きょうサッポロH総会、スティールと委任状争奪戦-会社側は午後会見

国内ビール4位サッポロホールデ ィングスの経営陣を選任する株主総会が30日開催される。筆頭株主ス ティール・パートナーズと会社側がそれぞれの取締役案を提出、株主の 委任状争奪戦(プロクシーファイト)をしており、2万8032人に達す るサッポロH株主の審判が下る。

約10年サッポロホールHの株式を保有する個人投資家の会社員、 田上修司さん(48)は、スティール案に賛成する意向だ。「スティール の経営陣候補に懸念はあるが、現経営陣が今後も指揮をとり続けるより はましだ」と議決権行使の理由を語る。

実際サッポロHはビール首位キリンホールディングスや2位アサヒ ビールと比較すると収益の伸びは劣る。前期(2009年12月期)純利益 を10年前と比較するとキリンが1.5倍でアサヒは12倍だが、サッポロ Hは1倍と横ばいにとどまる。さらにサッポロHは売上高で32%、営業 利益で24%の減収減益となる。

約30億ドル(約2700億円)を運用するアトランティス・インベス トメント・リサーチのエドウィン・マーナー社長は、「サッポロH経営 陣への投資家の不満は高まっていてスティールが勝つかもしれない」と 予想した。同時に「運用するファンドが不調であることからサッポロH 株は早期に売却してしまうのではないか」と指摘した。

スティールは2008年5月のアデランスホールディングスの株主総 会で、会社側提出の取締役案否決に成功した。その後の8月の臨時株主 総会で自身の取締役案が承認された。サッポロHの総会で株主の賛同を 得られれば、アデランスH総会に続く勝利になる。

経営陣が変わっても

とはいえアデランスHのケースでは、経営陣が代わればすぐに企業 が成長路線を描けるともいえない。アデランスHでは新経営陣就任後も 主要商品の月次売上高は前年同月比でマイナスが続いていて経営改善の 効果は顕在化していない。高橋道義広報IR室長は「今は新しいマーケ ティング戦略を始めていて業績への貢献が実際に現れるのは今期(2011 年2月期)以降と予想している」と話した。

スティールは投資家の資金でサッポロHに投資しているため、どこ まで長期にサッポロの経営に携われるのかを疑問視する声もある。現に スティールは金融危機後、日本株の売却を進めている。今月も一時約 19%を保有しTOB(株式公開買い付け)提案していたノーリツ株を一 部売却し持ち株比率は3.92%にまで低下している。

スティールの田中克佳マネージングディレクターは18日の記者会 見で「アデランス同様、サッポロの長期経営改革にコミットする用意が ある」と述べた。しかしアデランスHへの投資については「投資家が資 金を引き揚げない限り長期でサポートする」と表現しており、自らの意 志だけではサッポロへの長期的コミットメントを約束できないニュアン スもにじませた。

サッポロH、午後に記者会見

取締役選任案については、リスクメトリックス、グラスルイス、日 本プロクシーガバナンスといった議決権行使助言企業はスティール側の 候補者に賛成票を投じるように推奨している。スティールの田中氏は、 18日の記者会見で「個人投資家の注意喚起は難しいが、事業法人や機関 投資家は明らかに変わってきている」と語った。

サッポロHの村上隆男社長は26日、ブルームバーグ・ニュースと のインタビューで、投資家の反応について「今だけでなく日常から経営 をしっかり考えている積み重ねにご理解いただけている感触を持つ」と 述べた。

昨年12月末時点で、サッポロHDの株主構成は、筆頭株主のステ ィールを含めた外国人投資家が31.8%、金融機関が34.0%、個人

16.9%、国内事業法人15.3%、証券会社1.3%となっている。このほか、 サッポロの自己保有分が0.6%となっている。

サッポロホールディングスの発行済株式数は3億9397万1493株、 議案可決には議決権の過半数を握ることが必要になる。株主総会は30 日午前10時から東京都内で開かれ同日昼には結果が判明する見通し。 サッポロHは株主総会後、午後零時半から村上社長の記者会見を行う予 定だ。

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