【今週の債券】長期金利1.4%台乗せも、日銀短観や米雇用改善予想で

今週の債券市場で、長期金利は約 4カ月半ぶりに1.4%台に乗せる可能性がある。企業短期経済観測調 査(日銀短観)と3月の米国雇用統計がいずれも大幅な改善が見込ま れており、日米の景気回復への期待が強まれば、金利に上昇圧力がか かりやすいとみられるためだ。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、「長期金利は 一時的に1.4%台に乗せそうだ。日米で発表される指標が市場の景気 回復期待を高めれば、投資家の買い控えの中で金利は上昇余地を探る」 と予想している。

長期金利の指標とされる新発10年債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが26日までに市場参加者4人に聞いた今週の予想レン ジは全体で1.33%から1.45%となった。1.4%台に上昇すれば昨年11 月12日以来となる。前週末の終値は1.375%だった。

今週は日米の主要経済指標に関心が集まっている。パインブリッ ジ・インベストメンツの松川忠債券運用第二部長は、「日銀短観は良い 数字が予想されている。米国の雇用統計もかなり強めだろう」と語り、 期末前で買いが入りづらい中、リスク回避の動きが強まることから、 債券は軟調推移になると予想する。

ブルームバーグ・ニュースの予測調査によると、日本銀行が1日 に発表する短観では、大企業・製造業DIはマイナス14、大企業・非 製造業DIはマイナス18と前回調査(製造業がマイナス24、非製造 業はマイナス22)から改善する見通し。

米雇用統計、かなり強いとの声も

一方、米国で2日に発表される3月の雇用統計では、非農業部門 雇用者数が前月比18万7000人増加と前月(3万6000人減少)から大 幅な改善が予想されている。バークレイズ・キャピタル証券の高橋祥 夫チーフ外債ストラテジストによると、米政府の国勢調査実施による 臨時雇用増などにより、「かなり強い数字が出てくる」とみている。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファン ドマネジャーは、「米雇用統計が強い内容となれば米国債が売られやす くなり、円債にもリスクを回避するためのヘッジ売りが出る」とみる。

世界的に株価が上昇基調にあることも債券相場の重しになりそう。 日経平均株価は前週末に一時1万1000円台を回復し、昨年来高値を更 新した。DIAMアセットの山崎氏は、「足元でマクロ経済指標が良く て企業の業績期待もあり、景気に楽観的な見方が広がっている」と説 明した。

米国市場で長期金利の上昇が続くかも注目されている。シティグ ループ証券の佐野一彦チーフストラテジストは、「米長期金利が4%ま でで上昇が止まり、反落するなら、日本の10年債利回りが1.4%に迫 った現行水準は押し目買いの好機になる」とみている。

市場参加者の予想レンジとコメント

26日までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通 り。先物は中心限月6月物、新発10年国債利回りは306回債。

◎三井住友海上火災保険投資部・高野徳義グループ長

先物6月物138円00銭-138円80銭

新発10年債利回り=1.34%-1.40%

「長期金利の1.4%に向けて売りが先行しそう。為替で円の先安 観が出てくるか、日経平均が年初来高値をどこまで上回れるかが焦点。 もっとも、1.4%に近づくと買いたい弱気派も出てくる。短観の内容は 織り込み済みで、米国の雇用統計も見極めるとなれば、本格的に売ら れるのは来週の10年入札前だろう。新年度の相場はまず売りから入っ て、ゆっくり買い場を探す展開か」

◎パインブリッジ・インベストメンツの松川忠債券運用第二部長

先物6月物137円50銭-138円60銭

新発10年債利回り=1.35%-1.45%

「軟調か。日銀短観は良い数字を予想している。米雇用統計もか なり強めだろう。期末を迎え買いが入りづらい中、債券はリスクを回 避する動き。4月は米国債相場が弱くなる傾向があるほか、生命保険 などが外債投資を再開し、円安・株高になりやすい。一般債の供給も 出てくる。ギリシャ問題も負の連鎖が回避され、欧州株は上昇してい る」

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファンド マネジャー 先物6月物137円80銭-138円70銭

新発10年債利回り=1.34%-1.41%

「年度末までは押し目買いが入るとみているが、新年度入り後は、 1日の日銀短観と2日の米雇用統計次第の相場展開になるのではない か。米国債相場が振れやすいことや日経平均株価が1万1000円台まで 上昇しており、債券にはヘッジ売りが出やすい。足元でマクロ経済指 標が良く、企業の業績期待もあり、景気に楽観的な見方が広がってい る」

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物6月物137円70銭-138円70銭

新発10年債利回り=1.33%-1.43%

「長期金利は一時的に1.4%台に乗せそうだ。日米で発表される 指標が市場の景気回復期待を高めれば、投資家の買い控えの中で金利 は上昇余地を探る。ただ、日銀の金融緩和維持との見方が揺らぐとは 考えにくく、5年までの中期ゾーンには徐々に押し目買いが入る。長 期債についても1.4%付近の水準でいったんは買いに動く向きが増え る」

--取材協力:赤間信行、船曳三郎 Editors:Hidenori Yamanaka,Joji Mochida

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