鳩山政権:郵政改革、異論噴出も「亀井案」軸に決定-閣僚懇

政府は30日夕、官邸で閣僚懇談会 を開き、亀井静香郵政担当相(国民新党代表)らが発表した郵貯の預入 限度額引き上げなどの郵政改革案を協議した。2005年の郵政選挙で徹底 的な縮小を訴えていた民主党や閣内からは異論も噴出していたが結局、 鳩山由紀夫首相は亀井案を軸に法案化を進める方針を決定した。

民主党は05年衆院選で「郵貯・簡保を徹底的に縮小」と主張、預 入限度額も1000万円から500万円に下げるべきとしていた。しかし09 年総選挙では連立へ向け国民新と政策合意し、郵政改革も亀井氏の主張 する過疎地域を含め、全国一律のユニバーサルサービスを提供できる体 制を再構築するとの方針に転換した。

亀井氏は民主党の原口一博総務相と共同で24日発表した改革案で ゆうちょ銀行の限度額を2000万円に引き上げるなどの方針を示した。 しかし、仙谷由人国家戦略相らがこれに異論を唱え、野田佳彦財務副大 臣も「民業圧迫の可能性がある」などと批判。こうした混乱を受け鳩山 首相は異例の閣僚懇の開催を決め閣内の意見調整に乗り出した。

平野博文官房長官は30日夜の閣僚懇後、記者団に「いろんな意見 を頂戴したが、総理に一任した」とし、原口総務相も「亀井案を軸に総 理がご決定された。今日まとまった」と明らかにした。ただ、上限額は 2000万円を軸とし、状況に応じて見直すことなどを確認したという。金 額は法律の文言でなく法令で定めることにする。

亀井氏、強硬姿勢変えず

一方、亀井氏は同日午前の閣議後、自らの案は「鳩山総理はOKし ている」とあらためて強調。閣僚懇の位置付けについても「所管外の閣 僚から意見を聞くのはありがたい。集めた資金の運用などについて幅広 く意見を聞きたい」とだけ答え、そこでの議論を受けて特に同案は修正 しない意向を示していた。

双日総合研究所の吉崎達彦副所長(主任エコノミスト)は郵貯の限 度額引き上げについて、「地方の信用金庫などの預金量が減ってしまう だろう。日本郵政さえよければいいということで民間を犠牲にするもの だ」と民業を圧迫すると懸念を表明。その上で、亀井氏の案は「まとも な経済政策とはいえない」と指摘した。

鳩山首相は30日夕の閣僚懇前、記者団に「2000万円という限度額 が1つのベースになることは間違いない」と述べた。一方、菅直人副総 理兼財務相は懇談後、亀井氏が表明していた日本郵政の各事業間の取引 に消費税を免除する案について、政府税制調査会で今後議論することを 明らかにした。

24日公表の郵政事業改革案は預入限度額の1000万円から2000万円 までの引き上げのほか、政府が日本郵政株式を3分の1超保有し、かん ぽ生命とゆうちょ銀株式は日本郵政が3分の1超持つよう求めている。 旧自民党政権はかんぽ、ゆうちょ銀株式は100%売却する方針だった。

--取材協力:下土井京子 伊藤辰雄 Editor:Kazu Hirano Takashi Ueno

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