債券は反落、3カ月ぶり円安で先物売り-日銀短観を控え売買低調

債券相場は反落(利回りは上 昇)。為替市場のドル高・円安や日中の株高を受けて債券先物に売り が膨らんだ。一方、決算期末日にあたって投資家の売買が抑制される 中、長期金利の1.4%台では潜在的な買い需要が意識された。

三井住友海上きらめき生命保険経理財務部の堀川真一部長は、 超長期ゾーンには年限長期化の動きがあったようだが、あすには日本 銀行の企業短期経済観測調査(短観)の発表を控えて売買は細ってお り、「期末日に特有の方向感のない展開だった」との見方を示した。

東京先物市場の中心限月6月物は前日比6銭高い138円30銭 で開始。いったんはこの日の高値となる138円37銭をつけたが、円 安などを手掛かりに売りが優勢となると、午後に入って一時は138 円12銭まで下落した。しかし、株価が取引終盤にかけて失速すると 下げ幅を縮め、結局は2銭安の138円22銭で終了した。

先物相場が午前の取引半ばから下げに転じたことについて、み ずほ証券の野地慎シニアマーケットアナリストは、債券先物売りの材 料を強いて挙げれば円安、株高くらいだと指摘。ドル・円相場は午後 に1ドル=93円60銭をつけて、1月8日以来の円安水準で取引さ れており、日経平均株価も約1年半ぶり高値圏で堅調に推移したこと が、債券先物を押し下げたとみられる。

もっとも、年金基金などからの年限長期化入れ替えの買いや、 5年債など中期ゾーンにおける新年度入り後を見据えた買いの憶測が 流れるなど、現物市場は薄商いながらも買いが優勢となったもよう。 日経平均が午後遅くに下げに転じたこともあって、債券先物は結局は 前日の終値付近に収束する展開だった。

あすの日銀短観見極めも

BNPパリバ証券の山脇貴史シニア債券ストラテジストは、短 観での企業景況感の改善はおおむね織り込まれたとしながらも、さす がに発表直前のタイミングでは取引が控えられたという。

日銀短観の大企業・製造業の業況判断指数(DI)について、 事前予想のマイナス14程度までの改善であれば市場は織り込み済み との見方も多い。三井住友海上きらめき生命の堀川氏は、投資家は新 年度入り後の運用を急ぐ必要はないとしながらも、「10年債利回り の1.4%はいったん買いを入れるポイントとみる向きが多く、短観発 表後の押し目では需要がにじみ出る」と話した。

三菱UFJ投信・債券運用部の倉林俊之次長は、足元で円安、 株高基調が続いているほか、ここ数年は春先に金利が上昇する傾向が あることに警戒感が強いとしながらも、日銀短観が予想範囲内に収ま るようだと債券相場は反発するのではないかとみていた。

10年債利回りは1.395%

現物市場で新発10年物の306回債利回りは、前日終値より

0.5ベーシスポイント(bp)高い1.395%で始まり、午前10時すぎ からは1.40%での推移となった。しかし、午後1時以降はやや買い が優勢となって1.39-1.395%で取引された。

日米両国の景気回復期待や株価のじり高推移が材料視され、前 日には新発10年債利回りが約4カ月半ぶりに1.4%台まで上昇した。 この水準でいったんは買いが入ったもようだが、この日は決算期末最 終日にあたって投資家の売買が出にくい展開が続いた。

09年度も長期金利は春先に上昇

この日は2009年度の期末日に当たる。新発10年国債利回りは 昨年4月1日には1.33%で始まった。その後は期初の売りが優勢と なって6月11日に年度の最高水準となる1.56%まで上昇したが、 夏場以降はおおむね1.25-1.45%のレンジを形成した。12月1日 に年度最低の1.19%を記録した後は1.3%を中心にもみ合いが続き、 年度末にかけてやや水準を切り上げる展開だった。

2004年以降の過去6年間では春先に金利が上昇する傾向にあり、 05年度を除くと4-6月期にいずれも当該年度のピークを記録して おり、結果的に今年度も同様の展開をたどった格好だ。

三井住友海上きらめき生命の堀川氏は、ここ数年の傾向からは あす以降も金利は上昇しやすいとみるが、景気回復の持続性には懐疑 的な見方が多いと指摘。その上で、少なくとも2010年度中に日銀の 金融緩和政策の転換が見通せない中で、「10年債利回りは今年度の ピーク1.56%程度が上限といったイメージが広がりやすい」とも話 した。

--取材協力 池田祐美 Editors: Joji Mochida Hidekiyo Sakihama

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 赤間信行 Nobuyuki Akama +81-3-3201-8842 akam@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

Rocky Swift +81-3-3201-2078 or rswift5@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE