鳩山首相:ゆうちょ銀、国債の単なる引き受け機関にしない

鳩山由紀夫首相は31日午前、ゆう ちょ銀行の資金運用について、「国債の単なる引き受け機関にはしな い」と述べ、多様化に努める姿勢を示した。公邸前で記者団の質問に 答えた。

政府は30日夜の閣僚懇談会で、亀井静香金融・郵政担当相(国民 新党代表)が示した郵便貯金の預入限度額を1000万円から2000万円 に引き上げることを柱とする改革案を軸に法案化を進めることを決め た。

日本郵政は日本国債の最大の保有機関。2009年末時点の運用状況 はゆうちょ銀の158兆5134億円、かんぽ生命の67兆5653億円を合わ せて226兆787億円に上る。今後は地域の中小金融機関からゆうちょ 銀に資金がシフトする「民業圧迫」への懸念をどう払しょくするかや、 国債購入に偏っているとの指摘がある運用の在り方をどう見直すかが 課題になる。

JPモルガン証券チーフエコノミストの菅野雅明調査部長は「マ クロベースで考えれば、民間から官への資金の再逆流が起こるリスク があり、移行期間中に経営体力や資金量が低い金融機関での流動性リ スクが生じる可能性がある」と指摘。「選挙対策のための党益が国益に 勝ってしまったようだ」と述べた。

菅野氏は「ゆうちょ銀行などが厳格なリスク管理に基づかない債 券運用を進めることにより、市場での価格形成をゆがめ、市場が有す るメッセージ発信機能を弱めることになる」と言及。「政府の財政規律 が損なわれる可能性もあり、中長期的には金利を急上昇させるリスク を高めることになる」と分析した。

首相は記者団に、運用の多様化について「これから知恵を絞る必 要があると思うが、地域の金融機関との間のウィンウィンの関係をど うやって作り上げていくかということだと思っている。決してそれは できないことではない。これからの工夫だと思っている」と語った。

一方、亀井氏は30日午前の閣議後会見で、資金運用の在り方につ いて「貸し出し能力がないのにやればやけどしてしまうが、いつまで も郵便貯金はお金を集めるだけで、あとは財務省に任せて運用みたい なことをやるべきではない」と指摘。その上で、「日本経済に有用な使 い方、たとえばコマーシャルペーパー(CP)を買うとか、中小零細 企業融資のノウハウを持っている信用金庫、信用組合、第二地銀など とタイアップしてやっていく方法もある」と述べた。

--取材協力:関泰彦、河元伸吾 Editor:Keiichi Yamamura, Kenshiro Okimoto

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