4月16日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、円がすべての主要通貨に対して 上昇。米証券取引委員会(SEC)が米投資銀行ゴールドマン・ サックス・グループを詐欺の疑いで提訴したことを受けて株価が下げ、 高利回り資産の需要が後退した。

ユーロは円に対し週間ベースで2週連続安。ギリシャが450億 ユーロ規模の支援パッケージの利用を余儀なくされるとの観測も背景 にある。オーストラリア・ドルは対米ドルで値下がり。中国が、一部 の住宅購入に対するローンの最低金利と頭金の割合を引き上げたこと が影響した。

リンドウォードックのシニア市場ストラテジスト、キャロル・ ハーリー氏は「ゴールドマン提訴のニュースが株式相場を押し下げ ており、質への逃避から円に資金が流れ込んでいる」と分析。「リス ク志向を抑制するのはほぼ確実だ」と述べた。

円はユーロに対し一時、前日比1.9%高の1ユーロ=123円87 銭を付けた。これは2月25日以降で最大の上げ。ニューヨーク時間 午後4時14分現在は124円40銭で取引されている。前日は126 円27銭。ドルは対ユーロで0.5%上げて1ユーロ=1.3505ドル (前日1.3573ドル)。円の対ドル相場は1%高の1ドル=92円13 銭(前日は93円3銭)。

南アフリカ・ランドは対円で2.1%安の1ランド=12円47銭。 メキシコ・ペソは1.8%下げて1ペソ=7円51銭。キャリー取引が 縮小するとの見方が背景にある。

ゴールドマン

ゴールドマンが債務担保証券(CDO)をめぐる詐欺的な行為の 疑いでSECに提訴されたことを背景に、米株式市場ではS&P500 種株価指数が1.6%下落。CDOは大恐慌以来最悪となった金融危機 の一因だったとされている。

SECの16日の発表によると、ゴールドマンはサブプライム (信用力の低い個人向け)住宅ローンに関連した金融商品で、重要な 事実について実際と異なる情報を伝えるか、またはその開示を怠った 疑いが持たれている。

一方ゴールドマンは、「SECの主張には法的根拠が全くなく、 事実無根だ。強く異議を唱え、当社とその信望を守る考えだ」との声 明を発表した。

中国人民元先物は下落分を取り戻した。中国の胡錦濤・国家主席 は、同国は為替相場の「管理」フロート制を「常にゆっくりと」前進 させていると述べた。

胡主席は演説で、「われわれは常に、イニシアチブ、コントロー ル、漸進主義という原則の下、為替メカニズムの管理フロート制を前 進させている」と言明。「世界的な金融危機で非常に大きな困難に直 面したにもかかわらず、われわれは人民元のレートを比較的安定的に 推移させ、国際金融システムの安定を後押しした」と述べた。

ブルームバーグのデータによると、1年物の元先物(ノンデリバ ラブル・フォワード、NDF)は前日比ほぼ変わらずの1ドル=

6.6140元。現物相場は6.8255元。先物は、現物が今後1年で3% 余り上昇するとの見通しを示唆している。

豪ドルは米ドルに対し、0.9%安の1豪ドル=0.9258米ドル。 中国国務院は、不動産価格が過去最高の伸びとなったことから、投機 的取引を抑えるために「一段と強硬な」措置が必要だとしている。 中国はオーストラリア最大の貿易相手国。

円・ユーロ相場

円はユーロに対し、週間ベースで1.1%高と2週続伸。円は対ド ルでも週間で1.1%上げた。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) の為替戦略責任者、アラン・ラスキン氏は「ギリシャ問題がユーロの 上値を抑えている」とし、「ユーロについては、依然として積極的に 買おうという動きは見られない」と述べた。

◎米国株式市場

米株式相場は下落。2月以来の大幅安を記録した。証券取引委 員会(SEC)は債務担保証券(CDO)に関連し詐欺的な行為 があったと主張し、米ゴールドマン・サックス・グループを提訴。 金融危機の余波がまだ続くとの懸念が強まった。

ゴールドマンは13%安。過去1年3カ月で最大の値下がりを記 録した。SECの発表によると、ゴールドマンはCDOで、重要な事 実について実際と異なる情報を伝えるか、またはその開示を怠った疑 いが持たれている。銀行のJPモルガン・チェースやバンク・オブ・ アメリカ(BOA)、モルガン・スタンレーはいずれも下落した。S &P500種株価指数の各種金融株指数は構成する27銘柄すべてが下 落した。オンライン検索のグーグルは四半期利益が一部アナリストの 予想を下回ったのが嫌気され、値下がりした。

S&P500種株価指数は前日比1.6%安の1192.13と、2月4 日以来の大幅安。ダウ工業株30種平均は125.91ドル(1.1%)安 の11018.66ドル。

ホランド(ニューヨーク)で40億ドル以上の資産運用を監督す るマイケル・ホランド会長は、「市場参加者は事態の影響を注視して いる」と述べ、「他の金融機関も関与しているかどうかは不透明だ。 時間が経たなければ経済に大きな影響が出るかどうかは分からない」 と続けた。

ゴールドマン提訴

S&P500種の金融株は3.8%下落。一時は日中取引としては昨 年9月以来で最大の5.3%安となった。SECによるゴールドマン提 訴で、政府による投資銀行の業務慣行に対する取り締まりが強化され、 業績が圧迫されるとのとの懸念が強まった。

ゴールドマンは23.57ドル安の160.70ドルと、S&P500種 採用銘柄のなかで最大の値下がりだった。ロッチデール・リサーチの アナリスト、リチャード・ボーブ氏はこの日の下げを受け、ゴールド マン株の買いを推奨した。同氏はSECの提訴を受けても、ゴールド マンは顧客や取引先を失うことはないだろうとの見方を示した。

SECの主張によれば、ゴールドマンはロイド・ブランクフェ イン最高経営責任者(CEO)の下でサブプライム住宅ローン担保証 券の価格動向に左右されるCDOを組成し販売した。この際にゴール ドマンは、ヘッジファンド会社ポールソンがサブプライム住宅ローン 担保証券の下落を見込む取引をしていると同時に、ポートフォリオ内 の証券の選択に影響を与えた事実を開示しなかった。ポールソンは不 正行為に問われていない。

ゴールドマンは、SECの主張は「全く根拠がない」とのコメ ントを出した。

スタイフェル・ニコラスのボルティモア部門で株式トレーディ ングのマネジングディレクターを務めるデービッド・ラッツ氏は 「誰もがサブプライム証券には多くの問題があることを知っていた」 と述べ、「しかしターゲットがゴールドマンに絞られたということで、 金融セクターに心理的負荷がかかっている」と指摘した。

グーグル

グーグルは大幅下落。同社の1-3月(第1四半期)決算は、一 部項目を除く1株利益が6.76ドルと、ブルームバーグがまとめたア ナリスト予想平均(6.91ドル)を下回った。

朝方発表された4月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指 数が69.5と、前月の73.6から低下したことも売り材料だった。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は75.0 だった。

◎米国債市場

米国債相場は週間ベースで2週連続の上昇。米消費者マインド 指数が低下したほか、米証券取引委員会(SEC)が米投資銀行 のゴールドマン・サックス・グループを詐欺行為の疑いで提訴し たことから、比較的安全とされる米国債の需要が膨らんだ。

2年債利回りはほぼ1カ月ぶりに1%を割り込んだ。米消費者 マインド指数は予想外に低下した。ゴールドマンが債務担保証券(C DO)をめぐる詐欺的な行為の疑いでSECに提訴されたことを背 景に、株式相場は下落。CDOは大恐慌以来最悪となった金融危機 の一因だったとされている。

ソシエテ・ジェネラルの国債トレーダー、ショーン・マーフィ ー 氏は「株価が下げており、米連邦公開市場委員会(FOMC)は 異例の低金利の長期維持に安心しているため、国債相場は幾らか支 えられている」と指摘。「インフレへの懸念は引き続き全くない。最 近の経済指標は強弱まちまちだ。インフレ懸念がないことを踏まえ れば、今後の注目は景気回復の強さになるだろう」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時12分現在、10年債利回りは前日比7ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)低下の3.77%。同年債(表面利率 3.625%、2020年2月償還)価格は18/32上げて98 26/32。

S&P500種株価指数は1.6%安。ゴールドマンの株価は一時 16%下げた。

ゴールドマンは、「SECの主張は法律と事実に全く基づいてい ない。当社は強く異議を唱え、当社とその名声を守る」とのコメン トを発表した。

「トレーダー相場」

10年債利回りは12日以降、3.76-3.92%でのレンジ取引と なっている。5日には昨年6月以来初めて4%台に上昇していた。

CRTキャピタル・キャピタル・グループの国債戦略責任者、 デービッド・エーダー氏は、「トレーダーが作る相場だ」と指摘。 「こ れはレンジ相場だ。3.7-4%のレンジ攻略を迫られている」と述 べた。

4月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(速報値) は69.5と、前月の73.6から低下。5カ月ぶり低水準となった。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は

75.0への上昇だった。エコノミスト予想の範囲は73~80で、速報 値は下限を3.5ポイント下回った。

モルガン・スタンレー・スミス・バーニーのチーフ債券ストラ テジスト、ケビン・フラガナン氏は、「消費者マインド指数の数値は 驚きだった。最近の小売売上高の増加と合致しないからだ」と指摘。 「今週のテーマは10年債の新たなレンジを確立することだった。わ れわれは4%を試し、それをレンジの新たな上限として確立した」 と述べた。

「試練に直面」

米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーシュ理事は、現在の 景気動向に集中して、長期的課題である失業と成長に対する関心を 失うべきではないとの見方を示した。

同理事はニューヨークで開かれた会議でのパネルディスカッシ ョンに出席し、「循環的な回復に向けた試練に直面している。それは 重要なことだが、より重要なのは地平線の先にある経済だ」と続け た。短期経済見通しや金融政策については語らなかった。

インフレ期待の指標である、通常の10年債と同年物インフレ連 動債(TIPS)の利回り格差は2.32ポイントに縮小した。1月 には2.49ポイントと、今年の最大に拡大していた。過去5年間の 同利回り差の平均は2.15ポイント。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は2カ月ぶり大幅安。米証券取引委員会 (SEC)が米投資銀行のゴールドマン・サックス・グループを詐欺 の疑いで提訴したことで、安全な逃避先としてドルが買われ、代替投 資としての金の魅力が薄れた。

主要6通貨のバスケットに対するドル指数は一時0.5%上昇。 SECはゴールドマンが米サブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローンに関連した金融商品に関し、重要な事実について実際と 異なる情報を伝えるか、またはその開示を怠り、投資家を欺いたと 主張している。2009年には金は24%上昇した一方、ドルは4.2%下 げていた。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズのヘッドデ ィーラー、フランク・マギー氏(シカゴ在勤)は「ゴールドマンは 金や銀だけでなく、商品すべての市場における主要プレーヤーだ」 と指摘。「ゴールドマンの持ち高は巨額であり、今回の提訴で、商 品すべての取引をめぐる不透明感が強まっている」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物相場6月限は前日比23.40ドル(2%)安の1オンス=1136.90 ドルで取引を終了。2月4日以来の大幅安となった。週間ベースでは

2.2%下落した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は10週間ぶり大幅安。米証券取引委員会 (SEC)が米投資銀行のゴールドマン・サックス・グループを詐欺 の疑いで提訴したことで、株が下落したことがきっかけとなった。

原油は一時3.5%安。SECは、金融危機の引き金となった債 務担保証券(CDO)の組成と販売で詐欺的な行為があったとして ゴールドマンを提訴した。S&P500種株価指数は一時2.1%安。 原油と株はいずれも2月4日以来の大幅安となった。

エネルギー関連のコンサルタント会社キャメロン・ハノーバー (コネティカット州)のピーター・ビューテル社長は「SECのゴ ールドマン提訴をきっかけに原油に売り圧力がかかっており、ユー ロ、商品、株と、さまざまな市場にも影響が及んでいるようだ」と 語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物5月限は前 日比2.27ドル(2.65%)安の1バレル=83.24ドル。週間ベース では3.2%安と、2月以来の大幅安。過去1年間では67%上昇して いる。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は大幅安。米証券取引委員会(SEC)が米投資銀 行のゴールドマン・サックス・グループを詐欺の疑いで提訴したほか、 4月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数が予想外に低下し たことが嫌気された。ストックス600指数は週間ベースでの上げを消 した。

金融株が安い。ドイツ銀行は9カ月で最大の下げとなった。銅生 産で世界4位のエクストラータは、中国が不動産市場での投機抑制に 向けた措置を講じたことに反応して売られた。航空大手のエールフラ ンス・KLMグループは2カ月で最大の値下がり。アイスランドの火 山噴火に伴う運航取りやめが響いた。

ストックス600指数は前日比1.6%安の267.92で終了。下落 率は2月25日以来最大。週間ベースでは0.7%安となった。同指数 は週間ベースでは一時上昇していたものの、SECによるゴールドマ ン提訴が響き下げに転じた。SECは、ゴールドマンが米サブプライ ム(信用力の低い個人向け)住宅ローンに関連した金融商品に関し、 重要な事実について実際と異なる情報を伝えるか、またはその開示を 怠り、投資家を欺いたと主張している。

パイオニア・インベストメンツのドイツ部門の株式ポートフォリ オ・マネジメント部門責任者、マルクス・シュタインバイス氏は「S ECのゴールドマン提訴に反応し、相場は大きく下げている。これが 少なくとも短期的な調整のきっかけとなる可能性はある」と指摘した 上で、「長期的な影響を見極めるのは難しい。現在市場が注目してい るのはニュースのヘッドラインであり、詳しい分析ではない」と述べ た。

ドイツ銀は7.3%安の55.99ユーロ。下落率は昨年7月以来最 大となった。ストックス600指数の金融株指数は2.7%安。

エクストラータは4.4%下げて1236.5ペンス。中国国務院は 15日、一部の住宅購入に対するローンの最低金利と頭金の割合を引 き上げた。不動産価格が過去最高の伸びとなったことから、投機的取 引を抑えるために「一段と強硬な」措置が必要だとしている。

エールフランス・KLMは3.4%下落の12.44ユーロと、2月 11日以降で最大の下げ。アイスランドでの火山噴火による火山灰雲 の影響で、欧州地域の航空サービスは週末にかけて混乱すると見込ま れている。

◎欧州債券市場

欧州債市場では、ギリシャ10年債のドイツ10年債に対するスプ レッド(利回り格差)が4日連続で拡大した。ギリシャがデフォルト (債務不履行)回避に向けた取り組みを進める中、欧州諸国からのギ リシャ支援の実施が遅れるとの懸念が広がったことが背景にある。

ロンドン時間午後3時36分現在、両国債のスプレッドは前日比 25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)拡大し426bp。 欧州連合(EU)諸国の財務相らはマドリードでこの日、ギリシャ が救済策を速やかに要請する予定はないことを明らかにした。ショ イブレ独財務相は、当局者らがギリシャにIMF支援案の受け入れ 準備を始めるように提言するだろうと述べた。

バイエルン州立銀行のシニア債券ストラテジスト、マリウス・ ダハイム氏(ミュンヘン在勤)は、「欧州諸国は、ギリシャが支援を 要請した場合に速やかに支援できる方法を解決する必要がある」と 指摘。ただ、「この日の会合に、関係国の政治的なメカニズムを迂回 (うかい)する形で、24時間以内に支援を実施するといった政治声 明を期待することはできない」と語った。

この日のギリシャ10年債は13bp上昇し7.43%。同国債(表 面利率6.25%、2020年6月償還)価格は0.87ポイント下げ91.71。 ギリシャ2年債利回りは7bp上げ6.89%となった。

一方、独10年債利回りは3.09%と、前日から4bp低下。独 2年債利回りも4bp下げ0.89%。一時は1990年以降の最低とな る0.88%まで下げる場面もあった。

◎英国債市場

英国債相場は上昇。10年債利回りは前日比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の3.98%。2年債利回りも4bp下げ

1.12%となった。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率) はプラス0.6%。これに対しドイツ国債はプラス2.7%となっている。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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