3月29日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では円とドルがほとんどの主要通貨に 対して下落。世界的に株価や商品相場が上昇したことから、高利回り で高リスクの通貨に買いが集まった。

ユーロは上昇。ギリシャは50億ユーロの国債を発行した。今回 の起債は欧州連合(EU)首脳が先週、同国支援の枠組みで合意して 以来初めてとなる。円はユーロに対して過去5週間では最長となる4 日続落。今週発表の3月の米雇用統計で雇用者数の純増が予想されて いることが背景。

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セレブ リアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「前向きなリスク志向と世界的な 株式相場の上昇が市場のテーマだ」と指摘。「この日はユーロが値上 がりしている一方、円とドルが全般に下げている」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時25分現在、円はユーロに対して前週 末比0.4%安の1ユーロ=124円60銭(前週末は同124円6銭)。 ユーロは対ドルで0.5%高の1ユーロ=1.3470ドル(前週末は同

1.3410ドル)。円は対ドルでほぼ変わらずの1ドル=92円51銭 (前週末は同92円52銭)。

S&P500種株価指数、MSCI世界指数はともに0.6%値上 がりした。

米商務省がこの日発表した2月の個人消費支出(PCE)は前月 比0.3%増加。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央 値と一致した。1月は0.4%増(速報値0.5%増)に下方修正され た。

メキシコ・ペソ

メキシコ・ペソはドルに対して一時0.7%高と、08年11月以 来の高値を付けた。米景気回復の兆しを背景に、メキシコの輸出が拡 大するとの観測が強まった。オーストラリア・ドルは米ドルに対して、 ほぼ6週間ぶりの大幅高。オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀 行)のスティーブンス総裁が、利上げが必要になる可能性があると指 摘したことがきっかけ。

EUが先週、国際通貨基金(IMF)による融資と2国間融資を 組み合わせる支援策を支持したことから、ユーロは上昇した。

ギリシャ公債管理局の見積もりによると、パパンドレウ首相率い るギリシャ政府は、今年計画する資金調達のうち、最大155億ユー ロは5月末までに完了する必要がある。

ギリシャ政府はユーロ建ての7年物国債(2017年4月償還)、 50億ユーロ(約6230億円)相当を発行した。同公債管理局が電子 メールで発表した。発行時の利回りはスワップレートを約310ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上回る水準に設定されたと いう。

ユーロには「明るい材料」

BNPパリバの為替ストラテジスト、セバスチャン・ゲーリー氏 は「ギリシャのニュースはユーロにとって明るい材料で、ほぼ間違い なく市場が織り込んでいる以上に明るい」と指摘。「市場で織り込ま れているデフォルト(債務不履行)リスクはどんどん低くなっている」 と述べた。

ユーロはドルに対して、年初来で6%下落。1-3月期の下げは、 米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの破たんから2週間後の 08年9月末までの3カ月間以来の大幅となる見通しだ。

ドルはこの日、対ユーロでの下げ幅を縮小した。独10年債に対 する米10年債の利回り格差が拡大したことが背景。ブルームバーグ のデータによると、同利回り差は5bp拡大して73bp。

米雇用統計

ブルームバーグが79人のエコノミストを対象にまとめた調査に よると、3月の非農業部門雇用者数は18万4000人増加したと見 込まれている。予想通りであれば純増幅は07年以来の最大。米労働 省は4月2日に雇用統計を発表する。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。ダウ工業株30種平均は1年半ぶり高値とな った。2月の米個人消費支出(PCE)が5カ月連続で拡大したこと や、3月のユーロ圏景況感の改善が好感された。

S&P500種株価指数では構成する主要10業種中9業種が上 昇。米商務省が発表した2月のPCEは前月比0.3%増加し、ブル ームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値と一致した。シュル ンベルジェやエクソンモービル、アルコアなど商品株も高い。原油や 金属相場の上昇に反応した。航空機メーカーのボーイングは、次世代 中型旅客機「787」(ドリームライナー)の翼の負荷試験で良い結果 が得られたとの発表を手掛かりに買い進まれた。

S&P500種株価指数は、前週末比0.6%高の1173.22。ダ ウ工業株30種平均は45.50ドル(0.4%)上げて10895.86ド ルと、終値ベースでは2008年9月26日以来の高値となった。

ウェルズ・キャピタル・マネジメントの主任投資ストラテジスト、 ジェームズ・ポールセン氏は「個人消費が盛り返しつつある」と指摘。 「直近の経済指標は非常に良い。特に消費関連が好調だ。これは自律 的回復を示唆しており、株価にはプラスだ。加えて、欧州の状況も落 ち着いてきたようだ。信頼感が高まり、ギリシャ問題の解決も見込ま れる」と述べた。

S&P500種指数は昨年12月31日以降5.2%上昇しており、 このままいけば、四半期ベースでは1998年以降で最大の上げとな る。

四半期ベースでの上昇

S&P500種は1-3月(第1四半期)に業種別では資本財・ サービス株が13%と最も値上がりし、次いで金融株が11%、そし て消費関連株と続く。29日の相場では、エネルギー株指数が1.8% 高と、全体をけん引した。

米調査会社ビリニー・アソシエーツは、米S&P500種株価指 数の年末予想を1325に上方修正した。これは先週の終値を14%上 回る水準。

ビリニーはリポートで、「相場の底堅さは印象的だ」とした上で、 「大型株は現在、相場全体を押し下げるのではなく、プラスに寄与す る可能性が高くなっている」と説明した。

株式とジャンク債

S&P500種株価指数はジャンク債(高利回り・高リスク債) と比較するとバリュエーション(株価評価)が2年ぶりの低水準にあ る。過去20年の動きを参考にすれば、これは株式相場の上昇が持続 する兆し。

ブルームバーグが集計したデータによれば、S&P500種の益 回り(株価収益率の逆数)に対するジャンク債利回りの上乗せ幅は

3.22ポイントと2007年以来最小で、過去22年の平均(5.93ポ イント)を下回っている。こうした状況は、株式相場が株式との関連 性の高いジャンク債投資に次いで過小評価されている可能性を示すも のだ。

3月のユーロ圏景況感は、市場予想以上に改善し、ほぼ2年ぶり の高水準となった。欧州連合(EU)の欧州委員会が29日発表した 3月のユーロ圏景況感指数(速報値)は97.7と、2月の95.9か ら上昇し、2008年5月以来の高水準となった。ブルームバーグがま とめたエコノミスト28人の予想中央値では、3月は97.1と見込 まれていた。

エネルギー株、ボーイング

シュルンベルジェは2.3%高の63.07ドル。エクソンは

1.1%上昇し、67.30ドル。ニューヨーク原油相場は2.7%高の1 バレル=82.17ドルで取引を終了した。

ボーイングは2.1%高の74.11ドル。上昇率はダウ平均で最 大となった。世界2位の商用機メーカーである同社は、ドリームライ ナーの翼の負荷試験で良い結果が得られたと発表。この試験は、年末 までの承認取得に向けて計画を続行できるかどうかを決めるものにな る。

◎米国債市場

米国債相場は下落。10年債利回りは昨年6月以来の高水準付近 で推移した。株高に加え、米個人消費支出の増加を受け、安全な逃避 先としての国債需要が減少した。

欧州連合(EU)で最悪の財政赤字を抱えるギリシャが50億ユ ーロ相当の7年債を発行したことからリスク資産に買いが集まった。 EU首脳は先週、ギリシャ救済計画で合意した。4月2日に米雇用統 計の発表を控えていることも期間が長めの国債に売りを誘った。雇用 者数は3年ぶりの大幅増を示すと予想されている。

スコシア・キャピタルの米国債トレーディング責任者、チャール ズ・コミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「2日の雇用統計で久しぶ りに雇用増が示されるとの警戒感がある。その不安感から安値近辺で 推移するだろう」と述べた。

BGキャンター・マーケッツ・データによると、ニューヨーク時 間午後4時現在、10年債利回りは前営業日比3ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.87%。同年債(表面利 率3.625%、2020年2月償還)価格は6/32下げて97 31/32。 利回りは25日に3.92%と、昨年6月11日以来の高水準に達した。

モルガン・キーガンの債券セールス・トレーディング・調査責任 者、ケビン・ギディス氏は顧客向けリポートで「金利は上昇する態勢 ができているようだ」と指摘。「イベントリスクから国債相場は上昇 する場面もあるだろうが、国債発行の規模と経済状況の改善により、 金利は上昇を続ける可能性が高い」と分析した。

米商務省が29日発表した2月の個人消費支出(PCE)は前月 比0.3%増加。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央 値と一致した。1月は0.4%増(速報値0.5%増)に下方修正され た。

EU首脳は先週、国際通貨基金(IMF)融資と二国間融資を組 み合わせで、ギリシャに支援を提供するとの独仏の提案を支持した。

雇用増見通し

2年債利回りは前営業日比ほぼ変わらずの1.05%。雇用統計で は雇用増が見込まれているものの、米連邦公開市場委員会(FOMC) が低金利を維持するとの見方が背景にある。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクターで 米国債トレーディング責任者のマイケル・フランゼーズ氏は「4月2 日発表の雇用統計は驚異的な数値になると声が多いが、FOMCが動 かないため、国債相場に対する弱気な見方は強気派に押されてしまう だろう」と述べた。さらに、「1%という2年債利回り水準は買いの 好機だ」と指摘した。

ブルームバーグがエコノミスト79人を対象に実施した調査によ ると、3月の雇用者数は18万4000人増が予想されている。2月 は3万6000人減だった。失業率は9.7%にとどまるとみられてい る。

グリーンスパン氏の見解

アラン・グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長 は、最近の米国債利回り上昇は「坑道のカナリア」のようだとし、 「米連邦政府が積み上げた前代未聞の巨額債務」に対する投資家の懸 念を反映していると指摘した。

2009会計年度の米財政赤字は1兆4000億ドルに達し、ディ ーラー10社を対象に2月に実施された調査では、今年の国債発行額 は過去最大の2兆4300億ドルに上ると予想されている。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は上昇。ドルの下落を背景に代替投資先 としての金への需要が高まり、1週間ぶり高値を付けた。

ギリシャ懸念が緩和したことで、ユーロの対ドル相場は一時

0.9%上昇。商品19銘柄で構成するロイター・ジェフリーズCRB 指数は2月16日以来の大幅高となった。金は2009年に24%上昇 した一方、主要6通貨のバスケットに対するドル指数は4.2%下落 した。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レ シュ氏は「ドル安は金の支援材料だ」と指摘。「トレーダーはドルが 下げたのを見て参入し、商品全般に買いを入れている」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 6月限は前週末比6.10ドル(0.6%)高の1オンス=1111.50 ドルで取引を終了。一時は1116ドルと、19日以来の高値を付ける 場面もあった。年初からは1.4%上昇。四半期ベースでは6四半期 連続でプラスとなりそうだ。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は約5週間ぶりの大幅高。欧州連合(EU) のギリシャ支援計画に加え、経済成長ペースが加速する兆しを受けて ドルが売られたことが原油の買いを誘った。

原油は1バレル=82ドルを上抜いた。EU加盟国は先週、国際 通貨基金(IMF)とともにギリシャを支えることで合意した。ドル の下落は代替投資としての商品の魅力を高める。米商務省が発表した 2月の個人消費支出(PCE)は5カ月連続でプラスとなった。

PFGベスト(シカゴ)のバイスプレジデント、フィル・フリン 氏は、「ギリシャ問題の決着が原油を押し上げている」と指摘。「こ の日はドルが下げたことで商品が軒並み上昇している」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物5月限は前 営業日比2.17ドル(2.71%)高の1バレル=82.17ドルで取引 を終了した。1営業日の上げとしては2月16日以降で最大。一時は

82.78ドルと、18日以来の高値を付けた。

◎欧州株式市場

欧州株式相場はほぼ変わらず。米格付け会社、スタンダード・ア ンド・プアーズ(S&P)が英国の信用格付けのアウトルック(見通 し)を引き続き「ネガティブ」に指定し、財政赤字の増大が同国の景 気回復を頓挫させるとの懸念が広がった。一方で、3月のユーロ圏景 況感は市場予想以上に改善し、株式市場の下値を支えた。

アライド・アイリッシュ銀行は20%安。アイルランド銀行は 10%値下がりした。アイルランド政府設立のバッドバンクが不良債 権の買い取りを実施するに伴い、政府は両機関への出資引き上げを迫 られると懸念されている。英国の住宅建設大手、バラット・デベロッ プメンツは2.9%安。2月の英住宅ローン承認件数が予想外に減少 したことが背景となった。一方、金属価格が上昇したことで、豪BH Pビリトンと英・オーストラリア系のリオ・ティントなどの鉱山株が 買われた。

ストックス欧州600指数は前週末比0.1%高の263.89で取 引を終了。プラス圏とマイナス圏を行き来する方向感に乏しい展開だ った。ギリシャ懸念が緩和するなか、同指数は四半期ベースでは4四 半期連続でプラスとなりそうだ。2009年の3月9日以降、67%上 昇している。

KBLリシュリュー・ゲションの証券アナリスト、シクン・ダン 氏(パリ在勤)は「株価が反発した後、値固めの動きとなったのは意 外ではない」と述べ、「市場は圧迫されている。周辺諸国の財政赤字 といったリスクは決して払拭されていない」と指摘した。

29日の西欧市場では、18カ国のうち12カ国の主要株価指数 が上昇した。

S&Pは英国の長期ソブリン債信用格付けを「AAA」で据え置 き、信用格付けのアウトルック(見通し)を引き続き「ネガティブ」 に指定すると発表した。英政府が財政赤字の削減について具体的な手 段を十分に示していないことを理由に挙げた。

欧州連合(EU)の欧州委員会が29日発表した3月のユーロ圏 景況感指数(速報値)は97.7と、2月の95.9から上昇し、2008 年5月以来の高水準となった。ブルームバーグがまとめたエコノミス ト28人の予想中央値では、3月は97.1と見込まれていた。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではギリシャ国債相場が下落。欧州連合(EU)が先 週に緊急支援策で合意して以来で初めてとなる国債発行が嫌気された。

ギリシャ10年債のドイツ10年債に対するプレミアム(上乗せ 金利)は拡大した。業務にかかわるバンカー2人が匿名を条件に述べ たところによると、7年物国債の発行時の利回りはスワップレートに 約310ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上乗せされる 公算だという。

この日発表された経済指標で、3月のユーロ圏景況感指数がエコ ノミスト予想以上に伸びたほか、3月のドイツのインフレ率が1年4 カ月ぶりの高水準となったことが示されたものの、ドイツ国債市場に は影響せず、相場は上昇した。

クレディ・アグリコルCIB(ロンドン)の債券ストラテジスト、 ピーター・チャットウェル氏は、「ギリシャ国債の利回りをめぐる不 透明感が市場に織り込まれている」と指摘。「7年物国債の供給増加 は償還期限の近い国債に打撃を与えるだろう」と語った。

ロンドン時間午後5時1分現在、ギリシャの10年債利回りは 前週末比9bp上昇の6.32%。同国債(表面利率6.25%、2020 年6月償還)価格は0.70ポイント下げ99.40。ギリシャ2年債は 5営業日ぶりに下落し、同利回りは29bp上昇の4.88%となった。

独10年債利回りは3.14%と、前週末から1bp低下。ギリシ ャ10年債の独10年債に対するプレミアムは13bp拡大し318b pとなった。

◎英国債市場

英国債相場は上昇。最近の世論調査で野党・保守党の労働党に対 するリードが拡大したほか、米格付け会社スタンダード・アンド・プ アーズ(S&P)が英国の最高格付けを維持したことが背景にある。

10年債利回りは1カ月余りで最大の下げとなった。S&Pは、 6月3日までに実施される総選挙が終了するまで英国の格付けを見直 さないと発表。保守党のリードが拡大したことを受け、過半数を制さ ない政権が誕生する可能性が小さくなり、財政赤字削減への取り組み が実施される公算が高まった。

ロイヤルバンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS、ロ ンドン)の金利ストラテジスト、ジェイソン・シンプソン氏は「世論 調査での保守党のリードはここ数週間の低下分の一部を取り戻したよ うで、これが英国債への支援要因となった」と指摘。S&Pの格付け 据え置きについて「さほど意外ではなかったが、確認できたのは良か った」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時59分現在、10年債利回りは前週末比6 ベーシスポイト(bp、1bp=0.01%)低下の3.98%。一時は 8bp下げ、先月24日以降で最大の低下となった。同国債(表面利 率3.75%、2019年9月償還)価格は0.43ポイント上げ98.22。 2年債利回りは1.17%と、前週末を1bp下回った。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net Editor:Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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