NY外為:円下落、世界的な景気回復兆候で逃避需要が減退

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ニューヨーク外国為替市場では 円が主要通貨に対して軒並み下落。ユーロに対しては8週間ぶり安 値を付けた。世界的な景気回復が勢いを増しているとの兆しを背景 に、安全逃避先としての円の需要が減退した。

円は対ユーロで月間ベースでは過去1年で最大の下落となった。 日本銀行が4月1日に発表する企業短期経済観測調査(短観、3月 調査)では、大企業・製造業を中心に景況感の改善が示されるとみ られ、長期金利の高い国への投資が活発化する可能性があることが、 円の重しになった。スイス・フランはユーロに対して過去最高値を 更新。スイスの景気先行指数が3月に上昇し、2007年3月以来の高 水準になったことが背景。

BNPパリバの為替ストラテジスト、セバスチャン・ゲーリー 氏は、「今後数日間は、円に相当な下押し圧力がかかるだろう」と 指摘。「日本の機関投資家が比較的安全な国の高利回り資産を追い 求めるとの見方が市場で浮上している」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時17分現在、円はユーロに対して前日 比1.5%安の1ユーロ=126円27銭(前日は同124円44銭)。一時 は126円56銭と2月3日以来の安値を付ける場面もあった。円は対 ドルで0.8%安の1ドル=93円47銭(前日は同92円76銭)。一時 は93円63銭と1月8日以来の安値を付けた。ユーロは対ドルで

0.7%高の1ユーロ=1.3511ドル(前日は同1.3414ドル)。

スイス・フランはユーロに対して0.5%高の1ユーロ=1.4237フ ラン。一時は0.7%高の同1.4209フランと、ユーロ導入以来の最高 値を付けた。

月間の下落

円はユーロに対して、月間では4%下落と09年3月(5.7%下 落)以来の大幅安。対ドルでは月間で4.9%値下がりし、今年最大の 下落。

円の下落はニューヨークの取引時間中に加速した。この日は日 本の年度末で、日本企業が海外で稼いだ利益の本国送還を終了した との観測が高まったことから、円の先安を見込んだ新たな取引が活 発化した。ユーロに対する月間での値下がり率は、主要16通貨中で 円が最大だった。

三菱東京UFJ銀行の為替ストラテジスト、リー・ハードマン 氏は、「年度末にかけて、利益の本国送還で円上昇の可能性がある と心配されていた」と指摘。「こうした資金の流れが実現してしま ったとすれば、円の下支え効果はほとんどなかったようだ」と述べ た。

円の見通し

ハードマン氏は、日本銀行が景気刺激を継続するなか、円が対 ドルで今後6カ月間に2.7%下落し、1ドル=96円になると予想し た。米連邦公開市場委員会(FOMC)は16日、住宅ローン担保証 券の購入を今月末で終了するとあらためて表明している。

午前の取引では、米民間雇用者数が3月に予想外に減少したこ とが示されると、円はドルとユーロに対して下げ幅を縮小する場面 もあった。給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・ プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した 給与名簿に基づく集計調査によると、3月の米民間部門の雇用者数 は前月比で2万3000人減少した。ブルームバーグがまとめたエコノ ミストの予想中央値は4万人の増加だった。

ユーロ対ドル

この日はユーロがドルに対して上昇。これにより、ユーロの対 ドルでの第1四半期(1-3月)の下落率は5.7%となった。ユーロ にとってこの下落率は08年第3四半期(7-9月)以来の最悪。ギ リシャの財政危機により域内の景気回復が腰折れになるとの懸念が 背景となった。

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