ユーロ圏:ギリシャ支援で合意-IMF含め最大約5.7兆円

欧州連合(EU)のユーロ圏諸国 は、財政難に陥っているギリシャに対し、市場金利を下回る条件で最 大450億ユーロ(約5兆7100億円)の融資を供与する支援策で合意し た。同国の財政危機を食い止め、ユーロの信認回復に向けた措置。

ギリシャの借り入れコストが11年ぶり高水準に達したことを受 け、ユーロ圏は対応を迫られていた。ユーロ圏財務相は、11日の緊急 電話会議で、最大300億ユーロ、期間3年の融資を今年提供すること で合意。金利は約5%と、既存の3年物ギリシャ国債利回りの6.98% を下回る。これとは別に国際通貨基金(IMF)が150億ユーロを融 資する。

ブルーゴールド・キャピタル・マネジメント(ロンドン)のマネ ジングディレクターで元IMFエコノミストのスティーブン・ジェン 氏は、「支援策は巨額であり、バズーカ砲以上の威力だ」と指摘。「ギ リシャ問題で核兵器を用意したようなものだ。短期的には市場はギリ シャ資産のポジションがショート(売り持ち)となっているので、上 昇が見込まれる」との見方を示した。

1999年の導入以来、ユーロが最も厳しい試練に直面するなか、ユ ーロ圏16カ国は、ギリシャ危機が他国に広がるのを阻止し、ユーロ存 続をめぐる懸念を沈静化させるため、財政危機に陥った導入国の救済 を禁じた規則に触れずに同国を支援する方策を練っていた。ドイツは、 ギリシャ向け支援に市場金利を適用すべきだとの主張を取り下げた。

ギリシャは支援を要請せず

ギリシャ財務省当局者は11日、同国がこの支援を活用する必要が あるかどうかは債券投資家の反応にかかっているとの認識を示した。 パパコンスタンティヌ財務相は、ドル建て債を含む債券発行計画をこ の支援策を利用せずに進める考えを示した。

パパンドレウ首相は、キプロスのラルナカで記者団に対し、支援 策は「われわれの共通通貨と共通運命を誰ももてあそぶことはできな いとの明確なシグナルを送るものだ」と述べた。

トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁も参加した11日の電話会議 では、ギリシャが2011年と12年にどの程度の支援を必要とするかに ついて結論を保留した。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセ ンブルク首相兼国庫相)は電話会議後にブリュッセルで記者団に対し、 今回の支援合意は「資金の裏付けがあることを示している」と述べた 上で、「この支援の仕組みを始動させるイニシアチブはギリシャ政府次 第だ」と指摘した。

IMF融資

欧州委員会のレーン委員(経済・通貨担当)は、「IMFを代弁す ることはできないが、IMFにはかなりの額を拠出して協力する用意 があるとわれわれは理解している」と語った。ギリシャとEU、IM Fの当局者は詳細を詰める作業を開始するため、12日に会合する予定。

IMFのストロスカーン専務理事は電子メールを通じた声明で、 IMFにはギリシャ支援に向けた「努力に参加する用意がある」と表 明した。IMFの負担分については、さらなる詳細を提供しなかった。

ユーロ圏諸国は2月と3月にギリシャ支援の用意があることを表 明したが、市場の動揺は収まらず、ブルームバーグ・データによると、 ギリシャの10年物国債利回りは8日に1998年12月以来となる7.51% まで上昇していた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE