世界の小麦市場:過去8年で最大の供給過剰に-相場はさらに下落か

世界の小麦供給は今年、かなりの 高水準に達すると予想されるため、米国では作付けされていない農地が そのままの状態になる見込みだが、依然として供給は過剰となりそう だ。1-3月(第1四半期)の小麦先物相場は過去15年で最大の下落率 を示した。さらなる下落の兆しと言えそうだ。

米国の作付面積は39年ぶりの低水準に減少し、米農務省は世界の 生産高見通しを昨年6月以降、毎月引き上げている。オーストラリアと ロシアの向こう2年間の収穫高は計34%増加すると予想され、小麦の 供給過剰は2002年以来の高水準に達する見通しだ。ブルームバーグが アナリストを対象に実施した調査では、小麦相場は今年7月までに

8.6%下落するとみられている。

小麦相場が2倍に上昇しハイチやインドネシアなどで食料をめぐる 暴動が発生してから2年が経過。米国やカナダ、ロシアは輸出市場で競 合している。1-3月に小麦相場が14%下落したことにより、英プレ ミア・フーズなどの食品メーカーのコストが低下する一方、米アーチャ ー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)など穀物加工会社の業績の伸 びが鈍化する可能性がある。

コモディティー・インフォメーション・システムズ(オクラホマ 州)のビル・ゲーリー社長は「供給過剰は膨大な量に達するとみられ、 少しでも相場上昇を望むならこれを解消する必要がある」と指摘。「可 能性は低いだろうが、再び財政危機に陥れば小麦価格は1ブッシェル当 たり3.50ドルに下落するかもしれない」との見方を示す。1961年から 取引に携わっている同氏は、小麦相場が8月までに17%下げ、4ドル になると予想している。

シカゴの小麦先物相場7月限の今月9日終値は4.7925ドル。ブル ームバーグ・ニュースが先週、アナリスト15人を対象に実施した調査 の平均値では、相場は7月末までに4.38ドルに下落するとみられてい る。

市場シェアをめぐる競争

米政府のデータによると、最大の輸出国である米国の世界小麦市場 におけるシェアは今年、19%と、少なくとも50年ぶりの低水準に縮小 する見通し。08年は29%だった。ロシアのシェアは14%と、04年の 3%から拡大する見込みだ。豪州のシェアは12%と、干ばつの被害を 受けた2年前のほぼ2倍に増えている。

小麦相場は08年2月に過去最高値の13.495ドルに達したが、そ れ以降、8四半期中7四半期で下落。今年1-3月の下落率は四半期ベ ースとしては1995年以降で最大だった。

米農家はトウモロコシと大豆の作付け拡大を計画している。トウモ ロコシ先物相場の年初来下落率は14%と小麦の11%を上回るものの、 米農務省のコスト推計とシカゴ商品取引所(CBOT)の価格に基づけ ば、トウモロコシ生産の1エーカー当たりの利益は小麦を168ドル (約1万5700円)上回る見込みだ。

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