今日の国内市況:株大幅安、債券上昇、円全面高-ゴールドマン提訴

東京株式相場は大幅続落。米国の 金融検査当局が米金融大手のゴールドマン・サックス・グループを詐 欺的行為があったとして民事提訴したことを受け、リスク資産圧縮の 動きが広がった。金融や輸出、資源関連株中心に売られ、東証1部の 業種別33指数はすべて安い。

日経平均株価の終値は前週末比193円41銭(1.7%)安の1万 908円77銭、TOPIXは同18.00ポイント(1.8%)安の970.84。

ゴールドマンを提訴した米証券取引委員会(SEC)の16日の 発表によると、ゴールドマンはサブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローンの価格動向に左右される債務担保証券(CDO)で、重要 な事実について実際と異なる情報を伝えるか、その開示を怠った疑い が持たれている。

金融危機の余波がまだ続くとの懸念が強まり、16日の米株式市場 ではS&P500種株価指数の業種別10指数がすべて下落。中でも、 金融株指数は3.8%安と下落率トップだった。米国市場の流れを引き 継いだ週明けの日本株市場でも、朝方から三井住友フィナンシャルグ ループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャ ルグループの3大金融グループ株が下げ、野村ホールディングス、オ リックスなど金融株全般に売り圧力が強まった。

一方、株価下落で高利回り資産の需要が後退し、19日の東京外国 為替市場では一時1ドル=91円台後半、1ユーロ=123円台後半まで 円高が進んだ。日本の輸出関連企業の採算悪化が懸念され、トヨタ自 動車、キヤノン、ファナック、京セラなども安い。

このほか、16日のニューヨーク商業取引所では原油先物相場が前 日比2.7%安と下げた。リスク資産を回避する流れから金や銅の先物 相場も安く、商品価格安が収益押し下げ要因となる三菱商事、国際石 油開発帝石、住友金属鉱山など資源関連株からも資金が流出した。

債券相場は上昇

債券相場は上昇(利回りは低下)。前週末の米国市場の株安、金利 低下の流れを引き継いで先物買いが優勢となった。現物市場も中期や 長期ゾーンに買いが膨らみ、10年債利回りは3月11日以来の低水準 となる1.305%まで低下した。

東京先物市場の中心限月6月物は、前週末比27銭高い139円20 銭で始まり、いったんは139円15銭まで上昇幅を縮めた。しかし、 株価の大幅続落を受けて買いが膨らむと、一時は3月11日以来の高 値となる139円36銭まで上昇。午後に入ると139円30銭を中心に もみ合いとなり、結局は36銭高の139円29銭で週初の取引を終え た。

米国の長期金利が今月初めの4%到達後に低下基調にあるほか、 内外株安や為替市場での円高傾向など、債券市場を取り巻く外部環境 が改善しつつある。また、15日に実施された5年利付国債の入札が順 調となったことから、投資家の期初の買い需要が意識されていること も、この日の市場で買い安心感を強めていた。

現物市場で新発10年物の306回債利回りは、16日終値より2bp 低い1.32%で始まった。開始後しばらくは1.315-1.325%でもみ 合ったが、午前10時半前後から再び買いが入ると一時は1.305%を つけ、3月11日以来の低い水準をつけた。

306回債利回りは12日に1.40%をつけたが、その後はじりじり と水準を切り下げる展開が続いている。

中期債市場でも買いが優勢。5年物の88回債利回りは3月17日 以来の0.5%割れで推移し、午後は2.5bp低い0.485%まで下げた。

円が全面高

東京外国為替市場では前週末に続いて円が全面高となった。米証 券取引委員会(SEC)による米投資銀行ゴールドマン・サックス・ グループ提訴を受け、世界的に株価が下落する中、比較的リスクの少 ない低金利の円に資金を回帰させる動きが続いた。

ドル・円相場は夕方にかけて1ドル=91円60銭と3月24日以 来、約3週間半ぶりの水準までドル売り・円買いが進行。一時は国内 勢からの円売りなどに92円台前半まで戻す場面も見られていたが、 円の買い意欲は強かった。米中長期金利の低下傾向が強まっているこ とも、ドル売り・円買いを後押しした。

ユーロ・円相場も一時、1ユーロ=123円16銭と3月26日以来 の水準までユーロ安・円高が進行。ギリシャ問題や欧州景気の先行き 懸念がユーロの重しとなる一方、中国人民元の切り上げ観測が円を支 える構図が続いた。

週明け19日のアジア市場では、米国株先物相場が下落。英国と ドイツがゴールドマンの調査に着手したことを受け、約2カ月ぶりの 大幅安となった先週末の地合いが続いている。

アジア株もほぼ全面安となり、外国為替市場ではリスクの高い高 金利通貨などから低金利の円やドルに資金を回帰させる動きが継続。 原油など商品相場の下落を背景に資源国通貨が売られ、オーストラリ ア・ドルは対円で3週間ぶり、対米ドルでは今月1日以来の安値を付 けた。

ギリシャ財務省は18日、同国への支援策に関する欧州中央銀行 (ECB)、国際通貨基金(IMF)、欧州委員会との協議を今月21 日まで延期すると発表した。同省によると、延期はアイスランドの火 山灰による飛行制限が理由。21日は暫定的な日程で、それまでに飛行 状況が改善されることを前提としている。

先週はユーロ圏財務相によるギリシャ支援の条件合意を好感し、 ユーロが買い戻される場面も見られたが、週後半には10年物ギリシ ャ国債とドイツ国債のスプレッド(利回り格差)が再び急拡大するな どギリシャ不安が再燃。アイスランドの火山噴火の影響で欧州景気が 鈍化するとの懸念も加わり、週明けの東京市場ではユーロが対ドルで 一時、1ユーロ=1.3437ドルと今月9日以来の安値を付けている。

一方、中国共産党中央政治局委員の李源潮氏は17日行ったイン タビューで、中国が人民元政策の変更を「検討している」と語った。

中国の国務院は同日、銀行に対し、不動産の値上がりが行き過ぎ た都市での3度目の住宅購入向け融資の停止のほか、納税申告書の提 出や社会保障費の支払い証明ができない住宅購入者への融資を見合わ せるよう命じた、と発表。19日の中国株式市場では不動産市場対策の ための融資抑制で消費が減速するとの懸念が広がり、指標のCSI 300指数が約8カ月ぶりの大幅安となっている。

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