野村アセットが10年ぶりIT株投信、話題の「クラコン」「スマグリ」

国内最大手の投信運用会社である 野村アセットマネジメントは16日、「クラウドコンピューティング」 「スマートグリッド」という2つのテーマに関連した銘柄で運用する ファンドを新規設定した。同社ではITバブルの2000年を最後に、I T関連に特化した商品は出していなかったが、両テーマ市場の拡大を 受け10年ぶりに投資家に提供する。

野村アセットのプロダクト・マーケティング部の辻聡シニア・マ ーケティング・エグゼクティブは、新ファンドについて「いまネット の世界で注目されている2つのテーマに焦点を当てたIT関連ファン ド。関連市場の急拡大に伴う勝ち組企業の成長を、投資収益として獲 得する機会が到来している」と話した。

ファンド名は「野村クラウドコンピューティング&スマートグリ ッド関連株投信」で、為替ヘッジあり、なしの2コースとマネープー ルファンドの計3ファンドから構成される。ブルームバーグ・データ によると、クラウドコンピューティングを投資テーマとして前面に出 した投資信託は日本で初めて。販売会社は野村証券。

クラウドコンピューティングは、コンピューターのユーザーに対 しハードやソフトウエア、アプリケーションなどを、インターネット を通じ提供する仕組み。ユーザー側は最小限の環境を整えるだけで利 用可能となり、維持・管理が簡単でコストも低い。米調査会社のウイ ンターグリーン・リサーチの予想では、2015年の関連市場規模は1600 億ドルと、08年実績の360億ドルから4倍強に膨らむ見通しだ。

一方、次世代電力インフラのスマートグリッド市場も、野村証券 金融経済研究所が今後20年間に日欧米で累計1兆2500億ドルが投資 される、と予測するほど急拡大が見込まれている。経済発展著しい新 興国だけでなく、先進国でも電力網の更新などが必要とされ、重要な エネルギー源である電力の安定供給を求める声は強い。

クラウドコンピューティング、スマートグリッドとも、欧米など 主要国が国を挙げて普及を後押しする方針を掲げており、最近目にす る機会が増えた言葉だ。投資テーマとしての有望性に対する認知度の 高まりなどで、株価は高値圏の銘柄が多いものの、「まだ将来の成長を 十分取り込んでいないとみられる」と辻氏は言う。

日本の株式市場でも、投資テーマとして注目度が高まっている。 MSCIジャパンインデックスを構成する341銘柄の1-3月期の投 資収益率ランキングを見ると、トップが米GEとスマート・メーター 事業での提携で合意した富士電機ホールディングス。クラウドコンピ ューティング関連では大塚商会が20位に入り、関連銘柄への投資はす でに始まった。

投資先は米国の大型銘柄中心

実際の投資銘柄選定は、金融総合グループの独アリアンツ傘下の 株式運用会社、RCMが行う。RCMの運用資産総額は09年末で1003 億ユーロ(約13兆円)、うちテクノロジー関連株ファンドは3000億円。

1月29日時点の参考ポートフォリオでは、クラウドコンピューテ ィング関連の組み入れ上位銘柄として、パソコン大手の米アップル、 ネットワーク機器最大手の米シスコシステムズ、ソフトウエアの米マ イクロソフト、米ソフトメーカーのセールスフォース・ドットコム、 オンライン販売の米アマゾン・ドット・コムが並ぶ。

スマートグリッド関連では米グーグル、総合電機メーカーの米ク ーパー・インダストリーズ、米オラクル、米半導体メーカーのマイク ロチップテクノロジー、米複合企業ゼネラル・エレクトリックが上位。 ここでも米国企業が名を連ね、参考ポートフォリオ全体の通貨配分比 率も米ドルが91%と大半を占める。

設定当初は、米国の大型IT関連銘柄が中心になり、ビジネスの 立ち上がりが相対的に早いクラウドコンピューティング関連株の比率 がスマートグリッド関連よりも高くなる見通し。

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