米国債:10年債が下落、連銀報告の改善で売り

米国債市場では10年債が下 落。地区連銀経済報告(ベージュブック)で、大部分の地区連銀 が景気は3月に「いくらか」拡大したと報告したことが明らかに なり、売りが優勢になった。バーナンキ米連邦準備制度理事会(F RB)議長は、米国の景気拡大ペースが緩やかなものにとどまる と指摘した。

10年債利回りは3週間ぶりの低水準付近から上昇。ベージュ ブックによると、消費支出や製造業が持ち直すなか、景気は12の 連銀管轄地区のうち11地区で改善した。バーナンキ議長は議会証 言で、低調な建設支出や高失業で、経済活動が抑制されていると 述べた。

BNPパリバ・セキュリティーズの金利ストラテジスト、サ ブラト・プラカシュ氏は「ベージュブックは表現に改善が見られ た。それと株高が相まって国債を圧迫している」と指摘。「短期的 な問題は残るため、米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金 利を現行水準で維持し、期間の短い国債利回りは抑制されるだろ う。一方、長期的な回復見通しは明るくなっているようだ」と述 べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨー ク時間午後4時32分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.86%。一時は3.80% と、3月24日以来の低水準付近に低下した。同年債(表面利率 3.625%、2020年2月償還)価格は3/8下げて98 2/32。

米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は前日比1.1%高 と、ほぼ6週間ぶりの大幅な上げとなった。

「明確に示した」

10年債は、バーナンキ議長の証言開始後に下落。同議長が冒 頭証言で政策金利の先行きについて言及しなかったことから、一 部市場参加者の失望を誘った。

ドイツ銀行のプライベート・ウェルス・マネジメント部門の 債券トレーディング責任者、ゲーリー・ポラック氏は「バーナン キ議長からは、金融政策が近い将来は現行水準に維持されるとい う発言がなかった」と指摘。「市場は3歳児のようなものだ。相場 上昇を続けるには、FRBや経済指標によって絶え間なく安心感 を与えられる必要がある」と述べた。

バーナンキ議長が証言後の質疑応答で、FOMCは高失業や 低インフレといった状況次第で、「長期にわたり」低金利を続ける 方針を「明確に示した」と述べると、国債相場は下げ渋る場面も あった。

同議長は、「全体的に見て経済指標は民間部門での最終需要の 伸びが、向こう数四半期の緩やかな景気回復を後押しするのに十 分なものになることを示唆している」と述べた。一方で、「景気回 復ペースの顕著な抑制要因も依然見受けられる。居住用、非居住 用の双方で建設が低調なほか、多くの州や地方政府で財政状況の 芳しくない状態が続いている」と語った。

「文言変更」

FOMCは4月27、28両日に次回の会合を開く。米政策金 利は2008年12月以降、0-0.25%に維持されている。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIM CO)の市場ストラテジストでポートフォリオマネジャーのトニ ー・クレセンツィ氏は顧客向けリポートで、「わずかな進化といえ ば、バーナンキ議長による景気描写の方法だ」と記述。「これは金 融政策の変更に向けた十分な前兆とはならないが、声明の文言変 更を示唆する段階に近づいていると言えそうだ」と続けた。

ベージュブックでは、景気回復の勢いに加速はみられないも のの、回復のすそ野が広がりつつあることが示唆された。それに よると、「前回の報告からセントルイス連銀を除くすべての地区で 経済活動は拡大した。セントルイス連銀は経済状況の『軟化』を 報告した」と記述した。ベージュブックはFOMCの2週間前に 公表される。

米商務省が発表した3月の小売売上高(速報値)は季節調整 済みで前月比1.6%増と、前月の0.5%増(速報値0.3%増)か ら伸びが拡大した。

米労働省が発表した3月の米消費者物価指数(CPI、季節 調整済み)は前月比0.1%上昇。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミストの予想中央値と一致した。3月のコア指数は 前月比で変わらず(2月は0.1%上昇)。

ミラー・タバクの主任経済ストラテジスト、ダン・グリーン ハウス氏は顧客向けリポートで、「結論を言えば、政府が発表する インフレは低下傾向しか見られない」と指摘。「最近の経済指標は、 短期的なディスインフレに対するFRBの懸念を引き続き裏付け る内容となっている」と述べた。

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