【今週の債券】長期金利1.3%台で低下探る、需給良好やギリシャ問題

今週の債券市場で、長期金利は1.3% 台から低下余地を探る展開が見込まれる。新年度入りに伴い、新規運 用資金の流入で需給が良好なことに加え、ギリシャ財政不安によるリ スク回避の動きなどで買いが入りやすい。もっとも、週後半には20 年債入札を控えて金利に上昇圧力がかかる可能性がある。

パインブリッジ・インベストメンツの松川忠債券運用第二部長は、 「ギリシャ問題などから株式、為替市場ではリスク回避的な動きとな っており、週前半は1.3%台前半での推移となりそうだ。ただ、週末 にかけては1.3%台後半に向かう感じだ」と述べた。

長期金利の指標とされる新発10年債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが16日までに市場参加者4人に聞いた今週の予想レン ジは全体で1.30%から1.40%となった。前週末の終値は1.34%。

市場では、今週も投資家が新年度入りで運用資金を債券購入に振 り向ける「期初の買い」が継続し、需給環境は良好との声が多い。ト ヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャーは、「投 資家の期初の買いの強さを試す堅調な相場展開になる」とみている。

モルガン・スタンレー証券の伊藤篤債券ストラテジストも、「国内 株価も上昇の勢いが一服しており、最近の入札で投資家の需要が確認 されたことから今週もしっかりした地合いが続くのではないか」と予 想している。前週末の日経平均株価は3日ぶりに反落して、約半月ぶ りの安値水準となった。

ギリシャ問題

ギリシャの財政問題にも関心が集まりそう。ギリシャは19日、欧 州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の 当局者と協議を開始する。計610億ユーロの緊急支援策の適用に一歩 近づいたとみられている。

市場ではギリシャ問題に対する不安が根強く残るとの見方が多い。 トヨタアセットの深代氏は、「ユーロ安はドイツの輸出に支援材料とな るため、すぐにギリシャ支援に動かないとみており、問題は長引きそ うだ」と指摘。クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミスト は、「欧州の銀行は不良債権処理が遅れており、リスクがある。スペイ ンの銀行などに問題が噴出することはあり得る」と説明した。

週末には米国のワシントンで、7カ国(G7)財務相・中央銀行 総裁会議と20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開催さ れるため、各国の為替や金融政策に対する関心も高まりそうだ。

20年債入札、クーポン引き下げか

需給面では、22日の20年国債の入札が注目される。前週末の入 札前取引では2.115%程度で推移しており、表面利率(クーポン)は 前回債より0.1ポイント低い2.1%となる見通し。発行額は1兆1000 億円程度。

今回の20年債入札について、パインブリッジの松川氏は、「割高 感はあるが、生命保険の運用計画では国内債を増額するところが多く、 需給は良い。米金利が落ち着いていれば波乱はないだろう」という。

新発20年債利回りは3月末に2.175%に上昇したが、4月に入る と水準を切り下げ、一時は2.09%まで低下しており、16日終値は 2.10%だった。シティグループ証券の佐野一彦チーフストラテジスト は、「利回り水準としては不足感がある」としながらも、生保運用計画 では年限長期化の意向が目立つと指摘。「落札結果が悪くてもそれが長 らく相場の足かせになることはないだろう」と予想する。

市場参加者の予想レンジとコメント

16日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の 通り。先物は中心限月6月物、新発10年国債利回りは306回債。

◎三井住友海上火災保険投資部の高野徳義グループ長

先物6月物138円30銭-139円20銭

新発10年債利回り=1.31%-1.40%

「目先は金融機関の金余りを背景に堅調な相場が続く。新年度に入 って金利上昇を待ちきれなくなった向きの買いが入っており、先週の 5年入札は好調だった。20年入札も投資家の需要が集まるだろう。円 高警戒で株価の上値が重く、米長期金利の上昇懸念も後退している。 ただ、長期金利で1.3%割れまで買い急ぐほどの状況ではない」

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物6月物138円60銭-139円40銭

新発10年債利回り=1.30%-1.38%

「長期金利は1.3%台半ばレンジの中心になりそう。米国では早 期利上げ観測の後退とともに金利の上振れ懸念も弱まった。為替や株 価の動向次第とはいえ円債市場の外部環境は好転しつつある。このた め、これまで出遅れた投資家の押し目買いが入ると見込まれ、金利は 3月半ばの水準にやや低下しての推移となるのではないか」

◎トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャー

先物6月物138円70銭-139円20銭

新発10年債利回り=1.31%-1.36%

「投資家の期初の買いの強さを試す堅調な相場展開とみている。 20年債入札は、4月以降に金利水準が切り下がっているので、過熱感 は出ないだろうが、需給自体は悪くなく、無難な結果になりそうだ。 欧州ではギリシャの財政不安に、アイスランドの火山噴火も加わって おり、経済への影響が気になる」

◎パインブリッジ・インベストメンツの松川忠債券運用第二部長

先物6月物138円40銭-139円40銭

新発10年債利回り=1.30%-1.40%

「ギリシャ問題などから株式、為替市場ではリスク回避的な動き となっており、週前半は1.3%台前半での推移となりそうだ。週末に かけては1.3%台後半に向かう感じ。20年入札については、割高感は あるが、生保の運用計画を見ても国内債を増額するところが多く、需 給は良い。銀行も一部で買いを入れており、需要はあると思う」

--取材協力:赤間信行、船曳三郎 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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