東京外為:円が下落、対ドルで約3カ月ぶり安値-米景気に安心感

東京外国為替市場では、円が下 落。米国の経済指標が好調なことから、投資家のリスク回避姿勢が一 段と弱まるとの見方を背景に、低金利の円に売り圧力が掛かりやすい 展開が続いた。

みずほコーポレート銀行国際為替部の原田雄一朗参事役は、「外 国人の間では円に弱気に転じる投資家が増えている」と指摘。さらに、 政府が昨晩決めたゆうちょ銀行の預入限度額を倍増させる計画をめぐ り、分散運用が強化されれば外債投資が活発化するとの観測が出やす く、円安材料の一環となっているようだと説明している。

ドル・円相場は午後の取引で一時1ドル=93円60銭と、1月 8日以来の円安値を更新。円は主要16通貨に対してほぼ全面安とな り、対カナダ・ドルでは一時1加ドル=91円82銭と、2008年10 月以来の高値を付けた。

政府は30日夜の閣僚懇談会で、亀井静香金融・郵政担当相(国 民新党代表)が示した郵便貯金の預入限度額を1000万円から2000 万円に引き上げることを柱とする改革案を軸に法案化を進めることを 決めた。

米景気に安心感

30日には、米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表し た3月の消費者信頼感指数が市場の予想を上回って上昇したほか、1 月の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー 住宅価格指数も予想に反して前月からプラスとなった。

外為どっとコム総研の植野大作主席研究員は、景況感が回復して きて、投資家のセンチメントが異常なモードから通常に戻ると、投資 資金は「金利の低いところから高いところに向かうのが自然な流れ」 だと指摘。リスク選好ムードの中では、クロス・円(ドル以外の通貨 と円の取引)は円安に振れやすいと説明している。

前日の米株式市場では、指標好調などを背景に買い優勢の展開と なり、主要3株価指数はプラスを維持して取引を終了。株価の予想変 動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティ リティ指数(VIX指数)は17.13と、5営業日ぶりの水準に低下 しており、投資家の間でリスク資産向け投資を回避する動きが緩和す る可能性が示されている。

この日の米国時間には、給与明細書作成代行会社のオートマティ ック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシ ズが、給与名簿に基づいて集計した3月の米民間部門の雇用者数を発 表する。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想では、前月比 で4万人の増加と、2008年1月以来の雇用増が見込まれている。

欧州経済の不安材料

一方、ギリシャ財務省が30日に、突然に12年債の入札を実施。 需要は募集額の半分以下にとどまり、先に発行した7年債の需要を圧 迫するなど、ギリシャの財政不安は根強い。

また、国際通貨基金(IMF)がドイツの経済成長率を下方修正 したほか、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P) は、アイスランドの自国通貨建て信用格付けを引き下げるなど、欧州 経済をめぐる不安材料が目立つ。

ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.3385ドルと、3営業日ぶ りのユーロ安値を付けている。

IMFはさらに、30日に発表した報告書で、欧州一の経済大国 であるドイツの銀行は「米国やスペインでの商業用不動産投資や、も っと一般的に言えば南欧での投資により大幅な損失を被る可能性があ る」と指摘している。

--取材協力:関泰彦 Editor: Joji Mochida, Masaru Aoki

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