日本株は輸出や資源関連中心に急反落、円高警戒感や国際商品市況安

東京株式相場は3日ぶりに急反落。 欧米、中国の不安材料を背景にした円高傾向で採算悪化への懸念が広が り、電機や精密機器、化学といった輸出関連株が売られた。国際商品市 況の下落を嫌気し、商社や非鉄金属など資源関連株も安い。

日経平均株価の終値は前日比171円61銭(1.5%)安の1万1102 円18銭と約半月ぶりの安値水準。TOPIXは10.06ポイント(1%) 安の988.84。

りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・ストラテジ ストは、「ギリシャ問題や中国政策が金融市場で材料視されているが、 株価下落の要因は景気・企業業績の先行きに対する期待が強く織り込ま れ過ぎ、上昇スピードが速かったことに尽きる」と指摘した。株価の上 昇トレンドは変わらないと見ているものの、「高値からいったん5%程 度まで調整するのは健全だ」と話している。

シカゴ先物市場の円建て日経平均先物6月物の15日清算値は、大 阪証券取引所の通常取引終値と変わらずだったが、朝方からの為替の円 高、米国株指数先物安を受けて日本株は開始早々から売りが先行した。 午前半ばに中国株が下げて始まると、一段安の展開。日経平均は取引時 間中の直近高値1万1408円から、きょうの終値まで2.7%下げた。

東証1部の売買高は概算で22億2185万株、売買代金は同1兆 5102億円。値上がり銘柄数は320、値下がりは1256。業種別33指数の 下落率上位には、鉄鋼やゴム製品、ガラス・土石製品が並んだ。

ギリシャと中国

この日の為替市場では、ユーロ・円相場が1ユーロ=125円30銭 台と1週間ぶりの円高水準となったほか、ドル・円でも円が強含みとな った。ギリシャ支援や中国の金融為替政策に関する不透明感が要因。

米モルガン・スタンレーは、ギリシャの債務危機がドイツのユーロ 圏からの離脱を引き起こす恐れがあると警告した、と英紙テレグラフが 伝えた。ドイツではギリシャ支援協力に反発が広がり、ドイツ財務省は ギリシャ支援が議会で採決にかけられる公算が大きいとの見解を示して いた。中国では、国務院が一部住宅購入に対するローンの最低金利と頭 金の割合を引き上げるなど、一段の金融引き締めへの警戒感が根強い。

三菱UFJ証券の藤戸則弘投資情報部長は、「過熱感からの利益確 定売りが中心ながら、ドイツのユーロ圏からの離脱という荒唐無稽な話 が出るまでギリシャ問題が混乱している」と指摘。中国など新興国の金 融引き締め懸念についても、「短期的なマネーフローを通じ、日本株が 巻き込まれる可能性がある」と話す。

さらに前日の米国では、新規失業保険申請件数が予想外に増加し、 労働市場の改善が鮮明になるまで時間がかかるとの見方が浮上。3月の 米鉱工業生産指数の伸びも予想を下回った。エネルギー需要回復の鈍さ が懸念され、同日のニューヨーク原油先物5月限は前日比0.4%安の1 バレル=85.81ドルと下げた。

銅先物も下落。大和証券キャピタル・マーケッツでは、きのう発表 された世界3位の鉱山会社リオ・ティントの決算での、同社の銅見通し がネガティブサプライズとし、三菱商事にとってもネガティブとした。

米株先物、過熱指標の重し

中央証券の大越秀行株式部長は「景気・業績のⅤ字型回復への期待 は根強いが、日本株は高値持ち合いに入っている。日数をかけて過熱感 を冷やしながら、次の材料待ち」との見方だ。

値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の百分比を示す東証1部の騰落レ シオは、16日時点で144%。先週には約12年ぶりとなる153%まで上 昇、現在も経験的に相場過熱を示す120%以上を大きく上回った状態で 高止まりしている。

今晩の米国株市場を占う24時間取引のGLOBEX(シカゴ先物 取引システム)では、米S&P500種指数先物が基準価格比0.5%安で 推移した。インターネット検索最大手、米グーグルは15日の通常取引 終了後に10年1-3月(第1四半期)決算を発表。費用を除いた1株 利益は6.76ドルと、一部アナリスト予想を下回り、同社株は時間外取 引で通常取引終値から5%超下げた。

セ硝子が急落、スクリンは急騰

個別の材料銘柄では、株価に達成感があり、好材料も出尽くしたと してドイツ証券が格下げしたセントラル硝子、3月の連結売上高が前年 同月比3.3%減だったJ.フロント リテイリングが急落。完全子会社 のコスモ証券の株式譲渡に伴って11年3月期に特別損失を計上する、 ときのう午後に発表していたCSKホールディングスは反落。東証1部 売買代金上位では、ソフトバンクや東京エレクトロン、黒崎播磨が安く、 下落率上位には鬼怒川ゴム工業、JUKI、OKKなどが入った。

半面、野村証券が経営危機終了宣言と題し、目標株価を915円に引 き上げた大日本スクリーン製造が売買代金上位で急伸。10年3月期連 結純利益が従来予想の2.1倍に膨らんだもようの高松コンストラクショ ングループ、10年3月期の連結最終赤字が従来予想から大幅に縮小し たもようの日野自動車もそろって高い。米デュポン出身のクレイグ・ネ イラー氏が6月29日付で社長兼CEOに就任すると15日に発表、新経 営体制への期待で日本板硝子が3連騰。

新興市場は高安まちまち

新興市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前日比0.2% 高の54.66と続伸。一方、東証マザーズ指数は0.4%安の494.94と8 営業日ぶりに反落し、大証ヘラクレス指数は1.1%安の693.63と3日 ぶり反落。

個別の材料銘柄では、10年3月期の連結純利益が従来予想から上 振れたもようのドリコム、メルセデス・ベンツ日本法人が行うキャンペ ーンの一環として、アップル「アイフォーン」に対応したカタログアプ リを開設したアクセルマークがともに値幅制限いっぱいのストップ高。 売買代金上位ではジュピターテレコム、テクノマセマティカルが高い。

半面、元従業員による不正取引が行われたことが判明したと発表し たセガトイズ、過去の決算で一部会計処理の修正を要する可能性のある 事象が判明したリミックスポイントが、そろってストップ安。売買代金 上位では、ユビキタス、ACCESS、ガンホー・オンライン・エンタ ーテイメントが下げた。

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