預保理事長:ペイオフ引き上げの亀井案「必要なし」-料率は下げ検討

預金保険機構の永田俊一理事長は、 銀行などの破たん時のペイオフ(預金払い戻し)保証額について、国際 比較や経済環境から鑑みて、現在の1000万円を引き上げる必要はない との考えを強調した。一方、保険料率については、機構の財政改善など から、引き下げ方向で議論していくべきだとの認識を示した。

ペイオフをめぐっては、亀井静香金融・郵政担当相が郵政改革に関 連して信用力の面でバランスを取るため、ゆうちょ銀行の預入限度額を 2000万円に引き上げる代わりに、民間金融機関のペイオフ保証額を引き 上げてもいいなどと主張。引き上げた場合でも、銀行などが負担する預 金保険料率は引き下げる方向で検討する姿勢を示していた。

永田理事長(66)はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、 「元本1000万円とその利息を保護する日本の水準は世界トップクラス」 と指摘。国内の景気動向などを見ても、引き上げで「直ちに見直す状況 にない」と述べた。預保によると、主要国では英が5万ポンド(約700 万円)、仏が7万ユーロ(約868万円)などとなっている。

一方で、永田氏は、過去に相次いだ金融機関の破たんで最大約4兆 円あった預保の欠損金は今年度内に解消されるとの見通しを示し、預金 保険料の引き下げを「検討していかなければならない」と述べた。逆に 保証額を引き上げるならば、「筋合いとしては保険料を上げることにな る」と預保のメカニズムを説明した。

ただ、永田理事長は、最近の亀井担当相の言動などに関連し、「預 金保険とゆうちょ限度額の話は別次元の問題だ」とし、連動させての議 論は「私たちの範囲を超え」コメントできないと指摘。ペイオフ保証額 や保険料率に対する考え方は、あくまで預保の本来の役割や構造を踏ま えたものであると強調した。

ペイオフは政府機関である預保が預貯金を一定額まで保証する制 度。金融不安が広がった1996年には国が全額保護する例外策を取った が、02年に一部から適用が再開された。保険料率は96年から0.084% に据え置かれている。09年度は三菱UFJフィナンシャル・グループの 3メガバンクや地域金融機関などで総額約6400億円を支払った。

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