今日の国内市況:日経平均1万1000円回復、債券反発-円は下落

東京株式相場は反発し、日経平均 株価は終値ベースで約1年半ぶりに1万1000円台を回復した。世界 景気の回復持続期待から、鉄鋼やガラス・土石製品、銀行といった景 気敏感業種を中心に買われた。原油など商品相場の上昇を受け、収益 期待の高まる商社や非鉄金属など資源関連株も高い。

日経平均株価の終値は前日比110円67銭(1%)高の1万1097 円14銭。TOPIXは同13.45ポイント(1.4%)高の979.58。 両指数とも午後にじり高展開で、この日の高値圏で終えた。

米国で29日に発表された2月の個人消費支出(PCE)は前月 比0.3%増加と、5カ月連続のプラス。欧州連合(EU)の欧州委員 会が同日発表した3月のユーロ圏景況感指数(速報値)は97.7と、 2008 年5月以来の高水準となった。米欧を中心とした世界的な景気 回復期待から、日本株市場ではJFEホールディングス、太平洋セメ ントなど素材株が買われ、三井住友フィナンシャルグループなど銀行 株も上昇。

世界景気の回復による需要伸長期待に加え、ドルの対ユーロ相場 が下落したことで商品に対する投資意欲が増し、29日のニューヨーク 商業取引所では原油先物が前営業日比2.7%高と、1営業日の上げと しては2月16日以降で最大を記録した。銅や金の先物も上昇してお り、商品価格高が収益押し上げ要因となる三菱商事、石油資源開発、 住友金属鉱山など資源株が買われた。

東証1部の売買高は概算で22億1089万株、売買代金は1兆 5289億円。値上がり銘柄数が1359、値下がり212。業種別33指数 では、パルプ・紙、その他金融、鉄鋼、卸売、ガラス・土石製品、繊 維製品、銀行など32業種が上昇、下落は医薬品のみ。

債券反発、長期金利1.4%乗せで買い

債券相場は反発(利回りは低下)。長期金利が一時は4カ月半ぶり に1.4%台に乗せたことで、一部の投資家から打診的に買いが入った もよう。一方、株式相場がほぼ1年半ぶり高値圏で推移したことや米 金利上昇には警戒感も残った。

東京先物市場の中心限月6月物は前日比10銭高の138円24銭 で始まり、直後にこの日の高値138円29銭をつけた。その後いった んは4銭安の138円10銭まで下げたが、午前の取引終盤以降は小幅 プラス圏での推移となり、結局は10銭高の138円24銭で終了した。

2月の鉱工業生産指数が市場予想より悪化したほかに、債券市場 で特段の買い材料は見当たらなかったが、国内金利がじりじりと切り 上がったことで投資家にとって買いやすい水準になったとみられてい る。

もっとも、今週は企業短期経済観測調査(日銀短観)や米雇用統 計の発表などを通じて、日米で景況感が改善する見通しが強いことか ら、相場の上値追いには慎重な雰囲気が広がった。

また、日経平均株価が約1年半ぶりの高値圏で推移したことも、 債券相場の上値を抑制したとみられる。

現物市場で新発10年物の306回債利回りは前日比変わらずの

1.395%で取引を開始。午前10時すぎに売りが膨らむと0.5ベーシ スポイント(bp)高の1.40%をつけ、新発10年債として昨年11月 12日以来の1.4%台を回復した。しかし、この水準では一部の投資家 から買いが入ったとみられ、午後には1.385-1.39%で取引された。

10年債利回り1.4%台でいったんは買いが入ったとはいえ、今週 は日米両国で注目指標の発表を控えているほか、決算期末・期初のタ イミングにもあたって引き続き様子見姿勢は強かった。

また、米債市場では来週に国債入札が続くため、需給懸念を背景 に米金利の先高観測がくすぶっていることも、国内債市場における取 引手控えにつながっていた。

円下落、高金利通貨選好強まる

東京外国為替市場では午後の取引で円が下落。国内輸出企業など の買い需要や中国人民元の切り上げ観測を背景に円高が進む場面も見 られたが、株価や商品相場が堅調に推移する中、オーストラリア・ド ルなど高金利通貨を中心に円を売る動きが根強かった。

円は対ユーロで朝方に一時、1ユーロ=124円18銭まで買われ たが、午後には125円46銭まで反落。豪ドルに対しては1豪ドル= 84円台半ばまで強含んだ後、1月14日以来の安値となる85円38 銭まで下落した。

ブルームバーグ・データによると、円は主要16通貨すべてに対 して前日の終値を下回っている。対ニュージーランド・ドルでは1N Zドル=66円3銭まで下落し、1月21日以来の安値を更新。対ポン ドでは約1カ月ぶりの円安水準を付けた。

ドル・円は1ドル=92円台半ばから92円前半まで円買いが進行。 その後、円はいったん伸び悩んだが、正午すぎには92円13銭まで上 昇。中国人民銀行(中央銀行)貨幣政策委員会の委員に任命された夏 斌氏がロイター通信とのインタビューで、中国はできるだけ速やかに 人民元の段階的上昇を再開すべき、と発言したことが円買い材料視さ れたという。

もっとも、円買いは続かず、午後3時前後からは追加利上げ期待 のある豪ドルや3月の住宅価格指数が予想を上回ったポンドなどに対 して円売りが活発化。ドル・円も92円72銭まで円安に振れる展開と なった。

一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.34ドル台後半でもみ合 う展開が続いていたが、午後にはユーロ買いが活発となり、一時、

1.3537ドルと1週間ぶりの水準までユーロ高が進んだ。

前日にはギリシャ政府が、欧州連合(EU)首脳が同国支援の枠 組みで合意して以来、初めてユーロ建ての7年物国債、50億ユーロ(約 6230億円)相当を発行。ギリシャは今回の起債により4月に必要な すべての資金調達を終えるとしており、市場では当面の資金繰りに対 する懸念が和らいでいる。

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