東京外為:円全面安、ギリシャ懸念が緩和-米雇用統計に焦点移行

東京外国為替市場では、円が主 要16通貨に対して全面安の展開となった。ギリシャの財政問題をめ ぐる不透明感の緩和を背景に、投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、高 金利通貨などに対して円売り優勢の展開となった。

三菱UFJ証券クレジット市場部為替課長の塩入稔氏は、ユーロ の売り持ち高が増加している状況下で、ギリシャ問題で新たな不安材 料が出ない限りは、「ユーロの下値を攻める動きは見込みにくい」と 指摘。目先はユーロに買い戻し圧力がかかりやすいとしながらも、市 場の注目は徐々に米雇用統計に移行するとして、大きな方向感は出に くい面もあるとみている。

ユーロ・円相場は朝方に一時1ユーロ=124円97銭と、17日 以来の水準までユーロ高が進行。その後いったん124円台前半まで 押し戻されたものの、午後は124円台半ばから後半で推移した。

主要16通貨中、対円での上昇率が最も高かったのは資源国・高 金利通貨のオーストラリア・ドルだった。ドル・円相場は午後の取引 で一時1ドル=92円79銭と、前週末のニューヨーク時間午後遅く に付けた92円52銭から円がやや水準を切り下げた。

米金利動向に焦点移行へ

先週開かれた欧州連合(EU)首脳会議では、ギリシャ救済をめ ぐって、国際通貨基金(IMF)からの融資を組み入れた支援策を準 備することで合意。支援の枠組みが整った上で、ギリシャのパパコン スタンティヌ財務相は、EUが承認した支援計画を活用する計画はな いとして、資金調達は国際市場に依存する方針であることを明らかに している。

焦点となっていたEU首脳会議を無難に通過し、週明けの東京時 間早朝の取引ではユーロ買いが先行。ユーロ・ドル相場は一時1ユー ロ=1.3527ドルと、4営業日ぶりのユーロ高値を付けたあと、

1.34ドル台前半まで水準を切り下げているが、下値も限定的となっ た。

一方、米国の10年債利回りは25日に一時3.9%台に乗せ、昨 年6月以来の高水準を付けたあと3.8%台を維持して推移。資産管理 サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、米金利の動向を背 景に「じりじりとドルが買われやすい」面もあると指摘する。

そうした中、今週後半には米国で雇用関連の指標が発表される。 ブルームバーグ・ニュースが29日までにまとめた市場予想では、3 月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比19万人の増加と、4 カ月ぶりの雇用増が見込まれている。

野村氏は、米雇用統計について、「市場の目線が上がっている感 がある」として、期待感の振れが長期金利に与える影響を警戒する必 要があるとしている。

地政学的リスク警戒も

ロシアの非常事態省の当局者が明らかにしたところによると、モ スクワ市内の地下鉄2駅でそれぞれ爆発が発生。モスクワでの爆発事 件の死者数としては2004年に42人が死亡した地下鉄爆弾テロ事件 以来最多となる惨事になっている。

クレディアグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司ディレクターは、 「ロシア向けのエクスポージャー(融資)は欧州の金融機関の方が多 い」としたうえで、今後、事件が拡大するようだと、ユーロ売りにつ ながる可能性があるとみている。

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