鳩山政権:普天間5月決着に暗雲、「徳之島案」に地元反発(Update1

米海兵隊普天間飛行場(沖縄県宜 野湾市)の移設問題をめぐり、鳩山由紀夫首相が目指している5月末 までの決着に暗雲が垂れ込めている。有力案として取りざたされてい る鹿児島県徳之島への移設に対し、地元3町(徳之島、天城、伊仙) の町長らが呼びかけた大規模な反対集会が開かれたほか、民主党の鹿 児島県連も首相に「徳之島案」の白紙撤回を求めるなど関係者から強 い反発を受けているためだ。

「何ら正式な情報提供がない中で報道だけが異常に先行する形に なっており、大変、遺憾だ」-。鹿児島県連代表の川内博史衆院議員 は19日午後、県連所属の議員らと官邸で鳩山首相と面会した後、記 者団に対し、「徳之島案」をいったん白紙撤回するよう求めたことを 明らかにした。

川内氏は同案への賛否については「ベースとなる情報が開示され ていない中で賛成も反対も言えない」と述べるにとどめたが、18日 に徳之島で開かれた反対集会については「1万50000人の民意という のは重く、重く受け止める必要がある」との認識を首相にも伝えたと いう。

首相は民主党代表として臨んだ昨年8月の衆院選で普天間の県 外、国外への移設を目指す考えを示していた。徳之島はこの「県外」 という条件を満たすが、このまま地元の理解を得られないまま期限の 5月末を迎えれば政権の受ける政治的打撃は大きい。18日の朝日新 聞電子版によると、同社が17、18両日に実施した世論調査では、5 月末に決着できない場合に、首相は「辞任するべきだ」と回答した人 が51%に達した。

政治評論家の森田実氏は、徳之島で大規模な反対集会が開かれた ことで「米国が地元の賛成が移設の話し合いに入る条件としており、 これで徳之島案での解決は不可能になった。5月末決着は難しくなっ た」と指摘する。その後の首相の対応については「首相を辞めるか続 けるかだが、自分から放り出すことはしたくないだろう。ぼろぼろに なりながら参院選まで行くだろう」と述べ、首相辞任に至る「5月政 局」には発展しないとの見方を示した。

また、平野博文官房長官は19日午前の会見で、5月末までに決 着できなかった場合に首相の進退に発展する可能性について「国民の 意思で政権交代をさせてもらい、その期待に沿うということさえ、首 相が政策遂行の上において持ち続けていれば、進退の問題とかはまっ たくない」と否定した。

徳之島

一方、徳之島を含む鹿児島2区で当選した自民党の徳田毅衆院議 員は16日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューに応じ、徳之 島案について政府側からは何ら正式な説明を受けていないことを明 らかにした上で、「外交安全保障という重大な問題を政争の具にして 自分たちの身勝手な政府案を押し付けようとしているのであれば絶 対に認めることはできない」と反対する立場を強調した。

その上で、徳田氏は鳩山首相について、「日米関係というものを これほど悪化させ、外交安全保障の観点からも危機に陥れた。これほ どの混乱を招いた責任は極めて大きい。即刻、退陣すべきだ」と語っ た。

--取材協力:坂巻幸子Editor: Hitoshi Sugimoto, Kiyo Sakihama

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