米シカゴ連銀総裁:銀行監督権限の縮小、金融政策の機能損なう恐れ

米シカゴ連銀のエバンス総裁は、 連邦準備制度の銀行に対する監督権限を縮小すれば、金融当局が「困 難なシナリオ」の下で政策運営を強いられ、金融政策の機能が損なわ れる恐れがあると警告した。

エバンス総裁は30日の香港での講演で、「金融の活況をコントロ ールするために金融政策を用いることには懐疑的だが、各中央銀行に 監督・規制の手段がなければ、唯一自由に使える手段、すなわち金融 政策だけに頼って行動せざるを得なくなる」と述べた。2007年9月に 就任した総裁は今年、連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を持 たない。

米上院銀行委員会は22日、ドッド委員長(民主、コネティカット 州)が提出した金融規制改革法案を可決。オバマ政権が提唱する1930 年代以来で最大の金融規制改革が実現に向けて一歩前進した。法案は、 連邦準備制度理事会(FRB)を中心とする連邦準備制度の監督権限 を資産が500億ドル(約4兆6100億円)を上回る銀行持ち株会社に限 定し、中小銀行に対する権限を他の政府機関に移管するというものだ。

エバンス総裁は、監督・規制権限を持たないまま金融の安定に責 任を負う中銀当局者が出現すれば、物価安定と最大限の雇用の実現に とって「最適でないかもしれない」政策を受け入れる一方で、「金融市 場の活況に対して一段と積極的な行動を迫られる可能性がある」と指 摘。「目標が3つあるのに対処手段が1つしかない中銀とは、困難な政 策ジレンマを生み出すレシピそのものだ」と語った。

総裁はその上で、「われわれは制度設計と実施の効率化を図り、そ の効果を高めるため、規制のルールを変える必要がある。政策担当者 や監督当局者が金融危機を食い止める上で直面しそうな困難な課題を われわれは公に認めることが必要だ」と訴えた。

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