野村HD:リテール口座、10年で最大の伸び-法人好調が寄与

野村ホールディングスの2009年度 1年間のリテール(個人)を中心とした顧客口座数の伸びが過去10年 で最大を記録したことが分かった。株式引き受けなど法人業務の好調が 個人の口座開設を誘引する相乗効果を生んだようだ。今後の手数料収入 の増加要因として収益に貢献するかが注目される。

複数の関係者によれば、野村の国内営業部門とフィナンシャル・マ ネジメント本部が管理する口座(残有り)は3月末時点で少なくとも480 万口座と1年前より30万3000口座以上増えたもよう。ブルームバー グ・ニュースの調べによると、増加数は2000年以降で最大となった。

東京証券取引所が公表した投資部門別の株式売買動向によると、08 年度には8000億円を買い越した個人投資家は、09年度は2兆2000億円 の売り越しに転じた。こうした中でも野村は、引き受けでメガバンクの 公募増資や新規株式公開(IPO)など、過去10年で最多額を手掛け、 株式投資を始めたい個人投資家などを取り込んだもようだ。

野村が過去1年で口座を少なくとも7%増やす中、他の大手証券で は大和証券グループ本社が2月末時点で約335万口座と同3.7%増。三 井住友フィナンシャルグループ傘下の日興コーディアル証券は昨年12 月末時点で約249万口座と同2.1%増にとどまった。野村は口座数や預 かり資産残高について28日の決算発表時に開示する予定だ。

第一生命IPOも起爆剤

T&Dアセットマネジメントの天野尚一運用統括部長は、「個人が 株を買うようになってきている」とし、野村など大手証券の視線が「企 業から個人に移ってきている」と分析。その上で、リテール口座は引き 受け株を販売する「基盤にもなる」として、手数料だけでなく、投資銀 行業務の獲得にもつながる好循環を生み出すと指摘した。

第一生命保険のIPO引き受けなどに伴い野村は4月以降も多く の口座を獲得した公算が大きい。第一生命は1日に発行済み株式1000 万株で東証1部市場に上場。290万株が保険契約者である個人投資家に 割り当てられた。野村は昨年11月に京都に富裕層向け店舗を構えるな ど、退職金を手にした団塊世代の開拓などにも積極的だ。

野村の09年3月期の委託・投信募集手数料は3068億円と収益合計 6645億円の約5割を占める。このうち多くはリテール取引から発生して いるとみられる。一方、野村は昨年度、自社の公募増資のほか、三井住 友FGや三菱UFJフィナンシャル・グループなどの増資を引き受け、 約3兆3000億円相当、57案件を手掛けた。

野村HDの株価は、年初来1%の伸びにとどまっている。TOPI Xが9%、大手銀行株が14%-24%上昇したのと対照的だ。16日終値 は5円(0.7%)安の688円だった。野村のグループ広報部の菅井馨子 氏は口座数などについて言及を避けている。

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