中国は6月30日までに元高を容認も、切り上げ回避で-調査

中国人民銀行(中央銀行)が6 月30日までに人民元の上昇を容認する可能性があることが、ブルー ムバーグがまとめたアナリスト調査で分かった。インフレを抑制す るとともに、輸出企業に打撃を与えかねない急激な切り上げを回避 する狙いがあるという。

調査では、回答者19人中12人が「人民銀は4-6月期中に元 相場のこれまでよりも自由な変動を容認する」と答えた。5人は「9 月30日までに容認」と回答。残り2人は「年末までに容認」だった。

切り上げについては、11人が実施されないと回答。残り8人は

0.5-5%切り上げの実施を予想した。

人民元の上昇を容認すれば、インフレが抑制される。3月には 輸入物価が前年同月比17%上昇したことなどもあり、中国の貿易収 支が2004年以来初めて赤字に転じた。元相場が「ゆっくりと」上昇 すれば、製造業は世界的なリセッション(景気後退)で低迷した事 業の立て直しに十分な時間を得られることになると、シンガポール の銀行オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)は指摘する。

調査ではまた、人民元の許容変動幅(現行は人民銀が発表する 日々の基準値の上下0.5%)について、大半が拡大を予想。予想レ ンジは「上下0.75-3%」だった。元相場は年末までに3.1%上昇 し1ドル=6.62 元(中央値)に達する見込み。予想レンジは6.4-

6.8元だった。調査は4月9日に開始された。

アナリスト見通しは、先物市場トレーダーの予想より強気だ。 香港時間午前8時10分(日本時間同9時10分)現在、9カ月物の 元先物(ノンデリバラブル・フォワード、NDF)は、現物相場(6.8252 元)を 2.3%上回る水準で推移している。

事実上固定

オバマ米大統領は12日、中国の胡錦濤国家主席と会談し、人民 元の「より市場志向の為替レート」への移行が「重要」との考えを あらためて示した。一方、胡主席は元相場の上昇によって米国の失 業問題が解決することはないと指摘した。

中国の3月の外貨準備高は2兆4500億ドルで、世界最大だった。 人民銀は元売りによってほぼ2年間にわたり元相場を1ドル=6.83 元に事実上固定している。

米紙ニューヨーク・タイムズは8日、中国政府が為替政策の変 更の発表に「極めて近い」状態にあると報じた。事情に詳しい匿名 の関係者の話として伝えた。

人民銀の貨幣政策委員会の夏斌氏は8日、上海で開かれたフォ ーラムで、投機的な動きを抑制するには、元を緩やかに上昇させる よりも切り上げの方が有効かもしれないとの考えを示した。

OCBCのストラテジスト、エマニュエル・エン氏は、切り上 げの「タイミングをエコノミストが予想することはできない。経済 的議論ではなく、国家首脳の問題だ」と指摘。「水面下ではさまざま な動きがある」と語った。

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