新興市場国通貨の予想変動率が低下-騰落率上位10のうち8つ占める

通貨オプション市場では、新興市 場国の経済が先進国に比べてこの2年ほどで最も安全になったことが 示されている。

JPモルガン・チェースの指数によれば、主要7新興市場国の通 貨の3カ月物オプションのインプライド・ボラティリティ(IV、予 想変動率)は3月に10%へと低下した。先進国は11.4%で、両者の差 は2008年7月以来最大となった。また、今年これまでのデータで は、 騰落率上位10位のうち8つまでを新興市場国通貨が占めている。

過去最大に膨らんだ米財政赤字や欧州によるギリシャ支援問題、 また英総選挙でいずれの政党も絶対多数を占めることがないとの見通 しを背景に、米ドルとユーロ、ポンド投資に伴う損失リスクが高まっ ている。国際通貨基金(IMF)によれば、新興市場国の今年の財政 赤字は先進国の3分の1に減少、成長率は米国の2倍となる見込みだ。

アシュモア・インベストメント・マネジメントの調査責任者とし て、新興市場国資産の運用に携わるジェローム・ブース氏は、「世界的 にリスクへの認識が変わりつつある」と指摘し、今後の新興市場の相 場上昇を予想した。

同氏は、中国やブラジルといった新興市場国が世界経済をけん引 していることが、新興市場のボラティリティ低下につながっていると の見方を示した。一方、英米の財政赤字増大でポンドやドルは下落す るだろうと述べた。

BNPパリバの為替ストラテジスト、セバスチャン・ゲーリー氏 は、「ボラティリティ低下は買いのサインだ」としている。

新興市場ボラティリティ指数

JPモルガンの新興市場ボラティリティ指数は07年7月に、過去 最低の5.8%を付けた。しかし同年後半に信用市場が凍結すると指数 は上昇し始め、米証券リーマン・ブラザーズ・ホールディングス破た ん1カ月後の08年10月に過去最高の35.8%に達した。ユーロや ポ ンド、円を含むJPモルガンのG7ボラティリティ指数は26.6%だっ た。

新興市場ボラティリティ指数は再び低下している。メキシコ・ペ ソとマレーシア・リンギットが今年、対米ドルで7.4%上昇と、世界 の通貨の中でコスタリカのコロンに次ぐ高い騰落率を示していること が寄与している。

メキシコ政府は歳出削減と増税により、今年の財政赤字の対国内 総生産(GDP)比率を2.8%に維持するとの見通しを示した。ブル ームバーグのデータによれば、メキシコ・ペソのインプライド・ボラ テ ィリティは、今月1日時点でユーロを1.39ポイント下回り、その差は 08年10月以来の大きさに開いた。

マレーシアの輸出は2月が前年同月比18.4%増。1月は37%増と、 1998年以来の大幅な伸びを記録した。

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