ドバイのマンション開発プロジェクト、延期・中止は3300億ドル相当

アラブ首長国連邦(UAE)ドバ イ首長国でマンションを購入したシルビア・トゥリンさんは、購入価 格52万ドル(約4800万円)のうち3分の2の支払いを済ませたが、 予定から2年遅れの2012年までマンションが完成しないことを知ら された。トゥリンさんがローンの返済を中断すると、物件を販売した エマール不動産は支払い延滞金を請求してきた。

トゥリンさんは、45階建ての「29ブルバード」と呼ばれるまだ存 在しない高層マンション2棟の物件を購入者した約400人のうちの1 人。「選択肢がなくなりつつあり、わたしたちは絶望している。何の権 利もないように思える」と失望感をあらわにした。29ブルバードの購 入者は、当初の完成予定日直前の2月、工事が2年遅れていることを 通知された。

ドバイの不動産開発業者は、物件のうち幾つかは工事さえ始まっ ていないにもかからず、トゥリンさんのような購入者に返済の継続を 求めている。現地の調査会社プロリーズの推計によれば、同国の建設 業者が延期もしくは中止したプロジェクトは3310億ドル相当に上る。

購入者から苦情を受けているのは、UAE不動産開発最大のエマ ール不動産だけではない。ドバイ国際金融センター(DIFC)の法 務局には、ユニオン・プロパティーズが物件を期日に引き渡さず、契 約に違反したと主張する苦情が約30件寄せられた。ドバイ沖合の人工 島群、パームツリー・アイランドの開発を手掛けたナキールは、どのプ ロジェクトを中止するか検討していることを明らかにした。

ノムラ・ホールディングスのドバイ在勤アナリスト、チェット・ リレー氏は「不動産開発業者と顧客との間に相互不信が高まっている」 と指摘。「工事の進展が見られないため顧客は返済を望まず、一方で開 発業者は顧客が支払わないため工事を継続できない」と説明した。

リレー氏によれば、こうした購入者と建設業者のもめごとのせい で信頼が失われ、不動産市場回復に必要な新規投資家を遠ざける結果 となっている。

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