円全面高、世界株安でリスク回避続く-米ゴールドマン提訴など嫌気

東京外国為替市場では前週末に続 いて円が全面高となった。米証券取引委員会(SEC)による米投資 銀行ゴールドマン・サックス・グループ提訴を受け、世界的に株価が 下落する中、比較的リスクの少ない低金利の円に資金を回帰させる動 きが続いた。

ドル・円相場は夕方にかけて1ドル=91円60銭と3月24日以 来、約3週間半ぶりの水準までドル売り・円買いが進行。一時は国内 勢からの円売りなどに92円台前半まで戻す場面も見られていたが、 円の買い意欲は強かった。米中長期金利の低下傾向が強まっているこ とも、ドル売り・円買いを後押しした。

三菱UFJ証券クレジット市場部為替課長の塩入稔氏は、ギリシ ャ問題、人民元の切り上げ観測にゴールドマン提訴のニュースが加わ り、リスク回避の流れが強まっている、と指摘。「ゴールドマンの話も 今のところ他に波及しそうな成り行きで、懸念材料として見ざるを得 ず、きょうの株式相場を見ても、目先は円買いが続きそう」と語った。

ユーロ・円相場も一時、1ユーロ=123円16銭と3月26日以来 の水準までユーロ安・円高が進行。ギリシャ問題や欧州景気の先行き 懸念がユーロの重しとなる一方、中国人民元の切り上げ観測が円を支 える構図が続いた。

ゴールドマン提訴

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、SECが住 宅ローンに基づく商品組成で、ゴールドマンを提訴したのと同様の投 資家への詐欺的行為がなかったかどうかウォール街の一部の企業を調 査している、と伝えた。

週明け19日のアジア市場では、米国株先物相場が下落。英国と ドイツがゴールドマンの調査に着手したことを受け、約2カ月ぶりの 大幅安となった先週末の地合いが続いている。

アジア株もほぼ全面安となり、外国為替市場ではリスクの高い高 金利通貨などから低金利の円やドルに資金を回帰させる動きが継続。 原油など商品相場の下落を背景に資源国通貨が売られ、オーストラリ ア・ドルは対円で3週間ぶり、対米ドルでは今月1日以来の安値を付 けた。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の内田茜ヴ ァレリーFXストラテジストは「ゴールドマンの話もあり、リスク売 りの方向になっている」と説明。「今週は米国で企業決算の発表があ り、好調な内容が株価を支えれば、クロス円(ドル以外の通貨の対円 相場)がそれほど下落することもないかもしれないが、ゴールドマン の話がどのように発展し、株式市場がどう反応するか、引き続き注意 する必要がある」と指摘した。

ギリシャ問題と人民元切り上げ観測

ギリシャ財務省は18日、同国への支援策に関する欧州中央銀行 (ECB)、国際通貨基金(IMF)、欧州委員会との協議を今月21 日まで延期すると発表した。同省によると、延期はアイスランドの火 山灰による飛行制限が理由。21日は暫定的な日程で、それまでに飛行 状況が改善されることを前提としている。

先週はユーロ圏財務相によるギリシャ支援の条件合意を好感し、 ユーロが買い戻される場面も見られたが、週後半には10年物ギリシ ャ国債とドイツ国債のスプレッド(利回り格差)が再び急拡大するな どギリシャ不安が再燃。アイスランドの火山噴火の影響で欧州景気が 鈍化するとの懸念も加わり、週明けの東京市場ではユーロが対ドルで 一時、1ユーロ=1.3437ドルと今月9日以来の安値を付けている。

一方、中国共産党中央政治局委員の李源潮氏は17日行ったイン タビューで、中国が人民元政策の変更を「検討している」と語った。

中国の国務院は同日、銀行に対し、不動産の値上がりが行き過ぎ た都市での3度目の住宅購入向け融資の停止のほか、納税申告書の提 出や社会保障費の支払い証明ができない住宅購入者への融資を見合わ せるよう命じた、と発表。19日の中国株式市場では不動産市場対策の ための融資抑制で消費が減速するとの懸念が広がり、指標のCSI 300指数が約8カ月ぶりの大幅安となっている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE