債券上昇、米金利低下や円高、国内株安で買い-先物は2日以来の高値

債券相場は上昇(利回りは低下)。 米国の長期金利が低下傾向にあることに加え、為替市場での円高や国 内株式相場の下落を受けて先物中心に買いが膨らんだ。30年利付国債 の入札結果がやや低調だったことの影響は限定的だった。

三井住友海上きらめき生命保険の堀川真一経理財務部長は、30年 債の金利水準を考えると入札低調は想定範囲内だと言え、市場はむし ろ米国金利や為替など外部環境の好転を材料視しているとも指摘して おり、「先物は買い戻しが入りやすい地合いだ」との見方を示した。

東京先物市場の中心限月6月物は前日比13銭高い138円36銭で 開始。直後にこの日の安値138円33銭をつけたが、その後は138円 40銭台を中心に堅調な推移となった。さらに、30年債の入札結果発表 後に再び買いが入ると、一時は2日以来の高値となる138円63銭まで 上昇して、結局は37銭高の138円60銭で終了した。

この日の債券市場では先物相場がけん引する格好で堅調な展開と なった。RBS証券の西岡純子チーフエコノミストは、米金利低下や 国内株安、さらには為替市場での円買いなどを手掛かりに、債券市場 の弱気筋が先物の買い戻しに動いたと指摘した。

三菱UFJ証券の稲留克俊債券ストラテジストも、期初にあたっ て現物需給が悪くない中で、米国の金利上昇が一段落しているほか、 中国による人民元切り上げの憶測が足元では円買いに作用して、債券 先物には売り方の買い戻しが入りやすい地合いだとの見方を示した。

米長期金利が低下

12日の米国債相場は続伸。超長期債中心に買われて、米10年債 利回りは4ベーシスポイント(bp)低下の3.84%程度となった。一方、 米株市場ではダウ工業株30種平均の終値が2008年9月以来で初めて 1万1000ドル台を上回ったが国内株価は下落した。

一方、この日は中期ゾーンに銀行の買いが入ったとの憶測も出て いたが、15日には5年債入札を控えるタイミングのため、さすがにあ すにかけては先物相場も上値が重くなるとの指摘があった。日興コー ディアル証券の山田聡チーフクオンツアナリストは、足元で5年債利 回りが0.5%台半ばを下回ってきただけに、いったんは調整を入れな がら入札を迎えたいとの意向が強いのではないかと話した。

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の306回債利回り は0.5bp低い1.39%で始まり、その後も買いが優勢の展開となると

1.38%を付けた。30年債の入札結果発表を受けていったんは1.39%に 戻したが、その後は再び1.38%での取引が続いた。

306回債利回りは7日午後にいったん1.405%まで上昇したが、市 場では引き続き1.4%が節目として意識されている。RBS証の西岡 氏は、海外金利をはじめ為替や株価など他市場の動向に影響されやす いとしながらも、「投資家の期初の買いが残る4月中については、10 年債利回りの1.4%前後が上限になりそう」との見方を示した。

30年債入札やや低調な結果

午後に発表された30年債の入札結果はやや低調だった。日興コー ディアル証の山田氏は、30年債利回りが新年度入り後に急低下したた め、投資家が積極的に動かなかった分だけ需要が足りなかったと指摘 した。30年債利回りは2月22日には2.35%まで上昇し、その後もお おむね2.3%を挟んでもみ合っていたが、4月に入ると急ピッチで低 下して9日にはほぼ4カ月ぶり低水準となる2.20%をつけていた。

もっとも、30年債の結果発表後も売り圧力は特段に強まらず、債 券市場全体に及ぼす影響は限定された。日興コーディアル証の山田氏 は、短期的には超長期ゾーンに割高修正の動きが入ってもおかしくな いとしながらも、「30年債は2.2-2.3%でのレンジが意識されており、 おそらく2.2%台半ばからは買いが出てくる」と話した。

三菱UFJ証の稲留氏も、超長期債には生保などの潜在需要がお う盛であるため消化に問題はないと指摘した。

30年利付国債(32回債、4月発行)の入札結果によると、最低落 札価格が101円50銭、平均落札価格は101円75銭となった。最低価 格は市場の事前予想の101円70銭を下回り、最低と平均価格の格差で あるテールは前回債の8銭から25銭に拡大。応札倍率は3.73倍とな り、前回債の3.87倍をやや下回った。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE