日銀短観:大企業・製造業DIはマイナス14と大幅改善へ-4期連続

日本銀行の企業短期経済観測調査 (短観、3月調査)は、大企業・製造業を中心に幅広い景況感の改善 が示されるとみられる。アジア向け輸出の好調が続いているほか、昨 年12月の前回調査時点から株価が持ち直し、為替相場も円高圧力がや や弱まっていることも景況感の改善を後押ししそうだ。

日銀は4月1日、約1万社を対象とした四半期に1度の短観を発 表する。ブルームバーグが調査機関23社を対象にまとめた予想調査で は、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を 引いた業況判断指数(DI)は、大企業・製造業がマイナス14と前回 調査から11ポイント改善が見込まれている。改善は4四半期連続。

日銀は17日の金融政策決定会合で、新型オペによる資金供給を 10兆円から20兆円に増額する追加緩和を決定した。3月調査の短観 では、幅広い業種で景況感の改善が予想されているが、設備や雇用は なお過剰感の強い状態が続くとみられており、デフレ脱却は視野に入 っていない。政府は日銀に対して一段の努力を求めており、金融政策 には強い緩和圧力がかかり続ける公算が大きい。

事前調査では、大企業・非製造業のDIはマイナス18と3ポイン ト改善、3カ月先の見通しは大企業・製造業がマイナス8、大企業・ 非製造業がマイナス15と一段の改善が見込まれている。日銀は3月短 観で調査対象企業の定例見直しを実施。これに伴い昨年12月調査を再 集計しており、比較対象となるDIは小幅の修正が行われた。

景気は幾分上振れ気味

三菱UFJ証券の鹿野達史シニアエコノミストは「輸出が増加し、 エコポイント制度の導入、エコカー減税・補助金の実施などに伴い関連 消費が堅調に推移する中、設備投資も持ち直しており、生産活動は拡大 基調にある」と指摘。3月短観では「業況判断DIの全般的かつ大幅な 上昇が確認されるだろう」と予想する。

白川方明総裁は17日の会見で「このところ景気は幾分上振れ気味 で推移している」と述べた。23日公表された2月17、18日の金融政 策決定会合の議事要旨でも、複数の委員が09年度の成長率見通しにつ いて、アジア向けの輸出の強さなどを反映し、1月の中間評価と比べ て「若干上振れている」との認識を示した。景況感の幅広い改善は、 こうした日銀の見方を裏付ける内容となるとみられる。

ただ、JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは物価の 先行指標となる生産・営業用設備判断DIや雇用人員判断DIについ て、過剰幅は縮小すると予想するものの、「改善度は緩やかなものにと どまるだろう」とみる。政策効果のはく落や厳しい所得環境が続く中、 景気持ち直しのペースは当面緩やかになる可能性が高い。

デフレ脱却は日銀頼み

3月短観で初めて集計される10年度の事業計画も注目される。み ずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「生産設備の過 剰感が根強い状態であるだけに、設備投資計画の立ち上がりの数字は 弱いものにとどまるとみるのが自然だろう」と指摘する。10年度の設 備投資計画は、前年度比0.4%減と小幅の減少が見込まれている。

2月の会合で、複数の委員は「企業経営者の間で中長期的な成長 戦略が描きにくく焦燥感が強まっている結果、金融政策への期待が高 まっている」と述べた。菅直人副総理兼財務相は24日の衆院予算委員 会で、年内のデフレ脱却を「見通すところまでいっていない」として、 日銀の対応を「注意深く見守っていきたい」と述べた。財政規律への 関心が高まっているだけに、金融政策頼みが続く公算が大きい。

--Minh Bui,Sachiko Ishikawa Editor: Hitoshi Ozawa, Norihiko Kosaka

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