【今週の債券】長期金利は1.3%後半か、米金利高警戒も好需給が支え

今週の債券市場で長期金利は1.3% 台後半での推移が見込まれている。景気回復期待を背景に米国市場の 金利先高観測がくすぶるものの、米10年債利回りの4%は節目との見 方が多く、国内市場では新年度入りの投資家の買いが金利高を抑制し そうだ。

みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストは、米国の金 利上昇リスクによる売り圧力と、期初の投資家の買いが綱引きする構 造は変わらないとしながらも、「米10年債利回りの4%が節目と意識 されれば期初の買いがやや優勢になる」と指摘した。

長期金利の指標とされる新発10年国債利回りについて、ブルーム バーグ・ニュースが9日に市場参加者4人に聞いた今週の予想レンジ は全体で1.34%から1.42%となった。

前週の取引で10年債利回りはもみ合う展開だった。米金利上昇を 受けて売りが優勢になると7日には昨年11月半ば以来の高水準とな る1.405%をつけた。しかし、その後に米10年債利回りが下げに転じ ると1.3%台後半に戻し、結局は1.385%で終了した。

米国債市場では景気回復期待の高まりや国債入札への不安が売り 材料視され、米10年債利回りは5日に約1年半ぶりの高水準をつけた。 14日に発表される3月の米小売売上高などが強い内容になると再び 金利に上昇圧力がかかる可能性がある。

米長期金利4%は節目との見方

もっとも、米連邦公開市場委員会(FOMC)では早期利上げに よるリスクが議論されており、金利上昇の持続性には懐疑的な見方が ある。岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、米連邦準 備制度理事会(FRB)による金融緩和継続の時間軸が意識される中、 米10年債利回りが4%から大きく上振れないとなれば、日本でも長期 金利1.4%前後では買い需要が断続的に出てくると予想する。

みずほインベスターズ証券の落合昂二チーフマーケットエコノミ ストも、一時的な上振れはあっても米10年債の利回り4%の水準は節 目として意識されると読む。

今週は13日に30年債、15日には5年債の価格競争入札が実施さ れる。市場ではいずれも金利上昇時の需要が見込まれており、入札自 体は無難に通過するとの見方が出ている。

30年物の32回債利回りは9日には一時2.20%をつけ、3月末の

2.305%から10ベーシスポイント(bp)近く低下した。市場では、利 回り曲線のスティープ(傾斜)化を狙った超長期債の売り持ち高を解 消する買い戻しが入ったとの指摘があり、同2.2%台前半では生命保 険会社などの買い意欲が鈍る見通しだ。ただ、週初の段階で金利水準 が切り上がれば投資家の実需買いが支えになるとみられる。

一方、5年債の入札では利回り水準が0.5%台半ばであれば、銀 行中心に投資家の需要は根強いとみられている。シティグループ証券 の佐野一彦チーフストラテジストは、政府と日銀がデフレ脱却に向け て連携を確認したことは、政治的圧力の強さを市場が再認識するのに 十分だと指摘。その上で、「日銀の低金利政策が長期化するとの見通し の下、銀行勢が長期債より中短期債の買いを先行させる」とみる。

市場参加者の予想レンジとコメント

4月9日夕までに集計した市場参加者の今週の相場の予想レンジ は以下の通り。

◎三井住友海上火災保険投資部の高野徳義グループ長

先物6月物137円90銭-138円90銭

新発10年債利回り=1.34%-1.41%

「10年は1.3%後半が中心。今年度を平均して考えた場合に1.4% は買って良い水準。月末に向けて追加緩和への憶測も残る。5年債の

0.5%半ばは押し目買いの需要がある。保険会社は保有債券を長期化す る需要が強く超長期債の買いも続きそう。ただ、投資家が本格的に動 き出すのは大型連休明けで、相場は大きく変動しないのではないか」

◎みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリスト

先物6月物137円90銭-138円80銭

新発10年債利回り=1.34%-1.41%

「債券相場は代わり映えしない展開だ。米国では今年中の利上げ は困難だとみており、米長期金利の4%超えはオーバーシュートの領 域ではないか。このため、日米ともに金利上昇時の買い需要は健在だ と予想する。5年債や30年債の入札も先週末のレベルではやや不安を 残すが、ある程度の調整が入れば需要がにじみ出る可能性が高い」

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物6月物138円00銭-138円70銭

新発10年債利回り=1.35%-1.41%

「長期金利はレンジ取引が続きそう。先週の米国債入札で金利上 昇時の押し目買いが確認できた安心感があり、国内市場でも好需給が 金利高を抑制するのではないか。6月にかけての金利上昇リスクが根 強いとはいえ、1.4%台ではなお買いが勝る展開だ。日銀の金融政策の 見通しにも変化はないため5年債入札も無難にこなしそう」

◎パインブリッジ・インベストメンツの松川忠債券運用第二部長

先物6月物137円80銭-138円80銭

新発10年債利回り=1.35%-1.42%

「30年債と5年債の入札があるため、上値の重い相場展開となり そうだ。足元で一段落していた金利上昇の流れが再び動き出す感じだ が、新年度に入ったことから下値では機関投資家の買いが待っている。 5年債は割高感があるものの、入札までは表面利率が0.5%での据え 置きを目指す動きで堅調だろう」

--取材協力:船曳三郎、池田祐美 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 赤間信行 Nobuyuki Akama +81-3-3201-8842 akam@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

Rocky Swift +81-3-3201-2078 or rswift5@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE