アイルランド:銀行の不良債権処理計画発表-計4兆円の調達必要か

アイルランド政府は、不動産市場 の低迷に伴い不良債権が膨らんだ同国の銀行に対し、新たな資本調達 を義務付けた。その合計額は少なくとも318億ユーロ(約4兆円)と なる可能性がある。

これに先立ち、同国のいわゆるバッドバンクである国家資産管理 機関(NAMA)は、金融機関からの第一回の融資債権買い取りに平 均47%の割引率を適用すると発表したほか、新たな資本基準を設定し た。政府の当初の見積もりでは割引率は30%とされていた。

同国のレニハン財務相は30日、ダブリンの議会で、「最も恐れて いた以上の事態となった」と言明。「この過程で銀行から出てきた詳細 な情報は実に衝撃的だった」と語った。

アイルランド政府は、NAMAが銀行の不動産向け不良債権を処 理し、融資を回復させることを目指している。NAMAは最終的に、 簿価ベースで800億ユーロ相当の債権を買い取る見通しだ。

同相によると、アライド・アイリッシュ銀行は74億ユーロ、ア イルランド銀行は26億6000万ユーロがそれぞれ必要になる。昨年 国有化されたアングロ・アイリッシュ銀行は最大183億ユーロ必要に なる可能性があるという。

コアTier1は8%

NAMAによれば、金融機関は財務力の主な目安である狭義の中 核的自己資本(コアTier1)比率を8%にする必要があり、「年末 までに確実に資本基準を満たすための計画を明示」しなければならな い。

NAMAは、各行の資本増強計画提出までの期間を30日と定め た。アライド・アイリッシュ銀行は発表資料で、米国とポーランドの 銀行の持ち分を売却し、これによって必要な資本の「かなりの部分」 は調達できると表明。株式売却も計画している。

レニハン財務相は議会で、アライド・アイリッシュ銀が独力で十 分な資本を調達できない場合、政府が介入し過半数株式を取得する「こ ともあり得る」と説明した。

ブロクサム・ストックブローカーズの調査責任者、ケビン・マッ コーネル氏は「アライド・アイリッシュ銀はしなければならないこと が多くあるが、少なくともそのための時間的猶予はある」と指摘する 一方で、「懸念されるのは、銀行には時間が与えられずに、政府が急に 動くことだ」と述べた。

レニハン財務相は、アイルランド銀行も必要資本の「かなりの」 部分を独力で調達できるだろうとした上で、同行には「力強い未来」 があると語った。

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