(C DO)関連の不正疑惑をめぐる調査が米国から欧州にまで拡大するな かで、取締役会に対し経営陣刷新を迫る圧力が高まる可能性がある。

米証券取引委員会(SEC)がゴールドマンを提訴したことを受 け、ブラウン英首相は18日、英金融サービス機構(FSA)に調査開 始を命じた。ドイツのメルケル政権の報道官によれば、ドイツ連邦金 融監督庁(BaFin)もSECに訴訟の詳細の提供を求めた。

ロイド・ブランクフェイン会長兼最高経営責任者(CEO)を中 心とした取締役会にとっては、評判への打撃に歯止めをかけることが 急務となる。ゴールドマンはSECの訴えについて「法的にも事実面 でも根拠がない」として争う姿勢を示しているものの、16日の同社株 は13%安で終了した。

ホランドで会長として運用に携わるマイケル・ホランド氏は「世 論は現在ゴールドマンをリンチしようとの群集心理が働いているため、 この件がどこまで行くか予測がつかない。株価への下押し圧力は続く だろう」と話した。

また、7億ドル余りを運用するファー・ミラー・アンド・ワシン トンの社長で創業者のマイケル・ファー氏は16日にゴールドマン株を 売却したとして、SECの提訴によりCDOやクレジット・デフォル ト・スワップ(CDS)をめぐる議論の深刻度は新たな水準に達した との見方を示した。

「投資家はCDOやCDSに何か複雑でおかしな点があると承知 しているが、これらは複雑で難解なため、具体的に何がおかしいのか が分からない。しかし不正なら、投資家は理解している」と同氏は指 摘した。ゴールドマン広報担当のサミュエル・ロビンソン氏はコメン トを控えた。

SECはゴールドマンの2007年のCDO「アバカス2007-AC 1」について、担保に含める米サブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローン証券の選択に、そのような証券の下落を見込む取引をして いたヘッジファンドのポールソンがかかわった事実を開示していなか ったことを問題視し提訴した。

バール・アンド・ゲーナーのアナリスト、マット・マコーミック 氏は「ゴールドマンは今や、金融業界の問題すべての元凶のように見 なされ、そのような見方は消えるどころか強まる一方だろう」として、 「現時点で最悪のニュースが出尽くしたとは考えにくい」と話した。

欧州連合(EU)はゴールドマンがギリシャ政府向けにアレンジ したスワップについて調査し、米議会は同国の保険会社アメリカン・ インターナショナル・グループ(AIG)とのゴールドマンの取引を 精査している。

ボストン大学経営大学院のジェームズ・ポスト教授(企業統治・ 倫理)は、ゴールドマンの取締役会は独自の調査をし、SECが指摘 した問題について上級経営陣がどの程度認識していたかを把握する必 要があるとし、「取締役会は徹底的な内部調査を求め、ブランクフェイ ン氏ではなく取締役会に報告させる必要がある」と述べた。

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