3月31日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では円が主要通貨に対して軒並み下 落。ユーロに対しては8週間ぶり安値を付けた。世界的な景気回復 が勢いを増しているとの兆しを背景に、安全逃避先としての円の需 要が減退した。

円は対ユーロで月間ベースでは過去1年で最大の下落となった。 日本銀行が4月1日に発表する企業短期経済観測調査(短観、3月 調査)では、大企業・製造業を中心に景況感の改善が示されるとみ られ、長期金利の高い国への投資が活発化する可能性があることが、 円の重しになった。スイス・フランはユーロに対して過去最高値を 更新。スイスの景気先行指数が3月に上昇し、2007年3月以来の高 水準になったことが背景。

BNPパリバの為替ストラテジスト、セバスチャン・ゲーリー 氏は、「今後数日間は、円に相当な下押し圧力がかかるだろう」と 指摘。「日本の機関投資家が比較的安全な国の高利回り資産を追い 求めるとの見方が市場で浮上している」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時17分現在、円はユーロに対して前日 比1.5%安の1ユーロ=126円27銭(前日は同124円44銭)。一時 は126円56銭と2月3日以来の安値を付ける場面もあった。円は対 ドルで0.8%安の1ドル=93円47銭(前日は同92円76銭)。一時 は93円63銭と1月8日以来の安値を付けた。ユーロは対ドルで

0.7%高の1ユーロ=1.3511ドル(前日は同1.3414ドル)。

スイス・フランはユーロに対して0.5%高の1ユーロ=1.4237フ ラン。一時は0.7%高の同1.4209フランと、ユーロ導入以来の最高 値を付けた。

月間の下落

円はユーロに対して、月間では4%下落と09年3月(5.7%下 落)以来の大幅安。対ドルでは月間で4.9%値下がりし、今年最大の 下落。

円の下落はニューヨークの取引時間中に加速した。この日は日 本の年度末で、日本企業が海外で稼いだ利益の本国送還を終了した との観測が高まったことから、円の先安を見込んだ新たな取引が活 発化した。ユーロに対する月間での値下がり率は、主要16通貨中で 円が最大だった。

三菱東京UFJ銀行の為替ストラテジスト、リー・ハードマン 氏は、「年度末にかけて、利益の本国送還で円上昇の可能性がある と心配されていた」と指摘。「こうした資金の流れが実現してしま ったとすれば、円の下支え効果はほとんどなかったようだ」と述べ た。

円の見通し

ハードマン氏は、日本銀行が景気刺激を継続するなか、円が対 ドルで今後6カ月間に2.7%下落し、1ドル=96円になると予想し た。米連邦公開市場委員会(FOMC)は16日、住宅ローン担保証 券の購入を今月末で終了するとあらためて表明している。

午前の取引では、米民間雇用者数が3月に予想外に減少したこ とが示されると、円はドルとユーロに対して下げ幅を縮小する場面 もあった。給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・ プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した 給与名簿に基づく集計調査によると、3月の米民間部門の雇用者数 は前月比で2万3000人減少した。ブルームバーグがまとめたエコノ ミストの予想中央値は4万人の増加だった。

ユーロ対ドル

この日はユーロがドルに対して上昇。これにより、ユーロの対 ドルでの第1四半期(1-3月)の下落率は5.7%となった。ユーロ にとってこの下落率は08年第3四半期(7-9月)以来の最悪。ギ リシャの財政危機により域内の景気回復が腰折れになるとの懸念が 背景となった。

◎米国株式市場

米株式相場は下落。民間雇用者数の予想外の減少や、シカゴ購 買部協会の景況指数が予想を下回ったことが嫌気された。四半期 ベースでは、4四半期連続での上昇となった。

シスコシステムズやマイクロソフト、デュポンを中心にダウ工 業株30種平均は値下がり。給与明細書作成代行会社のオートマティ ック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービ シズが発表した給与名簿に基づく集計調査によると、3月の米民間 部門の雇用者数は前月比で2万3000人減少した。ブルームバーグ がまとめたエコノミストの予想中央値は4万人の増加だった。フォー ド・モーターも安い。全米自動車労働組合(UAW)のフォード退 職者向け基金が株式購入権の付いたワラント売却で17億8000万 ドルを調達する計画が影響した。

一方で、石油大手シェブロンなどエネルギー株は上昇。原油相 場がバレル当たり83ドルを超えて上昇したことや、オバマ大統領が 米東海岸沖での原油・天然ガス掘削を許可する方針を表明したこと が手掛かりとなった。

S&P500種株価指数は前日比0.3%安の1169.43。四半期 ベースでは4.9%高と、第1四半期としては1998年以降で最大の 上げとなった。ダウ工業株30種平均は50.79ドル(0.5%)下げ て10856.63ドル。前日は1年半ぶり高値で終了していた。

USグローバル・インベスターズのシニアトレーダー、マイケ ル・ナスト氏は、「この四半期は好調だったことから、一部で利益 確定の動きが出ている」と分析。「また、特にきょうのADP統計 を受け、2日の雇用統計発表を控えて慎重になっている面もある。 テクノロジー関連企業の決算を前に投資家がポジション取りに動い ていることも影響した」と述べた。

ADP雇用統計

S&P500種指数は4営業日ぶりに下落。ADP雇用統計を受 けて、労働市場が予想されていたほど力強い回復を見せていないとの 懸念が高まった。またシカゴ購買部協会が3月の景況指数を発表した 後は、この日の安値に下げた。同指数(季節調整済み)は58.8と、 前月の62.6から低下し、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト予想の中央値(61)も下回った。

エコノミスト調査によれば、米労働省が4月2日に発表する3月 の雇用統計では、非農業部門雇用者数は18万人増と予想されている。

オークブルック・インベストメントのピーター・ジャンコウスキ ーズ共同最高投資責任者(CIO)は、「ADP雇用統計は投資家を 失望させた」と指摘。「個人消費を持続可能なものにするためには、 雇用が鍵となる。株式投資家は様子見モードに入るだろう」と述べた。

フォード株

フォードは5.4%安の12.57ドル。下落率はS&P500種で 2番目となった。同社は、UAWのフォード退職者向け基金が株式購 入権の付いたワラント売却で17億8000万ドルの調達を見込んで いると発表した。

ワラントすべてを今売却することが、株価がピークに達したこと を示唆しているとの観測が一部に広がった。フォード株の08年11 月19日以降の上昇率は898%。一方、同期間のS&P500種の上 昇率は45%となっている。

シェブロンは0.7%高で、エネルギー株への上昇寄与度トップ となった。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。米民間部門雇用統計で予想外の雇用減が示 されたことから、質への逃避買いが膨らんだ。

10年債利回りは前日のほぼ6月以来の高水準から低下した。給与 明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング (ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した3月の民間雇用 統計を受けて、市場参加者は労働市場の回復はゆっくりと進行する との見方を強めた。4月2日に発表される米労働省の雇用統計は 2007年3月以来の大幅な雇用増が示されると予想されている。

バークレイズの金利ストラテジスト、マイケル・ポンド氏は、 「民間雇用統計を背景に米国債が上昇した」と述べ、「投資家は米 労働省の雇用統計が強い内容になると予想しており、ADPの統計 をその先行指標としてとらえていた」と続けた。

BGキャンター・マーケッツ・データによると、ニューヨーク 時間午後4時7分現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下して3.83%。同年債(表面利率

3.625%、2020年2月償還)価格は7/32上げて98 10/32。10年債 利回りは今月25日、3.92%と昨年6月11日以来の高水準を記録した。

ADP雇用統計

ADPが発表した給与名簿に基づく集計調査によると、3月の米 民間部門の雇用者数は前月比で2万3000人減少した。ブルームバー グがまとめたエコノミストの予想中央値は4万人の増加だった。

キャンター・フィッツジェラルド(ニューヨーク)の金利責任者、 ブライアン・エドモンズ氏は「ADPの悪い結果に市場は意表を突 かれた」と述べ、「2日の雇用統計を控えた市場には衝撃的な弱い 数字だった」と続けた。

ジェフリーズ・グループのチーフ・テクニカル・ストラテジスト、 ジョン・スピネロ氏(ニューヨーク在勤)は31日付リポートで、10 年債利回り3.77-3.805%圏内での同国債の売りを助言した。スピネ ロ氏はブルームバーグのインタビューで、労働省発表の雇用統計が 予想以上に悪かった場合、米国債が上昇する可能性があると指摘し た。

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト81人を対象にまとめた 予想中央値は、3月は18万4000人の雇用増加が見込まれている。 2月は3万6000人の減少だった。失業率は9.7%と前月比変わらず が予想されている。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、年初 から前日までの米国債の投資リターンは0.9%。今月は1.1%のマイ ナスだった。

ロックハート総裁

アトランタ連銀のロックハート総裁は、過去最低水準にある政策 金利の引き上げを支持する前に、米労働市場の改善が続くことを示 す兆候を確認したい考えを明らかにした。

ロックハート総裁は31日、コネティカット州ハートフォードで 講演。講演原稿によれば同総裁は、「雇用の増加が繰り返し見られ、 積み重なり、一定の水準に達した後にそれが持続する可能性が高い ことを示す兆候を私は求めるだろう」と言及。「米連邦準備制度理 事会(FRB)が緩和的な政策を早急に反転させると考えるのは時 期尚早だ」と述べた。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は上昇。ドルやその他の通貨に代わる投 資需要に支えられ、四半期ベースでは6四半期連続プラスとなった。

主要6通貨のバスケットに対するドル指数は一時0.7%下落。米 民間雇用者数が3月に予想外に減少したことがきっかけだった。金 の6四半期連続プラスは1979年以降で最長。3月にはギリシャ懸念 を背景に、ユーロ建て金相場が過去最高値に達した。エネルギーや ほかの金属価格も上昇した。

ラサール・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のトレーダー、 ダン・ファレッタ氏は「ドルはかなり軟調だ」と指摘。「景気回復 の兆候を探しているが、雇用の数字は一向に良くならない。ドルは 反落した後、下げ続けるだろう。金や商品全般が強気な展開になる だろう」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物相場6月限は前日比8.80ドル(0.8%)高の1オンス=1114.50ド ルで取引を終了。四半期ベースでは1.7%上昇。2008年9月30日か らは27%値上がりしている。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は上昇。ドルの対ユーロ相場が下落したこ とで商品への投資需要が高まり、1年5カ月ぶりの高値を付けた。

ドルの対ユーロ相場が過去4営業日のうち3日間で値下がりした ことを背景に、原油はバレル当たり83ドルを上抜いた。ただ、米エ ネルギー省エネルギー情報局(EIA)が週間在庫統計を発表すると、 伸び悩んだ。26日終了週は原油在庫が293万バレル増と、増加幅が 予想を上回ったほか、ガソリン在庫も予想外に増加した。

ワイス・リサーチ(フロリダ州ジュピター)の天然資源アナリス ト、ショーン・ブロドリック氏は「この日の市場では米ドルの動きが 焦点となった」と指摘。「需給要因に注目が集まっていたなら、原油 とガソリン在庫の増加で相場はもっと下げていたはずだ」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物5月限は前日 比1.39ドル(1.69%)高の1バレル=83.76ドルと、終値ベースで は2008年10月9日以来の高値となった。四半期ベースでは5.5%上 昇。過去1年では69%の値上がりとなっている。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は下落。米民間雇用者数が3月に予想外に減少した ことや、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが複数 のギリシャの銀行の格付けを引き下げたことを嫌気した。

ギリシャの銀行EFGユーロバンクとギリシャ国立銀行はともに 下落。ムーディーズは両社を含む5行の預金と債務格付けを引き下げ た。英最大の鉄道運営会社ファーストグループも値下がりし、ストッ クス欧州600指数構成銘柄では下落率2位となった。同社は「業績 の伸びが緩やかになる」との見通しを示した。

ストックス欧州600指数は前日比0.1%安の263.57で引け た。同指数は月間では7.2%高、四半期ベースでは3.8%上昇した。 ギリシャの財政赤字削減を助けるため、欧州連合(EU)が同国への 緊急金融支援で合意したことが背景にある。

この日は米ADP民間雇用者の統計が発表されると、下げに転じ た。労働市場の回復は大半のエコノミスト予想ほど力強くないとの懸 念が強まった。

フォルティス・グローバル・マーケッツのシニア仕組み証券スト ラテジスト、フィリップ・ガイゼル氏は「下半期はあまり成長が見込 めず、『二番底』のシナリオもなおリスクとして残っている」と述べ た。

ギリシャの銀行が安い

EFGユーロバンクは2.9%安、ギリシャ国立銀行は2.6%値 下がり。ファーストグループは4.2%下げた。

一方、時価総額でアイルランド最大の銀行、アイルランド銀行は 24%急伸。昨年11月以来の大幅高となった。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ国債相場が上昇。四半期ベースでもプラス となった。多額の財政赤字を抱える欧州諸国の資金調達不安が続いて おり、安全資産としてのドイツ国債に対する需要が高まった。

この日のドイツ10年債利回りは年初来の最低まで3ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)まで迫ったが、その後はフランスの 国債入札を明日に控えて水準を戻した。

ギリシャ国債は軟調。米格付け会社ムーディーズ・インベスタ ーズ・サービスがギリシャの銀行5行の信用格付けを引き下げたこ とが売りにつながった。ギリシャが30日実施した国債入札は不調だ った。ギリシャ公債管理局の責任者、ペトロス・クリストドゥル氏は、 ドル建て債券を5月初めまでに発行する計画を明らかにした。

クレディ・アグリコルCIB(ロンドン)の債券ストラテジス ト、ピーター・チャットウェル氏は、「ギリシャの資金調達能力を めぐる懸念が高まる中、安全投資への需要でドイツ国債に買いが入 った」と述べた上で、ギリシャが「ドル建て債券が成功すれば全体 的な調達リスク低減につながるだろう」と語った。

ロンドン時間午後4時29分現在、独10年債利回りは前日比1 bp低下の3.10%。一時は3.08%まで低下した。同国債(表面利率

3.25%、2020年1月償還)価格は0.11ポイント上げ101.27。2年 債利回りも1bp低下し0.96%となった。0.94%まで低下する場面 もあった。

独10年債に対するギリシャ10年債のプレミアム(上乗せ金 利)は前日比9bp拡大の342bp。一時は2月25日以降で最大と なる346bpまで拡大した。ギリシャの10年債利回りは前日比6b p上昇の6.57%。ギリシャ2年債は24bp上昇の5.29%。

◎英国債市場

英国債相場は上昇。英消費者信頼感が予想に反して悪化したこと で、英国の景気回復が世界に後れを取るとの見方が強まり、過去最低 水準にある政策金利が維持されるとの見方が広がった。

2年債利回りは約4週間ぶり低水準まで1ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)に接近。英調査会社GfK・NOPの30 日発表によると、3月の英消費者信頼感指数はマイナス15と、4カ 月ぶり高水準となった前月のマイナス14から悪化。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト17人の予想中央値はマイナス 13だった。金利先物動向によると、市場では利上げ観測が後退した。 この日の金利先物12月限は2bp低下し1.11%となった。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニッ ク・スタメンコビッチ氏は、「景気回復は引き続き低迷しているこ とから、イングランド銀行(英中央銀行)による利上げは早くても 今年第4四半期より後になると考えている」との見方を示し、「こ れが短期債を支えるだろう」と語った。

ロンドン時間午後4時35分現在、2年債利回りは前日比2bp 低下の1.17%。一時は1.14%まで下げ、5日以来の低水準まで1b p未満となった。同国債(表面利率5%、2012年3月償還)価格は

0.04ポイント上げ107.31。10年債利回りは3.95%と、前日から3 bp低下した。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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