日本株は反落、輸出中心に景気敏感業種売り-円高や中国動向警戒視

東京株式相場は3営業日ぶりに反 落。テクニカル指標面からの短期的な過熱感が根強い中、為替相場で 円高が進行し、収益押し下げへの警戒で電機、自動車など輸出関連株 が安い。中国の為替政策による影響も見極めたいとして、鉄鋼や海運、 非鉄金属といった新興国景気に敏感な業種は東証1部の業種別下落率 上位を占めた。

日経平均株価の終値は前日比90円67銭(0.8%)安の1万1161 円23銭、TOPIXは6.34ポイント(0.6%)安の988.44。

ソシエテジェネラルアセットマネジメントの吉野晶雄チーフエコ ノミストは、「きょうは円高が利益確定売りのきっかけとなった」と指 摘。日本株のバリュエーションが妥当水準まで切り上がり、「マーケッ トはこれまでの輸出を中心とする株価上昇がそろそろ限界だ、と分か ってきた」と話している。

シカゴ先物市場(CME)の円建て日経平均先物6月物の12日清 算値(1万1260円)は大阪証券取引所の通常取引終値と変わらずだっ たが、東京市場の取引開始直前から為替相場で円高が進行。米国企業 の四半期決算を見極めたいとの姿勢もあり、終始売りが優勢となった。

ドル・円相場はこの日1ドル=92円60銭割れと、3月30日以来 の円高値を付けた。円は対ユーロでも125円70銭まで上昇。きのうの 東京株式市場の通常取引終了時は127円20銭前後だった。13日に6 カ月物と1年物の財務省短期証券(TB)を総額12億ユーロ発行する ギリシャの動向を確認したいとの見方や、中国の元の切り上げに対す る警戒などが円高要因になった。

米中首脳会談、PER分析でも端境期

オバマ米大統領は12日、中国の胡錦濤国家主席との会談で、中国 がより市場志向の為替レートに移行することが重要、との見解をあら ためて表明した。しんきんアセットマネジメント投信の鈴木和仁審議 役は、「元高は中国の成長を多少削ぐほか、日本が中国から輸入してい る中間財の価格上昇につながる」と指摘していた。

急速な円高を背景に、電機や輸送用機器など輸出関連業種を中心 とした業績への悪影響が懸念され、日本株市場では幅広い業種に売り が出た。値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の百分比を示す東証1部の 騰落レシオはきのう145%に低下したが、なお経験則から過熱圏とさ れる120%以上。「日本株は年初からのパフォーマンスが良く、高値警 戒感が出ている」と、かざか証券の田部井美彦市場調査部長は言う。

ソシエテジェネラルアセットの吉野氏によると、日本株のPER (株価収益率)は今期予想ベースで16倍。03年以降は12-18倍の範 囲で推移しているといい、「相場は次のテーマを探り出すまでの端境期 に入った」との見方を示している。

東証1部売買高は概算で23億7304万株、売買代金は同1兆5093 億円。値上がり銘柄数は437、値下がりは1130。

クリSDHは急落、JXHDは高値更新

個別銘柄では、2010年5月期の連結最終利益が従来予想比20%減 の見通しとなったクリエイトSDホールディングスが急落。ゴールド マン・サックス証券が格下げしたNTN、運賃上昇をおおむね織り込 んだことや株価上昇などを理由に、三菱UFJ証券が投資判断を下げ た商船三井や川崎汽船なども安い。前日のばら積み船の国際運賃市況 であるバルチック・ドライ指数は6日続落となっていたこともあり、 海運は東証1部の業種別下落率で2位。

半面、精製設備効率化と上流権益の拡大などを評価し、みずほ証 券が投資判断を新規に「アウトパフォーム」としたJXホールディン グスが1日上場後の高値を更新。足元の状況から先行きの業績確度が 高まったとし、三菱U証が格上げしたイビデン、野村証券が投資判断 を「1(買い)」に引き上げたいすゞ自動車は急騰した。不動産経済研 究所の調べによる3月の首都圏のマンション発売戸数が前年同月比

54.2%増となり、三井不動産や三菱地所など不動産株の一角も堅調。

新興3市場は高安まちまち

国内の新興3市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前 日比0.8%安の54.65と4日ぶり、大証ヘラクレス指数は0.4%安の

677.51と5日ぶりに反落。東証マザーズ指数は0.5%高の482.19と5 連騰。

11月1日に共同持ち株会社を設立するエイブルとCHINTA Iが、そろって経営効率改善期待から上昇。第2四半期累計の連結最 終利益は従来想定比2.5倍になったもようのプラップジャパンは急伸。 売買代金上位ではエイチアイ、メディネット、日本通信が高い。

半面、ワープロソフト「一太郎」シリーズの一部製品にぜい弱性 の存在を確認したことを明らかにしたジャストシステムは3日続落。 11年2月期が連結営業減益見通しのフロイント産業は5日ぶり反落 した。売買代金上位ではユビキタス、サイバーエージェント、USE Nが下げた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE