4月19日の海外株式・債券・為替・商品市場 (Update2)

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルがほとんどの主要通貨に対し て上昇。米ゴールドマン・サックス・グループに関する調査が広がる との懸念が背景。ギリシャへの支援パッケージが行き詰まる可能性へ の不安もドルへの逃避を促した。

バンク・オブ・ノバスコシアの通貨戦略担当ディレクター、カミ ラ・サットン氏(トロント在勤)は、「リスク回避の動きが一気に強 まった」と指摘。「ギリシャをめぐる懸念に加え、ゴールドマン以外 にも問題が波及するとの懸念が市場に不安をもたらした」と述べた。

ユーロはドルに対して3営業日続落。債務に苦しむギリシャに対 しては、欧州連合(EU)が先週発表した救済額を超える金融支援が 必要になる恐れがあるとの観測が強まった。円はユーロに対して上げ を消した。SECがゴールドマン提訴について、全会一致で承認した わけではないと、事情に詳しい関係者2人の話しで明らかになったこ とがきっかけ。

ニューヨーク時間午後4時3分現在、ユーロはドルに対して前週 末比0.1%安の1ユーロ=1.3486ドル(前週末は同1.3503ド ル)。一時は9日以来の安値となる同1.3416ドルを付ける場面も あった。円は対ユーロで0.1%安の1ユーロ=124円59銭(前週 末は同124円44銭)。一時は3月26日以来の高値である同123 円16銭を付けた。円はドルに対して0.2%安の1ドル=92円38 銭(前週末は同92円17銭)。

南アフリカ・ランドはドルに対して0.8%安。ノルウェー・ク ローネは0.4%値下がりした。低金利通貨で資金を調達し、高金利 通貨で運用するキャリー取引の解消が進むとの観測が背景。

ドル対円

ドルは先週末、円に対して0.9%値下がりし、2月以来の大幅 安となった。SECによるゴールドマン提訴を受け、株価が下落した ことが背景となった。

JPモルガン・チェースは、ドルが対円で下値支持線を割り込ん だ場合、1ドル=88円付近まで下落する可能性があるとの見方を示 した。これは昨年12月以来の水準。ほかの通貨の対円での下落がド ルの売り圧力につながるためと説明した。

同社のテクニカルアナリスト、ナイオール・オコナー氏は顧客向 けリポートで、「先週金曜日のドル急落により、調整局面がより深く なるリスクも高まる」と指摘。「クロス取引での動きは円一段高の可 能性を示唆している。1ドル=91円10銭近辺が重要な支持線とな るだろう」と続けた。

その上で、ドルが同水準を割り込むことは、同88円14銭まで 下落することを意味することになろうと記述した。

ゴールドマン調査

ブラウン英首相は18日、ゴールドマン提訴で示唆された「モラ ルの失墜」に「衝撃を受けた」と述べた。ドイツ政府のウィルヘルム 報道官は、独政府が「SECに対し情報提供を求める」と発言。「こ うした記録を精査した上で、法的手続きの可能性について検討する」 と語った。

SECのゴールドマン提訴に関して、提訴の是非を決める委員投 票の結果は賛成3票に反対2票だったことが分かった。投票に詳しい 関係者2人が明らかにした。

ユーロが安い

欧州債市場ではギリシャ国債相場が下落。ドイツ国債に対するギ リシャ国債のプレミアム(上乗せ金利)は0.32ポイント拡大し、

4.62ポイントと、1998年以来の最大となった。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのチーフ為替ストラテジス ト、サイモン・デリック氏(ロンドン在勤)は「利回り差は、不安の 水準を示す指標として、ほかの指標と同様に優れている」と指摘。 「ギリシャは支援要請のボタンを押す段階に向かってゆっくりと進ん でいる。こうしたすべての要素が引き続きユーロの重しになっている」 と述べた。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。一時下げていたものの、シティグループ決算 のほか、米証券取引委員会(SEC)によるゴールドマン・サック ス・グループ提訴決定が委員の全会一致ではなかったことが関係者2 人の話で明らかになったことを受けて、上げに転じた。

シティは6週間で最大の上げ。同行の2010年1-3月(第1 四半期)決算では、純利益が2倍以上に増えた。一時3.6%安を付 けたゴールドマン株は反転。ブルームバーグ・ニュースの報道によれ ば、提訴の是非を決めるSECの委員投票の結果は賛成3票に反対2 票となった。フォード・モーターも高い。独ダイムラーが発表した1 -3月期決算の暫定集計で、12億ユーロの利益を計上したことに反 応した。

S&P500種株価指数は前週末比0.5%高の1197.52。一時 は0.7%安まで下げる場面もあった。ダウ工業株30種平均は

73.39ドル(0.7%)上げて、11092.05ドル。

ファースト・シティズンズ・バンクシェアーズのチーフ投資責任 者、エリック・ティール氏は、「SECの投票結果が割れたというこ とは、この件がゴールドマンにとって壊滅的な打撃にはならないこと を示唆している」と指摘。「加えて、ダイムラーの決算もかなり良か った。消費の力強さを測る上で、自動車と住宅は鍵となる」と述べた。

S&P500種は16日、2月4日以降で最大の値下がりとなっ た。SECによるゴールドマン提訴を受け、金融危機の余波がまだ続 くとの懸念が強まった。ゴールドマンは16日に13%安と、この1 年余りで最大の下げとなった。

割安株買う動き

LPLファイナンシャルの最高投資責任者(CIO)、バート・ ホワイト氏は「16日に大きく売られたことを受けて、割安となった 銘柄を買う動きが出ている」と分析。「ゴールドマンの状況はシステ ミックリスクを示唆するものではないとの見方が広がっている。加え て、他の状況も良いようだ。シティの決算は好調で、景気先行指数も 予想を上回った」と指摘した。

米民間調査機関コンファレンス・ボードが19日発表した3月の 米景気先行指標総合指数(LEI)は10カ月ぶりの大幅な伸びを示 し、市場予想も上回った。

シティは7%高の4.88ドル。同行の第1四半期決算は、純利 益が44億3000万ドルと、75億8000万ドルの赤字だった昨年 10-12月(第4四半期)から好転した。1株当たり利益は14セン ト。ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリスト調査では収支と んとんが見込まれていた。

ゴールドマン株の反発

ゴールドマンは1.6%高の163.32ドル。SECの提訴を受け て19日には13%安と、09年1月以降で最大の下落率を記録して いた。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリスト予想によれば、 S&P500種を構成する金融各社の利益は第1四半期に120%増加 したもようだ。この増加率は、主要10業種中で商品関連企業 (144%増)に次いで2番目。

フォードは1.3%高の13.60ドル。独ダイムラーが発表した 1-3月期決算の暫定集計では、一部項目を除いたベースでの利益が 12億ユーロと、市場予想を上回った。

◎米国債市場

米国債相場は3営業日ぶりに下落。10年債利回りは、過去の取 引パターンを基にアナリストが指摘する買い需要の失速が予想される 水準に迫った。この日は株式が値上がりした。

10年債は過去2週間上昇。利回りは18ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01ポイント)低下と、10日間の下げ幅は1月以来で最大 となった。ゴールドマン・サックス・グループ提訴に関して、米証券 取引委員会(SEC)による提訴是非を決める投票は全会一致の賛成 ではなかった。投票に詳しい関係者2人が明らかにした。

RWプレスプリッチの政府・機関債トレーディングのマネジング ディレクター、ラリー・ミルスタイン氏は「ゴールドマン問題で国債 は大きく上げたが、その値上がり分の一部が削られた。株高が理由の 一つではある」と述べ、「より詳しい情報が明らかになり、さらなる 金融規制強化の可能性が高まるにつれて、ギリシャ問題の時と同様に このニュースがしばらく材料になる可能性がある」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時21分現在、10年債利回りは前営業日比4bp上昇し て3.80%。一時は3月24日以来の低水準となる3.74%を記録し た。同年債(表面利率3.625%、2020年2月償還)価格は9/32 下げて9818/32。

ゴールドマン提訴の是非

S&P500種株価指数は上昇。ゴールドマン株は朝方に下落し ていたが、SECによるゴールドマン提訴の是非を決める投票の結果 が賛成3票に反対2票だったことが分かると、終盤にかけて上昇に 転じた。

10年債利回りは16日に7bp低下。SECによるゴールドマ ン提訴が手掛かりだった。

ドイツや英国もゴールドマンへの調査実施を示唆している。欧州 連合(EU)はゴールドマンがギリシャ政府向けにとりまとめたス ワップについて調査している。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、 ガイ・リーバス氏は「特に新しいニュースもなく、ゴールドマンに関 する詳細を待っている現状では、全般的な企業業績の内容を考えると 利回りはやや上昇するだろう」と述べ、「ゴールドマン提訴は同社を 脅かすだけではなく、業界全体をも脅かす可能性がある」と続けた。

利回り格差

世界的な景気回復が向かい風にさらされているとの懸念から、 10年債利回りは、2008年10月以来の高水準を記録した4月5日 の4.01%から低下している。

10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格差は

2.33ポイント。トレーダーによるインフレ率見通しの指標となる。 年初来の最高は今年1月に記録した2.49%となっている。

みずほ投信投資顧問によると、インフレが抑制されている兆候は 長期債の買いを促進させ、イールドカーブのフラット化につながる。 ブルームバーグがまとめた調査によると、2年債と10年債の利回り 格差は現在2.81ポイントだが年末までに2.22ポイントへの縮小 が見込まれている。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続落。ほぼ2週間ぶり安値を付けた。 米証券取引委員会(SEC)による米投資銀行ゴールドマン・サック ス・グループ提訴を受けて投資家が現金保有に動いたことで、ドルが 上昇した一方、代替投資としての金の魅力は薄れた。

主要6通貨のバスケットに対するドル指数は一時0.6%上昇。 英国やドイツもゴールドマンの調査に着手したことを手掛かりに、 10 年物米国債利回りは一時3週間ぶり低水準を付けた。世界的に株 価は下落。16日には、SECによるゴールドマン提訴の発表を受け て金は2.6%安まで売られた。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レ シュ氏は「ドル高を背景に金から投資資金が流出している」と指摘。 「ゴールドマン提訴の影響をめぐる先行き不透明感から、投資資金が 現金に向かっている」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場6月限は前日比1.10ドル(0.1%)安の1オンス=1135.80 ドルで取引を終了。一時は1124.30ドルと、中心限月としては6 日以来の安値を付ける場面もあった。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は続落。3週間ぶり安値を付けた。米証券 取引委員会(SEC)が米投資銀行のゴールドマン・サックス・グル ープを提訴したことを受けて、投資家が商品などのリスク資産から離 れたことが背景。

原油は一時3.3%安。SECは16日、金融危機の引き金とな った債務担保証券(CDO)の組成と販売で詐欺的な行為があったと してゴールドマンを提訴した。アイスランドの火山噴火の影響で航空 便の欠航が相次いでおり、ジェット燃料の需要が弱まったことも原油 の売り材料となった。

トラディション・エナジーのアナリスト、クリス・ディルマン 氏(コネティカット州スタンフォード在勤)は、「ゴールドマン関連 のニュースが市場を圧迫している」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物5月限は前日 比1.79ドル(2.15%)安の1バレル=81.45ドル。一時は

80.53 ドルと、3月29日以来の安値を付ける場面もあった。16 日にはSECのゴールドマン提訴を手掛かりに、2.27ドル安の

83.24ドルと、2月5日以来の大幅安となっていた。過去1年間で は62%上昇している。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は続落。米証券取引委員会(SEC)に提訴された 米金融サービス会社ゴールドマン・サックス・グループが、英国とド イツでも政府当局からの調査に直面しているほか、アイスランドの火 山噴火の影響でこの5日間、航空便の欠航が相次いでいることが背景 となった。

UBSは2%安。先週のSECによるゴールドマン提訴を受け、 金融危機の余波が終わっていないとの懸念が強まった。ギリシャのA SE指数は2.6%安。ギリシャの債務危機解決に向けた協議が延期 されたことを手掛かりに、同国国債の保証コストは過去最高を更新し た。エールフランス・KLMは2.9%安。火山灰の影響で航空便の 欠航を余儀なくされていることが背景だ。

ストックス600指数は前週末比0.7%安の266.13で終了。 年初からは4.8%上昇。欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF) が総額450億ユーロ規模のギリシャ支援策に合意したほか、米連邦 準備制度理事会(FRB)が長期にわたり低金利を維持する方針をあ らためて示したことで、株価が支援されている。

ロイヤル・ロンドン・アセット・マネジメントのファンドマネジ ャー、ケビン・リリー氏は、「ゴールドマン提訴が明るいニュースで ないのは明らかであり、投資銀行業界に暗い影を落としている」と指 摘。「市場はやや買われ過ぎのようだったから、売りの口実に多くは 必要ではなかった」と続けた。

16日の市場では、債務担保証券(CDO)の組成と販売で詐欺 的な行為があったとしてSECがゴールドマンを提訴したことで、ス トックス600指数は2月以来の大幅安となった。ゴールドマンはS ECの主張には「法的根拠がなく、事実無根」との声明を発表した。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではギリシャ国債相場が下落。ドイツ国債に対するプ レミアム(上乗せ金利)は1998年以来の最大となった。同国の債 務危機をめぐる欧州連合(EU)の欧州委員会と欧州中央銀行(EC B)、国際通貨基金(IMF)との協議が延期されたことが背景にあ る。

ギリシャ2年債が特に売られた。アイスランドの火山噴火による 火山灰で欧州北部の空域が閉鎖されたことから、450億ユーロ規模 のギリシャ支援の条件交渉を開始するアテネでの協議は21日に延期 された。ポルトガルとアイルランドの国債相場も軟調だった。

モニュメント・セキュリティーズ(ロンドン)のストラテジスト、 マーク・オストウォルド氏は、ギリシャ向け支援合意が成立するまで 「市場は確信を持てない」と語った。

ロンドン時間午後5時38分現在、ギリシャ2年債利回りは前週 末比38ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の

7.28%。同国債(表面利率4.3%、2012年3月償還)価格は

0.63ポイント下げ94.85。10年債利回りは24bp上昇し

7.69%。ドイツ10年債に対するプレミアムは拡大し、一時は 1998年10月以来の最大となる470bpとなった。

ポルトガル国債とドイツ債のスプレッド(利回り格差)は14b p拡大の153bp。アイルランド国債のドイツ債に対するスプレッ ドは151bpと、前週末から4bp拡大した。

CMAデータビジョンのデータによると、ギリシャ国債のCDS スプレッドは34bp上昇の472bpと、過去最高を記録した。

一方、ドイツ国債相場は前週末からほぼ変わらず。独10年債利 回りは3.08%と、昨年4月2日以来の低水準まであと4bpとなっ ている。独2年債利回りは1bp低下し0.87%。過去最低まで1b pに迫った。

◎英国債市場

英国債市場では、10年債利回りは3.99%と、前週末からほぼ 変わらず。

一方、2年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇し1.14%。10年債と2年債のスプレッド(利回り 格差)は2bp拡大の92bpとなった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)のメリルリンチ部門がまとめ た指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率)はプラス

0.9%。これに対しドイツ国債はプラス3%となっている。

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