債券は反発、長期金利1.4%乗せでは買い-株高や米金利高に警戒も

債券相場は反発(利回りは低 下)。長期金利が一時は4カ月半ぶりに1.4%台に乗せたことで、一 部の投資家から打診的に買いが入ったもよう。一方、株式相場がほぼ 1年半ぶり高値圏で推移したことや米金利上昇には警戒感も残った。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャ ーは、この日の債券反発はやや意外だったとしながらも、「景気回復 期待をある程度は織り込んだ後だけに、5年債の0.5%超えや10年 債の1.4%乗せでいわゆるレベル感の買いが入った」とみていた。

東京先物市場の中心限月6月物は前日比10銭高の138円24銭 で始まり、直後にこの日の高値138円29銭をつけた。その後いった んは4銭安の138円10銭まで下げたが、午前の取引終盤以降は小幅 プラス圏での推移となり、結局は10銭高の138円24銭で終了した。

2月の鉱工業生産指数が市場予想より悪化したほかに、債券市 場で特段の買い材料は見当たらなかった。しかし、日中取引では事前 の見通し以上に堅調な推移となっており、モルガン・スタンレー証券 の伊藤篤債券ストラテジストは、国内金利がじりじりと切り上がった ことで投資家にとって買いやすい水準になったとみていた。

もっとも、今週は企業短期経済観測調査(日銀短観)や米雇用 統計の発表などを通じて、日米で景況感が改善する見通しが強いこと から、相場の上値追いには慎重な雰囲気が広がった。

また、日経平均株価が約1年半ぶりの高値圏で推移したことも、 債券相場の上値を抑制したとみられる。大和住銀投信投資顧問の伊藤 一弥国内債券運用第2グループリーダーは、景気回復期待を背景に一 部のファンド筋が株式先物買い・債券先物売りに動いたようだと指摘。 「市場の景気回復期待はかなり織り込んだとはいえ、短観発表後の株 価動向にはなお警戒感が残っている」との見方も示した。

10年債利回りは1.39%

現物市場で新発10年物の306回債利回りは前日比変わらずの

1.395%で取引を開始。午前10時すぎに売りが膨らむと0.5ベーシ スポイント(bp)高の1.40%をつけ、新発10年債として昨年11月 12日以来の1.4%台を回復した。しかし、この水準では一部の投資 家から買いが入ったとみられ、午後には1.385-1.39%で取引され た。

10年債利回り1.4%台でいったんは買いが入ったとはいえ、今 週は日米両国で注目指標の発表を控えているほか、決算期末・期初の タイミングにもあたって引き続き様子見姿勢は強かった。

また、米債市場では来週に国債入札が続くため、需給懸念を背 景に米金利の先高観測がくすぶっていることも、国内債市場における 取引手控えにつながっていた。大和住銀投信の伊藤氏は、米国では雇 用統計の改善見通しが広がる中、金融政策の出口戦略が折に触れ材料 視されやすいといい、「米10年債利回りが4%の大台に乗せてくる ようだと、国内市場の金利も連れ高しやすくなる」と警戒した。

投資家の本格始動は来週以降か

4月1日の日銀短観の公表後には、新年度入りにも当たってお り、取引が動意づくとの期待があるものの、実際に投資家が本格始動 するのは来週以降になるとの見方が多い。

大和住銀投信の伊藤氏は、10年債利回りが1.4%台にあれば期 初の買いに動きやすいとみるものの、短観のほかに週末の米雇用統計 の内容も見極めたいといい、「普通に考えると投資家が動き出すのは 早くて6日の10年国債入札を通過してからだ」とみる。

短観では企業経営者の景況感が改善する見通しであるほか、3 月の米雇用統計ついて市場では非農業部門雇用者数が30万人を超え る増加を予想する見方もあるなど、景気回復期待がさらに盛り上がる 可能性を秘めている。

トヨタアセットの深代氏は、景気見通しに明るさが増す中で、 期初から急いで債券残高を積み増す必要はなさそうだと指摘。その上 で、「ここ数年は春先に金利が上昇する傾向が続いているため、4- 6月期の間にゆっくり買っていくイメージでよい」と話す。

--取材協力:池田祐美 Editor: Joji Mochida, Masaru Aoki

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