4月12日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し過去7カ月 で最大の上げとなった。ギリシャに対する最大450億ユーロの支援 パッケージがまとまったことが好感された。

ユーロは主要通貨の大半に対して上昇した。欧州債市場では、ギ リシャ国債の利回りが低下。同国がデフォルト(債務不履行)に陥る との観測が後退した。カナダ・ドルは米ドルに対しパリティー(等価) 近辺で推移。フレアティ―財務相は、カナダ・ドルの上昇は同国の健 全な財政を反映したものだと述べた。

INGグループの為替トレーディング担当ディレクター、ジョ ン・マッカーシー氏は「ギリシャ支援策がまとまったことで、最悪期 は脱したとの安堵(あんど)感からユーロは上昇した」と分析。「ギ リシャ危機でユーロに対する圧力は強まっていたが、支援合意がその 圧力を取り除いた格好だ」と述べた。

ユーロはドルに対し一時、前週末比1.4%高の1ユーロ=

1.3692ドルと、3月18日以来の高値を付けた。また上昇率は、 昨年9月8日の記録に並んだ。ニューヨーク時間午後4時6分現在は、 1ユーロ=1.3587ドル。前週末9日は1.35ドルだった。対円で は前週末比0.7%高の1ユーロ=126円68銭(前週末は125円 79銭)。ドルの対円相場は1ドル=93円23銭(前週末は93円 18銭)。

デフォルト・シナリオ

シティグループのチーフテクニカルアナリスト、トム・フィッツ パトリック氏は「支援パッケージは、ギリシャに資金調達の枠組みを 提供するもので、2010年末にかけてデフォルト・シナリオは影をひ そめるはずだ」と指摘。「短期的に市場ではこの見方が決定的なので、 この流れに逆らうのは正しくない」と述べた。

クレディ・スイス・グループは、ユーロは今週末までに少なくと も1ユーロ=1.38ドルに上昇し、3カ月以内に1.43ドルになる と予想。ショートカバー(買い戻し)を急ぐ動きが出るためとしてい る。

レイ・ファリス氏やダニエル・カッツァイブ氏などクレディ・ス イスのストラテジストは、12日付の顧客向けリポートで、「この支 援策を受けてユーロ圏の信用リスクが急激に低下し、ユーロはショー トカバーで上昇する可能性があるとわれわれは考えている」と記した。

対ユーロの予想

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉報告によると、ドルに 対するユーロのショートポジションからロングポジションを差し引い たネットショートは6万7223枚。1週間前は8万5326枚だった。

米国でのリセッション(景気後退)期を判断する全米経済研究 (NBER)は、今回のリセッションの終了を宣言するのは「時期尚 早」との見方を示した。

発表文によると、「NBERは、大半の経済指標は上向いてきて いるが、現在のデータを基に景気の谷を認定するは時期尚早だろうと の結論に達した」。

カナダ・ドル

カナダ・ドルは米ドルに対し、ほぼ変わらずの1米ドル=

1.0031カナダ・ドル。一時下落していたが、カナダ銀行(中央銀 行)の調査で企業が向こう1年間の売上高増加を見込んでいることが 示されたことを受け、下げを消した。

カナダのフレアティ財務相は、マニトバ州ウィニペグで記者団に 対し、カナダ・ドルの最近の上昇について「比較的秩序あるもので、 特に不規則な動きはしていない」と指摘。「カナダの企業はこれなら 対応可能だと、ある種の安どを得るだろう」と述べた。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。ダウ工業株30種平均は終値で2008年9 月以来初めて1万1000ドルを上回った。企業買収のニュースやギ リシャ支援策がまとまったことが好感された。アルミ生産のアルコア はこの日の引け後に1-3月期決算を発表し、決算シーズンの到来を 告げた。

アルコアは上昇。携帯情報端末(PDA)のパームも高い。同社 は身売りを検討しており、買い手企業を模索しているという。防衛関 連事業のアウトソーシング受託会社、ディンコープ・インターナショ ナルは急伸。米投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメントによ る買収に合意したことが好感された。電力会社ミラントとRRIエナ ジーも大幅高。16億ドル規模の合併計画が買い材料だった。

S&P500種株価指数は前営業日比0.2%高の1196.48。ダ ウ工業株30種平均は8.62ドル高の11005.97ドル。

D.A.デービッドソンのチーフ市場ストラテジスト、フレデリ ック・ディクソン氏は、「景気敏感株の大半が増益を発表すると見込 んでいる」とのリポートを電子メールで発表。「注目が集まるのは、 各企業が予想をどれほど上回ったか、そして第2四半期の収益見通し の引き上げ幅だ」と続けた。

S&P500種企業は30%増益

ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によると、S&P500 種採用企業の第1四半期利益は前年比で30%増が見込まれている。 S&P500種は2009年3月に記録した12年ぶり安値からは77% 値を戻した。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、S&P500種株価 指数のプットオプション(売る権利)のプレミアムと、コールオプシ ョン(買う権利)のプレミアムとの差、いわゆるスキュー(ゆがみ) が2008年6月以来の高水準となった。ビスポーク・インベストメ ント・グループによれば、米株式相場が6週連続上昇となる中でヘッ ジ需要が高まり、相場のモメンタム(勢い)を示すS&P500種の 50日移動平均線 のエンベロープは、過去1年1カ月間で最も弱気 な水準にある。

今週は半導体のインテル、金融のJPモルガン・チェース、バン ク・オブ・アメリカ(BOA)、複合大手ゼネラル・エレクトリック (GE)の決算発表が予定されている。

企業の買収

パームは17%高。事情に詳しい関係者3人が明らかにしたとこ ろによると、パームは買い手企業を模索するため、ゴールドマン・サ ックス・グループとフランク・クアトロン氏率いるカタリスト・パー トナーズを起用した。台湾の宏達国際電子(HTC)や中国のレノ ボ・グループ(聯想集団)が身売り先候補となる可能性があるという。 身売り計画が公表されていないことを理由に関係者らは匿名を条件に 語った。

アジア最大の製油会社、中国石油化工(Sinopec)は、米 石油コノコフィリップスが保有するオイルサンド生産会社シンクルー ド・カナダ(株式未公開)の株式を46億5000万米ドルで購入す ることに合意した。これを材料にコノコが1.2%値上がりした。

ディンコープは48%急伸。同社はサーベラス・キャピタル・マ ネジメントへの身売りで合意したことを明らかにした。債務継承を含 め、買収規模は総額約15億ドルになるという。

米企業の身売りは今年に入りこれまでに2002億ドル相当。前 年同期は1917億ドルだった。

ロバート・W・ベアードのチーフ投資ストラテジスト、ブルー ス・ビトルズ氏は「トレンドは前向きだ」と語り、「大手企業が中小 企業を買収するのは、明らかに景気や将来の見通しについて楽観的な 見方が背景にあるからだ」と続けた。

ギリシャ対策

ギリシャ株は上昇。ユーロ圏と国際通貨基金(IMF)が前日ギ リシャに対し、市場金利を下回る金利で計450億ユーロを融資する 支援パッケージを提示したことが好感された。

ギリシャの借り入れコストは11年ぶり高水準に上昇。ユーロ圏 財務相は、金利5%程度で最大300億ユーロ(期間3年)の融資を 提示、IMFも150億ユーロの融資を提供する意向を示した。9日 の3年物ギリシャ債の利回りは6.98%だった。

◎米国債市場

米国債市場では30年債が2営業日続伸。利回りが2007年10 月以来の高水準付近まで上昇しため、割安感から買いが膨らんだ。

米国債相場は下落する場面もあった。欧州が債務に苦しむギリシ ャに対する救済計画を示したことから、比較的安全とされる米国債へ の需要が減退した。米国でのリセッション(景気後退)期を判断する 全米経済研究所(NBER)は、今回のリセッションの終了を宣言す るのは「時期尚早」との見方を示した。30年債利回りは7日に

4.86%と、日中取引では07年10月17日に付けた4.91%以来 の最高水準に達していた。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダの米国債トレーディング責任者、 トーマス・トゥッチ氏は、「米国債の中でも30年債に最も割安感が ある」と指摘。「30年債利回りが4.75%を超えると、保険会社や 年金基金がこの金利をロックイン(固定化)し、買いが続く結果とな っている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時46分現在、30年債利回りは前週末比4ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)低下の4.7%。同年債(表面利率 4.625%、2040年2月償還)価格は19/32上げて98 25/32。

インフレ見通しが抑制されていることから、こうした水準の国債 は魅力的と判断されているもようだ。ブルームバーグがまとめたエコ ノミスト35人の調査では、米労働省が14日に発表する3月の消費 者物価指数で、食品とエネルギーを除いたコア指数は前年同月比

1.2%上昇と見込まれている。

「底打ちのプロセス」

バークレイズの金利ストラテジスト、マイケル・ポンド氏は「現 時点で供給の圧迫がないことも、国債相場を支える一因になっている」 と指摘。ただ、「供給は今後も継続するため、利回りは一段と上昇す るリスクがある」と述べた。

米財務省は先週、中長期債を総額820億ドル相当発行した。26 日の週には2年、5年、7年債の入札を実施する予定。

ルイーズ・ヤマダ・テクニカル・リサーチ・アドバイザーズのテ クニカルアナリスト、ルイーズ・ヤマダ氏は、30年債利回りが

4.8%を上回る水準で終了するなら、利回り上昇は米国債が「構造的 な弱気相場」入りすることを示唆している可能性があると指摘した。 同氏は08年の株式の弱気相場を正確に予想した。

ヤマダ氏はブルームバーグラジオとのインタビューで、4.8%を 上回る水準で終了すれば「金利にとって底打ちのプロセスが完了し、 新たな弱気相場の始まりを示す」と述べた。その上で、米国債利回り は10年債が2.05%に、30年債が2.52%にそれぞれ低下した08 年12月に「変曲点」に達したと続けた。

「反発」

ユーロ圏諸国の財務相は、ギリシャに期間3年の融資を約5%の 金利で最大300億ユーロ提供すると発表した。これはギリシャ3年 債利回りの現在の水準6.26%を下回る。これとは別に国際通貨基金 (IMF)が150億ユーロを融資する。

FTNファイナンシャルの機関債調査責任者、ジム・ボーゲル氏 は顧客向けリポートで、米国債利回りはギリシャへの支援パッケージ を冷静に受け止めていると記述。「金融市場で最も目立った反応」を 示したのはユーロの反発だったと述べた。

ユーロはドルに対して0.6%高。ギリシャ2年債利回りはブル ームバーグが1998年にデータ集計を開始して以来最大の下げを記 録した。

米10年債と同年限のギリシャ債の利回り格差は56bp縮小し、 271bp。ブルームバーグのデータによると、同利回り差は09年1 月23日には359bpと、1999年にユーロが導入されて以来の最大 に拡大していた。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は上昇。ドルが下げたことで代替投資と しての金への需要が高まり、4カ月ぶり高値を付けた。

ドルの対ユーロ相場は下落。財政難に陥っているギリシャにユー ロ圏諸国と国際通貨基金(IMF)が最大で計450億ユーロ(約5 兆7000億円)の融資を提供するとの支援策を示したことがきっか けだった。2009年に金は24%上昇した一方、主要6通貨のバスケ ットに対するドル指数は4.2%下げた。

R.F.ラファーティ(ニューヨーク)のマーティー・マクニー ル氏は「金を打ちのめすことはできない」と指摘。「金は無敵のドル と互角に通貨ゲームを戦っている」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場6月限は前営業日比30セント高の1オンス=1162.20ドルで 取引を終了。一時は1170.70ドルと、昨年12月4日以来の高値を 付ける場面もあった。月初からは4.3%上昇している。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は4営業日続落。バレル当たり85ドル近 辺を維持できるほどの需要があるかが疑問視され、売りが優勢となっ た。

原油は一時1%下落。4日連続での下落は1月以降で最長。米エ ネルギー省エネルギー情報局(EIA)が先週発表したリポートによ ると、2日までの4週間の米石油製品消費は3月26日までの4週間 から1%減少。米原油在庫は過去5年間の平均を7.1%上回った。

PFGベスト(シカゴ)のバイスプレジデント、フィル・フリン 氏は「需給ファンダメンタルズが再び材料となりつつある」と指摘。 「供給要因が相場を圧迫している」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物5月限は前営 業日比0.58ドル(0.68%)安の1バレル=84.34ドル。過去1 年間では61%上昇している。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は下落。610億ドル規模のギリシャ救済計画がま とまったものの、域内全体のソブリン債務水準が景気回復の妨げにな るとの懸念は緩和されなかった。

フランスの投資会社ユーラゼオは値下がり。同社が株主割当増資 による約5億ユーロの調達を検討しているとする仏紙レゼコーの報道 がきっかけ。一方、ギリシャ国立銀行は上昇し、同国株価指数を押し 上げた。UBSも高い。同社の1-3月(第1四半期)決算で利益が ほぼ3年ぶりの水準に拡大したことを好感した。

ストックス欧州600指数は前週末比0.1%安の269.36で引 けた。日中は前週末の終値を挟んでもみ合う展開となった。年初から は6.1%値上がり。

MFCグローバル・インベストメント・マネジメント(ロンドン) の欧州株式責任者、デービッド・ハシー氏は、「ギリシャはこれまで 明らかに市場の注目材料となってきた」と指摘。「将来を考えると、 同様の状況が年内に起こり得ることを心配せずにはいられない」と述 べた。

ユーラゼオが安い

ユーラゼオは4.1%安と、ストックス600指数の構成銘柄では 最も下げがきつい。レゼコーは買収資金として株主割当増資により約 5億ユーロの調達を検討していると報じた。関係者4人を匿名で引用 して伝えたもので、同紙によるとユーラゼオはコメントを避けたとい う。

ギリシャ国立銀行は5.2%高。指標のアテネ総合指数は3.5% 上昇し、年初からの下落率は6.2%に縮まった。

UBSは3.1%高。同社は1-3月の税引き前利益が少なくと も25億スイス・フラン(約2200億円)になったと発表。債券ト レーディング部門の回復が寄与した。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではギリシャ国債相場が大幅上昇。財政難に陥ってい るギリシャに対しユーロ圏諸国が最大で計450億ユーロ(約5兆 7000億円)の融資を市場水準以下の金利で提供するとの支援策を示 したことを受け、ギリシャが財政赤字を削減できるとの投資家の信頼 感が高まった。

この日のギリシャ2年債相場は、ブルームバーグがデータ集計を 始めた1998年以降で最大の下げとなった。ユーロ圏諸国の財務相 は11日、最大300億ユーロ、期間3年の融資を約5%で提供する ことで合意したと発表。これとは別に国際通貨基金(IMF)が 150億ユーロを融資する。ギリシャ国債の保証コストを示すクレジ ット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドはこの日、過去最 大の下げを記録した。

コメルツ銀行の債券戦略部門の共同責任者、クリストフ・リーガ ー氏(フランクフルト在勤)は、「ギリシャをめぐる安堵(あんど) 感をきっかけとする相場上昇は、以前よりも長続きする公算が大きい。 実施リスクがほとんどない上、融資条件が市場予想よりも一段と緩和 されているためだ」と述べ、「支援策の規模と期間の双方がギリシャ にとって有益だ」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時半現在、ギリシャ2年債利回りは前週末比 91ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の6.25%。 一時は5.42%まで下げる場面もあった。同国債(表面利率4.3%、 2012年3月償還)価格は1.57ポイント上げ96.50。ギリシャ 10年債利回りは44bp低下の6.77%。

一方、ドイツ国債相場は続落。ギリシャ支援合意で安全投資先と みなされるドイツ国債に対する需要が後退した。独10年債利回りは

3.23%まで上げた後、前週末比2bp上昇の3.18%。独2年債利 回りは2bp上昇し1%となった。

CMAデータビジョンによると、ギリシャ国債のCDSスプレッ ドは一時、最大69bp低下し357bpとなった。

◎英国債市場

英国債市場では2年債相場が下落。株式相場の上昇に加え、欧州 諸国の首脳らが週末にギリシャ支援策で合意したことを背景に、安全 投資先としての国債に対する需要が後退した。

MSCI世界指数は2営業日連続で上昇。コンサルティング会社 デロイトがまとめた調査によると、英企業の最高財務責任者(CFO) らのリスク意欲は過去2年余りでの最高に達した。英政府は13日に 2039年償還の国債を22億5000万ポンド入札する。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ スタメンコビッチ氏は、「株式相場が一段高となり、リスク市場が全 般的に上昇する中、ギリシャ向け支援策が質への逃避の手じまいを促 した」と説明し、「これも英国債への重しとなった」と語った。

ロンドン時間午後4時現在、2年債利回りは前週末比1ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.18%。同国債(表 面利率5%)価格は0.02ポイント下げ107.16。10年債利回りは

4.04%と、前週末からほぼ変わらず。一時は先月16日以来の高水 準となる4.08%まで上げる場面もあった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae, Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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