プレジャーボート向け5年後3倍、中国で1フィート病-古野電社長

船舶用電子機器メーカーで世界最 大手の古野電気の古野幸男社長は、経済成長に伴う富裕者層の増勢が 著しい中国市場の拡大などで、同社のプレジャーボート向け製品群の 売上高が5年後に300億円程度と、今期(2011年2月期)推定額の約 3倍に伸びると見ている。

古野社長が19日、東京都内で開催したアナリスト説明会で明らか にし、「中国ではボートをたしなむ文化が生まれつつあるようだ。中国 政府が各所にマリーナを作り始めており、プレジャーボートのマーケ ットが大きくなる可能性がある」と述べた。同社長によると、ボート メーカーとの商談を通じ、中国の海南島や青島、上海などでの大型マ リーナ建設の動きを把握しているという。

プレジャーボート市場では、資産が増えるたびに1サイズ上のプ レジャーボートを購入する愛好者のことを「1フィート病」と呼び、 ボート所有者の虚栄心を端的に示す造語として浸透している。これま で1フィート病患者は欧米にとどまり、「日本では『1フィート病』が まったく広がらなかった」と同社長。しかし、中国では広がる可能性 が出てきたとの見方だ。

日本舟艇工業会によると、米国のマリーナ・ヨットハーバー数は 1万2000、係船能力は114万5000、20人に1隻の割合でボートを所 有する。北欧の所有割合は6-7人に1隻で、ハーバー数570、係船 能力6万9000で割合が370人に1隻の日本とボート先進国の欧米との 間に大きな開きがある。一方、中国は2万4800の湖、1万8000キロ メートルの海岸線を有し、将来的なボート市場の成長期待は強い。

古野電の推計によると、世界の船舶用電子機器市場の規模は3400 億円で、同社のシェアは20%超で世界トップ。さらに、現状900億円 のプレジャーボート向け市場でも、トップシェアを持つ。欧米の景気 後退を受け、プレジャーボート向け製品の受注高は過去2期間落ち込 んだ。しかし、足元で景況感も改善し、古野社長は「今年度は少なく とも平準値に戻る」と予測している。

会社側の今期業績計画は、連結売上高が前期比6%減の800億円、 営業利益が同3.5%増の12億円。主力の商船向け電子機器の回復には 時間がかかるとみるほか、ETC車載器の需要減少を想定するが、販 売管理費低減などで増益は確保できると見込む。前提為替レートは1 ドル=90円(前期から3.8円の円高)、1ユーロ=125円(同5.4 円 の円高)と設定、為替要因で約5億円の利益圧迫があるとしている。

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