4月14日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが大半の主要通貨に対し下 落。3月の米小売売上高が市場予想を上回る伸びを示したことから、 高リスク資産の需要が拡大した。

シンガポール・ドルは米ドルに対し、2008年8月以来の高値に 上昇。シンガポール通貨庁(MAS)が事実上の通貨切り上げを実施 する方針を示したことに反応した。ドルは対円での上げを消した。バ ーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会証言で、政策金 利の引き上げ時期への言及を避けたことが嫌気された。

ゲイン・キャピタル・グループ傘下のオンライン為替取引会社F OREXドット・コム(ニュージャージー州ベドミンスター)のチー フ為替ストラテジスト、ブライアン・ドーラン氏は「世界的に景気回 復はなおも軌道に乗っている」と指摘。「リスク志向は続いている」 と述べた。

ニューヨーク時間午後4時2分現在、ドルはユーロに対し1ユー ロ=1.3658ドルと、前日の1.3614ドルから0.3%安。円は対ユ ーロで0.3%値下がりし、1ユーロ=127円27銭(前日は126円 88銭)。一時127円68銭と、5日以来の安値を付ける場面もあっ た。ドルの対円相場は1ドル=93円19銭(前日は93円20銭)。 一時は0.6%高となった。

バーナンキ議長は14日、上下両院合同経済委員会で証言。証言 後の質疑応答では、米連邦公開市場委員会(FOMC)が、高失業や 低インフレといった状況次第で、「長期にわたり」低金利を続ける方 針を「明確に示した」と述べた。この発言を手掛かりに、ドルはユー ロに対し一時、約1カ月ぶり安値付近に下落した。

バーナンキ議長の発言

ソシエテ・ジェネラルの法人為替営業バイスプレジデント、カー ル・フォチェスキ氏は「一部の投資家は、バーナンキ議長が『長期に わたり』との文言が変更されるかもしれないとの見解を示す可能性が あると考え、ドルをロング(買い持ち)にしていた」とし、「そうし た発言が出そうもないと分かると、このロングポジションが手じまわ れ、ドルは下落した」と述べた。

FRBが発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、 3月に景気は大部分の連銀地区で「いくらか」拡大した。個人消費や 製造業が改善していると指摘された。

BNPパリバのアナリストは調査リポートで、ユーロが来年半ば までに1ユーロ=1.19ドルと、06年3月以来の安値に下落すると の予想を示した。政府債務の影響で、欧州中央銀行(ECB)が政策 金利を過去最低水準に据え置かざるを得なくなるためと説明している。

オーストラリア・ドル

オーストラリア・ドルは米ドルに対し0.6%高の1豪ドル=

0.9348米ドル。世界的な景気回復の兆候でキャリー取引が活発に なるとの観測が背景にある。

米商務省が14日に発表した3月の小売売上高(速報値)は季節 調整済みで前月比1.6%増と、前月の0.5%増(速報値0.3%増) から伸びが拡大した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミ スト予想の中央値では1.2%増だった。

米労働省が発表した3月の米消費者物価指数(CPI、季節調整 済み)は前月比0.1%上昇で、エコノミストの予想中央値と一致し た。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) の為替戦略責任者、アラン・ラスキン氏は「きょう発表された消費お よび物価指標は、余剰生産能力がインフレ圧力を依然抑制している段 階で、景気回復が定着している状況と見事に合致する」と指摘。「リ スク選好という面では完ぺきなシナリオだ」と述べた。

◎米国株式市場

米株式相場は続伸。S&P500種株価指数は約6週ぶりの大幅 高だった。半導体のインテルや金融JPモルガン・チェース、運送の CSXが発表した決算がいずれもアナリスト予想を上回る内容だった ほか、3月の米小売売上高が拡大したことが好感された。

インテルは上昇。同社は4-6月(第2四半期)の増収や通期で の過去最高の粗利益率を見込んでいることから、技術投資の回復が強 まっているとの楽観が広がった。JPモルガンは4.1%高。1-3 月期の債券トレーディング収入が過去最大だった。CSXは1年半ぶ りの高値まで上げた。午後に入り米連邦準備制度理事会(FRB)が 発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、米国の大半で景気 拡大がみられたことが指摘されると、株価は上値を伸ばした。

S&P500種株価指数は前日比1.1%高の1210.65と、3月 5日以来の大幅高。1200を上回ったのは2008年9月以来初めて。 ダウ工業株30種平均は103.69ドル(0.9%)高の11123.11 ドル。構成する30銘柄のうち23銘柄が上昇した。

キャンビア・インベスターズのブライアン・バリッシュ社長は、 「これまで決算を発表したのは数社だけだが、いずれも重要な企業で あり、内容も非常に良好だ」と述べ、「弱気なシナリオ展開がみられ ないというだけでなく、その見方は明らかに間違っているようだ」と 述べた。

ブルームバーグがまとめたアナリスト調査によると、S&P500 種採用企業の第1四半期利益は前年比で30%増が見込まれている。 S&P500種は2009年3月に記録した12年ぶり安値からは79% 値を戻した。

好調な企業決算

世界最大の半導体メーカー、インテルは3.3%高。同社が前日 引け後に発表した第2四半期の売上高見通しは最大106億ドル。ア ナリスト予想を上回った。1-3月期の純利益は前年同期比でほぼ4 倍に増加した。

JPモルガンは上昇。ダウ平均銘柄の中で最大の値上がり率だっ た。米景気の「幅広い改善」が影響し、第1四半期決算は、前年同期 比で55%増益となった。ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(C EO)は「力強い景気回復」の可能性が見られるとの認識を示した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)は3.9%上昇。ダウ平均銘 柄の中で上昇率2位だった。このほかシティグループやクレジットカ ードのアメリカン・エキスプレス、ビザ、マスターカードはいずれも 上昇した。

CSXは4.1%高。貨車1両当たりの輸送量や売上高の増加が 寄与し、第1四半期は増益だった。

小売株

S&P500種小売株指数は1.7%高。オンライン販売のアマゾ ン・ドット・コムが上昇。

米商務省が発表した3月の小売売上高(速報値)は季節調整済み で前月比1.6%増と、前月の0.5%増(速報値0.3%増)から伸び が拡大した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想 の中央値では1.2%増だった。

◎米国債市場

米国債市場では10年債が下落。地区連銀経済報告(ベージュブ ック)で、大部分の地区連銀が景気は3月に「いくらか」拡大したと 報告したことが明らかになり、売りが優勢になった。バーナンキ米連 邦準備制度理事会(FRB)議長は、米国の景気拡大ペースが緩やか なものにとどまると指摘した。

10年債利回りは3週間ぶりの低水準付近から上昇。ベージュブ ックによると、消費支出や製造業が持ち直すなか、景気は12の連銀 管轄地区のうち11地区で改善した。バーナンキ議長は議会証言で、 低調な建設支出や高失業で、経済活動が抑制されていると述べた。

BNPパリバ・セキュリティーズの金利ストラテジスト、サブラ ト・プラカシュ氏は「ベージュブックは表現に改善が見られた。それ と株高が相まって国債を圧迫している」と指摘。「短期的な問題は残 るため、米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利を現行水準で 維持し、期間の短い国債利回りは抑制されるだろう。一方、長期的な 回復見通しは明るくなっているようだ」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時32分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.86%。一時は3.80%と、3 月24日以来の低水準付近に低下した。同年債(表面利率3.625%、 2020年2月償還)価格は3/8下げて98 2/32。

米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は前日比1.1%高と、 ほぼ6週間ぶりの大幅な上げとなった。

「明確に示した」

10年債は、バーナンキ議長の証言開始後に下落。同議長が冒頭 証言で政策金利の先行きについて言及しなかったことから、一部市場 参加者の失望を誘った。

ドイツ銀行のプライベート・ウェルス・マネジメント部門の債券 トレーディング責任者、ゲーリー・ポラック氏は「バーナンキ議長か らは、金融政策が近い将来は現行水準に維持されるという発言がなか った」と指摘。「市場は3歳児のようなものだ。相場上昇を続けるに は、FRBや経済指標によって絶え間なく安心感を与えられる必要が ある」と述べた。

バーナンキ議長が証言後の質疑応答で、FOMCは高失業や低イ ンフレといった状況次第で、「長期にわたり」低金利を続ける方針を 「明確に示した」と述べると、国債相場は下げ渋る場面もあった。

同議長は、「全体的に見て経済指標は民間部門での最終需要の伸 びが、向こう数四半期の緩やかな景気回復を後押しするのに十分なも のになることを示唆している」と述べた。一方で、「景気回復ペース の顕著な抑制要因も依然見受けられる。居住用、非居住用の双方で建 設が低調なほか、多くの州や地方政府で財政状況の芳しくない状態が 続いている」と語った。

「文言変更」

FOMCは4月27、28両日に次回の会合を開く。米政策金利 は2008年12月以降、0-0.25%に維持されている。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) の市場ストラテジストでポートフォリオマネジャーのトニー・クレセ ンツィ氏は顧客向けリポートで、「わずかな進化といえば、バーナン キ議長による景気描写の方法だ」と記述。「これは金融政策の変更に 向けた十分な前兆とはならないが、声明の文言変更を示唆する段階に 近づいていると言えそうだ」と続けた。

ベージュブックでは、景気回復の勢いに加速はみられないものの、 回復のすそ野が広がりつつあることが示唆された。それによると、 「前回の報告からセントルイス連銀を除くすべての地区で経済活動は 拡大した。セントルイス連銀は経済状況の『軟化』を報告した」と記 述した。ベージュブックはFOMCの2週間前に公表される。

米商務省が発表した3月の小売売上高(速報値)は季節調整済み で前月比1.6%増と、前月の0.5%増(速報値0.3%増)から伸び が拡大した。

米労働省が発表した3月の米消費者物価指数(CPI、季節調整 済み)は前月比0.1%上昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめた エコノミストの予想中央値と一致した。3月のコア指数は前月比で変 わらず(2月は0.1%上昇)。

ミラー・タバクの主任経済ストラテジスト、ダン・グリーンハウ ス氏は顧客向けリポートで、「結論を言えば、政府が発表するインフ レは低下傾向しか見られない」と指摘。「最近の経済指標は、短期的 なディスインフレに対するFRBの懸念を引き続き裏付ける内容とな っている」と述べた。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反発。ドルの下落を背景に、代替投資 としての金の魅力が強まった。世界的な景気回復の兆しも商品の需要 を高めた。

主要6通貨のバスケットに対するドル指数は4日連続で下落。一 方、商品19銘柄で構成するロイター・ジェフリーズCRB指数は上 昇。世界的に株式相場も上昇した。ロンドンの調査会社GFMSによ ると、金は今年後半か2011年前半に過去最高を記録する可能があ る。

MFグローバル傘下のリンド・ウォルドック(シカゴ)の市場担 当シニアストラテジスト、アダム・クロプフェンスタイン氏は、「マ クロ経済的な要素が商品全般を押し上げている」と指摘。「ドルの下 落に加え、経済に対する楽観的な見方が広がっていることがすべての 商品を下支えしている」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物相場6月限は前日比6.20ドル(0.5%)高の1オンス=

1159.60ドルで取引を終了。年初からは5.8%上昇。過去最高値 は昨年12月3日に記録した1227.50ドル。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は反発。米週間在庫統計で原油在庫が予想 外に減少したほか、ガソリン需要の伸びが過去5年で最大となったこ とが買いにつながった。

米エネルギー省(DOE)のエネルギー情報局(EIA)が発表 した9日終了週の週間在庫統計では、原油在庫は220万バレル減の 3億5400万バレル。ブルームバーグがまとめたアナリスト17人 の予想平均は130万バレル増加となっていた。また、9日までの4 週間のガソリン消費量は1.3%増と、2004年8月以降で最大の伸 びとなった。

ワイス・リサーチ(フロリダ州ジュピター)の天然資源アナリス ト、ショーン・ブロドリック氏は「原油在庫が数週間ぶりに減少し、 強材料となっている」と指摘。「トレーダーは経済見通しの改善に注 目しており、新興成長市場からの需要を主因に現在の水準から上昇す るとみている」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物5月限は前日 比1.79ドル(2.13%)高の1バレル=85.84ドル。一時は

2.8%高と、2月以来の大幅高となる場面もあった。前日までは5日 連続で下げていた。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は上昇。ストックス欧州600指数は2008年9月 以来の高水準を記録した。米半導体インテルや金融JPモルガン・チ ェースの決算を受けて、景気回復に対する楽観が広がった。

欧州最大の半導体メーカー、インフィニオン・テクノロジーズや 同業STマイクロエレクトロニクスを中心に半導体株が値上がりした。 インテルが発表した4-6月期の売上高見通しはアナリスト予想を上 回り、半導体銘柄を押し上げた。アライド・アイリッシュ・バンクス は米ゴールドマン・サックス・グループによる株式投資判断の引き上 げを手掛かりに上昇した。

スウェーデンの通信機器メーカー、エリクソンは大幅上昇。クレ ディ・スイス・グループによる投資判断引き上げが好材料だった。資 産家のジョージ・ソロス氏がユーロ圏諸国のまとめたギリシャ支援策 は借り入れコストが高過ぎると指摘したのが嫌気され、ギリシャ株は 下落した。

ストックス欧州600指数は前日比0.7%高の270.44。同株価 指数は年初から6.5%上昇している。

スレッドニードル・アセット・マネジメントで世界株式責任者の ジェレミー・ポジャー氏は、「昨年がコスト削減の年ならば、今年は 低コストを基調とした売り上げ再構築の一年になることが、この先発 表される企業決算で裏付けられるだろう」と語り、「市場参加者の株 式投資への自信につながる。支援材料になるシナリオだ」と続けた。

インフィニオン、STマイクロ

インフィニオンは2.8%高、STマイクロは2.7%値上がりし た。

エリクソンは4.6%上昇。クレディ・スイスは同社の株式投資 判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に引き上げた。売 り上げ見通しの改善が理由。

アライド・アイリッシュ・バンクスは7.9%高。ゴールドマン が投資判断を「ニュートラル」から「買い」に引き上げたのが買い材 料となった。

◎欧州債券市場

欧州債市場でギリシャ国債が下落。財政難に陥っているギリシャ に対し、欧州諸国が支援策を実施するのは困難との懸念が強まったこ とが背景にある。

ロンドン時間午後3時現在、ギリシャ10年債のドイツ10年債 に対するプレミアム(上乗せ金利)は394ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)に拡大し、欧州連合(EU)が支援策詳細を発表 した11日以前の水準に近づいた。ドイツ政府はこの日、ギリシャ向 け融資には同国議会の承認が必要になる公算が大きいことを明らかに した。フランスとオランダもそれぞれの議会が審議する可能性を示唆 した。

コメルツ銀行(フランクフルト)の債券ストラテジスト、デービ ッド・シュノーツ氏は、ギリシャ支援策について「政治面で実施をめ ぐるリスクがある」と述べ、ギリシャを除いたユーロ圏の残り「15 カ国の首脳全員の同意が必要なときに、支援策の実施で問題が生じる 可能性がある」と指摘した。

ギリシャ政府は5月末までに116億ユーロの債務を借り換える 必要がある。ギリシャ10年債利回りはこの日、再び7%を超えた。 同国のパパンドレウ首相はそのような水準での資金調達は「持続不可 能」と指摘している。格付け会社フィッチ・レーティングスのディレ クター、クリストファー・プライス氏は、ギリシャが数週間以内に支 援要請を余儀なくされる可能性があるとの見方を示した。

ギリシャ2年債利回りは前日比53bp上昇の6.87%。同国債 (表面利率4.3%、2012年3月償還)の価格は0.89ポイント下 げ95.52。ギリシャ10年債利回りは7.18%と、前日を27bp上 回った。

◎英国債市場

英国債相場は下落。英景気の回復ペースが加速する中、株式相場 の上昇を背景に比較的安全な投資先である国債に対する需要が後退し た。

10年債利回りは先月16日以来の高水準まで5ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)未満となった。この日のMSCI世界 指数は上昇。資産総額で米2位の銀行、JPモルガン・チェースの1 -3月(第1四半期)決算の利益は前年同期比で55%増加し、アナ リスト予想を上回る増益となった。

クレディ・スイス・グループ(チューリヒ)のシニア債券ストラ テジスト、ミヒャエル・マルコビッチ氏は、「株式市場に対するセン チメントが債券市場を左右するだろう」と述べた上で、「あらゆる市 場で利回りは総じて上昇した」と語った。

ロンドン時間午後4時現在、10年債利回りは前日比2bp上昇 し4.03%。同国債(表面利率3.75%、2019年9月償還)価格は

0.12ポイント下げ97.85。12日には4.08%まで上げていた。2 年債利回りは1bp上昇の1.16%。

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