米国の「通常モード」回帰でドル上昇、年末105円も-SBI・小島氏

SBIリクイディティ・マーケッ トのグローバルマーケッツ担当部長、小島誠氏は、米国が他の先進国 に先んじて「通常モード」に回帰することにより、ドルは上昇し、対 円では年末に1ドル=105円に達する可能性もあるとみている。

小島氏はインタビューで、リーマンショック以降、「異常な金融政 策、異常な財政拡大の中で特異な相場」が続いてきたが、今年は「通 常の金利体系、財政政策に戻ったときにおのおのの通貨がどう動くの かという通常モードに切り替わる年」であると指摘。先進国の中で最 初に緊急モードから抜け出す米国の通貨が「当然買われるべきだ」と 語った。

その上で、ドルが対円で金融危機前の110円を上回る水準まで戻 すことはないが、円を買う理由がない中で、ドルの上昇が100円で止 まる理由はないと主張。「100円台に乗せれば、105円という声が聞 かれても決しておかしくない」と指摘した。インタビューは12日に 行った。

小島氏は「人民元切り上げなど間接的な要因はあっても、日本が 主語の円高要因はない」とし、「通貨が国力を反映するとすれば、円を 買う理由はない」と語った。一方、日本の財政破たんといった「日本 が主語の円安要因」が現実化するのにもまだ時間がかかるとし、米国 の材料が相場を主導すると予想した。

FRBは6月にも「出口」へ

ドル・円相場は昨年11月に約14年ぶりのドル安値となる1ドル =84円83銭を記録。その後、88円から94円程度のレンジ相場がし ばらく続いたが、米国の雇用改善を背景にドルは上昇し、今月5日に は一時、94円79銭と約7カ月半ぶりの高値を付けた。

小島氏は、米経済は新興国にけん引され製造業が持ち直し、企業 業績の改善に伴って株価が上昇するという予想通りの回復パターンを たどっていると指摘。「連邦準備制度理事会(FRB)が本当に回復に 自信があるのであれば、9月の中間選挙前、早ければ6月にも『出口』 があっていいのではないか」と語った。

米株価指数先物動向によると、FRBが6月までにフェデラルフ ァンド(FF)金利の誘導目標を0.5%へ引き上げる確率は9%。1 週間前は12%弱だった。

市場では米国の利上げまでの距離感を測る上で、米連邦公開市場 委員会(FOMC)が「長期にわたり」異例の低金利を維持するとの 声明文の文言をいつ変更するかが焦点となっている。

しかし、小島氏は「バーナンキ議長以下、FRB首脳陣はいつ文 言を削除すべきかを市場に催促させるというスタンス」と読んでおり、 雇用改善の持続や安定的に4%を超える米長期金利の上昇、ドル高進 行や商品価格のさらなる上昇などが文言削除への「プレッシャー」に なるとの見方を示した。

新興国通貨は上昇へ

一方、日本については超低金利政策が来年以降も続く可能性が高 いとし、デフレからの脱却には「円安しかない」と主張。ユーロ圏に ついては、ギリシャの救済問題が「政治統合がなされていない通貨統 合とは何なのかを思い出させてしまった」とし、ギリシャ以外のPI IGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、スペインのユーロ圏 5カ国)の財政問題もくすぶることから、「通常モード」への回帰は遅 れると語った。

小島氏は、「通常モード」への回帰が進む中、金利・為替相場は 「成長するところ、成長が止まるところ、逆に衰退するところといっ たマクロの大きな意味合い」に素直に反応すると指摘。中国やインド、 ブラジルなど「健全に経済が成長し、なおかつそれだけのポテンテャ ルの人口もあり、まだ踏み上がる余地のある国の通貨が必然的に買わ れ、そこからダイレクトに恩恵を受ける豪ドルなども買われる」と予 想した。

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