TIBORに低下圧力、シティバンクとRBSが算出提示行に

円建て短期金利の指標の一つである ユーロ円TIBOR(東京銀行間貸出金利)の提示銀行に、日本法人の シティバンク銀行とロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)が4 月1日から新たに加わる。金利を低めに提示する傾向にある外資系銀行 が増えることで、TIBORには中央銀行の低金利政策を反映した低下 圧力が一段と強まるとみられている。

TIBORは日本の銀行業界団体である全国銀行協会が毎営業日公 表する短期の指標金利の一つ。提示金融機関17行に1週間から12カ月の 計13種類の短期金利を提示してもらい、金利が最も高い2行と最も低い 2行の分を除いた13行の金利を平均算出している。

セントラル短資の金武審祐執行役員は、「外銀の提示が多い円LI BOR(ロンドン銀行間貸出金利)の水準から考えて、TIBORは低 下しやすくなるだろう。指標の国際化という面で外銀が増えるのは良い ことではないか」と話す。

3月30日付の3カ月物ユーロ円TIBORの場合、UBSやドイツ 銀行、JPモルガン・チェース・バンクなど、すでに提示行となってい る外資系3行の金利は平均を下回っている。一方、邦銀では、三菱東京 UFJ銀行や農林中央金庫などを除く10金融機関が平均を超える金利を 提示している。

1月の全銀協の提示行見直しでは、シティバンクとRBSの替わり に、新生銀行や、住友信託銀行と来年統合する予定の中央三井信託銀行 が外れ、提示銀行の3割を外銀が占めることになった。

低下幅は最大2ベーシス

国内証券会社の関係者は、新たに加わる外銀2行が提示する金利に ついて、国内銀行より低いと予想されるが、大きくかい離した水準でな ければ、平均金利も1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)以内の低 下にとどまるとみている。

一方、国内銀行の関係者は、同じ円建てのTIBORとLIBOR の金利格差が20bpも開いているため、新たに加わる外銀がTIBORに 与える影響が大きくなる可能性があると指摘する。

英国銀行協会が公表した3月29日付のユーロ円LIBOR3カ月物 では、UBSが0.225%、ドイツ銀行が0.23%、JPモルガン・チェー ス・バンクが0.23%、シティバンクが0.23%、RBSが0.23%を提示し た。

既存のTIBOR提示銀行の金利が変わらなかった場合と仮定し、 新たな外銀2行がLIBORに20bp程度上乗せした格好で金利を提示 すれば、TIBORは0.5bp以内の低下にとどまる。だが、LIBOR と同じ水準を提示すると低下幅は2bp程度となる公算がある。

TIBORの性質

日本銀行は今月、3カ月物の資金を0.1%で供給する新型オペを10 兆円から20兆円に拡大する追加緩和に踏み切り、やや長めの金利の一段 低下を促すと表明した。実際、「日銀は景気を下支えするため、銀行貸 し出しの基準にもなっているTIBORの低下を期待しているとみられ る」と、セントラル短資の金武氏は話す。

ただ、TIBORに関しては、日銀と民間銀行で思惑が違うとも金 武氏は指摘する。企業への融資の基準金利としても使われるTIBOR が低下すれば、「銀行の収益にはマイナスに働く。各銀行の経営戦略も 絡むため金融政策で下がるとも言えない面はある」と語る。

将来のユーロ円TIBOR3カ月物を予想するユーロ円金利先物取 引では、2010年6月物の先物金利が0.4%前後で推移している。昨年12 月の新型オペ導入で一時0.3%付近まで低下したが、TIBORの緩や かな低下ペースを見て水準を切り上げている。

東短リサーチの寺田寿明研究員は「LIBORが下げ止まり、TI BORもここからは下がりにくくなるのではないか。通常の金利先安観 だけでは思うように下がらないため、先物も取引するのが難しい」と言 い、TIBORの低下幅は限定的とみている。

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